(152 / 293) ラビットガール (152)

ガッ!ゴッ!と今だ殴る音が止まないまま勝負は失格によりグロッキーモンスターズが勝利した。
しかし、勝利したといっても一人の少女に全滅させられたのでなんともマヌケな勝利だろう。
フォクシーは殴り続けるアスカに怯えながらルフィ達の前に現れる。
因みにアスカはどんなに止めても殴るのを止めず、今フォクシー海賊団が必死になってとめようとしていた。


「さ、さァて…結果がどうあれ……第2回戦『グロッキーリング』はおれ達の勝ちだ!!」

「ちょ、ちょっと待ってよ!!確かに反則負けだろうけどシュラハテンは生き物よ!ただの蛇よ!!!武器じゃないわ!!!」

「いい訳は無用!!!まずは一人目!!おれが欲しいのは……お前だーーっ!!!!」


ナミの訴えを無視し、指差したのは花束を手にするミコトだった。


「なに〜〜〜〜〜!!!!?」

「あら」

「あ…?」


ミコトのご指名を聞きビックバンを殴っていたアスカの手がピタリと止まる。


「駄目だ!駄目だぞ!!姉ちゃんは駄目だ!!!」

「フォッフォッフォ!!!お前らは負けたんだ!!!この美しい女はおれ達が可愛がっt……あべ!!!」

「いやん!!オヤビーーーンっ!!!!」


高笑いするフォクシーにアスカが蹴り飛ばした。
飛ばされたフォクシーをポルチェが追いかける。


「ふざけんな、死ね!アホ狐!!!」

「ちょっとアスカ!!あんたなんでシュラハテンを使ったの!!っていうか激しい運動しちゃだめだって言ったじゃない!!!!」

「そうだぜ!!!お前が武器使ったから仲間取られちゃうだろ!!!!」

「私悪くないもん!悪いのはあいつだもん!」

「あぁ!アスカは悪くねェ!!姉ちゃんに手を出そうとしたあの巨人が悪ィ!!!グッチョブ!アスカ!!!」


プイッ、とそっぽ向くアスカにルフィはグッと親指を立てて褒め称え、ルフィの褒め言葉にアスカもグッと親指を立てて返す。
そんなルフィにナミとウソップが頭を叩いた。


「ゲフ…ど、どう足掻こうがその女はおれのもんになるん…」

あ?

「ひぃーー!!!」

「オヤビン!!」


血を吐きながら戻ってきたフォクシーの胸倉をアスカが掴み凄み、その凄みにフォクシーが悲鳴を上げた。
グッと拳を握りあとは振り下ろすだけとなった時…アスカは不意に思いつく。


「あ、そうだ…ねぇ私を仲間に選びなさいよ」

「は!?」

「「「アスカ!?」」」


何か思いついたようなアスカの言葉にフォクシーもルフィ達も目を丸くする。
そんな周りに気付かずアスカはフォクシーの胸倉を掴んだままご機嫌よく笑顔を浮かべる。


「ね?いいでしょ??」

「や…」

は?

仲間になってください


断ろうとするのだが、アスカの鋭い睨みにフォクシーは土下座して頼んだ。
その後ろには船員たちもいた。


「ちょ…アスカ!!?」

「大丈夫だって、ナミ…こうなったの私のせいだし。」

「アスカ……」

「…で、本音は?」

「お姉さまに助けられたい!!」

「……アスカ…」

「お前……」


アスカの言葉に少しは反省しているのだと思っていたが、全く反省などしていなかったアスカにナミとウソップは肩を落とす。
そして質問したロビンとミコトは可笑しそうに笑っていた。
こうしてアスカは強制的にフォクシーの仲間になり、変なマスクを拒んで堂々とイスに座ってふんぞり返っていた。
その姿はまさに王だった。


「アスカって凄いな!恐いな…!!」

「な」

「全く…男どもが頼りないからアスカを取られちゃったじゃない!!!」

「ナミも恐いな!!」

「な!」


アスカには逆らうまい、と先ほどのやり取りを見て思ったチョッパーとウソップだったが、上には上がいるもので…ナミにも逆らうまいと心の底から思った。
三回戦は仲間ではないがミコトが参加となっており、その会場の準備も出来ているという事で移動する。


「ふふ、責任重大ね」

「きゃ〜〜っ!お姉さま〜〜〜!!助けてくださ〜〜い!!!」

「平気そうじゃねェか…」


気絶しているサンジはチョッパーが介抱し、チョッパーに怪我の手当てをしてもらっていたゾロが呆れたように呟いた。


≪さ、さァ!!続いては第3回戦!『草原フラッグ』!!≫

「草原フラッグ!?」

「ビーチじゃなくて草原って…そのままじゃん…」

≪さァさァ!!両者配置についてくれ!!≫


白い線で囲み、配置についたミコトと海賊の遠くに旗が1つ置かれた。
草原フラッグはうつ伏せスタートではないのか両者線の内側に立っており、ミコトの相手はどこかチーターに似ていて見た目的に足が速そうである。


「これも武器禁止かしら?」

「い、いえ!武器・妨害ありです!!」


話しかけられた審判は顔を真っ赤にして背筋を伸ばして答える。
そんな審判にミコトは目を細めた。


「姉ちゃ〜〜〜ん!!!頼むぞーーー!!!」

「お姉さま〜〜〜!!!!私のために頑張ってくださ〜〜い!!!」

「相手すっげェ速そうだけど大丈夫かな…」

「あぁ、まるでチーターのような奴だ」

「女に追いつくか?」

「男と女じゃ差がありすぎるわ…」

「まぁ、何にせよあの人はルフィとエースのお姉さんだもの…多分人並み外れた能力を持ってるはず…」


ナミの言葉にウソップたちはゴクッと唾を飲み見守る。

そして、



≪位置についてーーー!!…よーい…ド〜〜〜〜ン!!!!≫


開始の合図が響いた。


「ヘヘ!!!美人だからって手加減はしな…」


ミコトより早く走り出した男の耳にヒュンッと何かが風を切る音が届く。


「え!?」

「な……!!」

「え?え?」

「………!」


一瞬にしてスタート時点から黒い鞭のようなもので旗を取ったミコトにみんな唖然とし、その場は静まり返る。


≪な……なんということだろうか!!!!一歩も動くことなく旗を一瞬にして取ったよ〜〜っ!!!どういうカラクリなんだ〜〜〜〜!!!??≫

「ふふ!何でもありは逆に助かるわ」


一瞬の間をおいた後、ワァァァ、と歓声が上がる中、ミコトは笑みを深め鞭を消す。
そしてミコトの勝利に嬉しそうに胸元で手を組んでいたアスカに向かって腕を広げた。


「アスカ、帰ってらっしゃい」

「お姉さま〜〜〜〜!!!!!」


きゃ〜〜〜!!と黄色い声を出しながら一直線にミコトの豊満な胸に飛びつく。
ミコトも笑顔で飛び込んできたアスカの頭を撫でてやる。


「うお〜〜〜〜!!!さすが姉ちゃん!!!すげェ〜〜〜っ!!!!」

「すげ〜〜〜〜!!!ルフィの姉ちゃんすげ〜〜〜!!!」

「いや…凄いけど……一体何があったの?鞭を出したまでは見たけど…」

「一瞬で見えなかった…ホントに何もんだ!?ルフィの姉ちゃんは!!!」

「……………」

「伊達にルフィの姉をやってねェって事か…」


ルフィとチョッパーが大喜びする中、ナミ達は改めてルフィの姉という存在に圧倒されてしまう。

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