(155 / 293) ラビットガール (155)

ルフィはチョッパーに手当てされ、目を覚ました。


「あ…あれ!?ゲーム!!ゲームは!?…おれ勝ったと思ったのに…夢か!?」

「大丈夫だ…勝ったよ」

「よかった…」


ゾロの言葉にルフィは起き上がっていた身体を倒し、ホッと息をつく。


「…………」

「安心して観てたぞ、おれは」

「ウソつけ」

「考えたらこの船出て海賊やる理由はねェんだ。おれは」

「フフ…」

「お姉さまに無様な姿を見せなかった分、文句はないわね」

「かっこよかったわよ、ルー君」


アスカは寝転ぶルフィにペシペシと叩くように撫で、ミコトは弟と妹を微笑みながら見ていた。


「オヤビン!!」

「まだ動かねぇ方が…!!」


フォクシーも起きたのか手下が止めるが立ち上がりルフィに近づく。


「おい麦わらぁ…!てめぇ…よくもおれの無敗伝説にドロをぬってくれたな…天晴れだ。ブラザー」


手をルフィに差し出しルフィも差し出された手を握るが…


「でりゃーーーっ!!くやしまぎれ一本背負い!!!」


一本背負いをかけようとするがルフィの手が伸び、頭を打つ。


「ルールだ!さぁ早ぇトコ選べ!!誰が欲しいんだ!!」

≪そうだ!最後の取り引きが待っているよ!!指名権は勝利チーム船長"麦わら"!!"船大工"をご所望の様子だよ!そうなると本命は50人の船大工のボス!ソニエか!?はたまた戦う船大工ドノバンか!!?
本能の赴くままお色気船大工ジーナ姉さんか!?しかし!!誰を選ぶも自由!!さぁ決めてくれ〜〜!!≫


50人の大工の中から3人の大工を並べ、ルフィが選んだのは、


「海賊旗をくれ!!」

「「「何ーーーーーっ!!?」」」

「お、おい!ルフィ!!いいのか!?お色気船大工ジーナ姉さんはいいのか!?後悔しねェか!?」

「欲しいもの貰ったら何のために決闘受けたんだかわかんなくなるもんな!」

「よかった…」


女好きのサンジらしく、海賊旗を欲しがるルフィに必死にジーナを選ばそうとするが、ルフィは本来の目的を忘れておらず、断る。
その傍でナミがホッと胸を撫で下ろした。


「…そんなバカな!!迷わずおれ達の誇りを奪おうというのか!?」

「いいよ、帆は。それがねぇとお前ら航海できねぇだろ」

「まぁ!なんて慈悲深いのかしら!!流石ルー君ですわ!!」

「ム…」


ルフィの言葉を聞き、ミコトはルフィを抱きしめ褒めちぎる。
それをアスカが頬を膨らせてルフィに嫉妬していた。
しかしルフィが代わりに描いた帆のマークを見上げ、顔を引きつる。


(相変わらずな下手さ…)

「可愛い!!」

「お姉さま!?」


自分達の海賊旗と同等のド下手さに流石の幼馴染も顔を引きつらせるが、隣にいた姉の一言に驚き珍しく声を上げてしまった。
―――そして花火が上がり、デービーバックファイトが終わった。







「シェリー…」

「ヒヒー…ン」


撃たれたシェリーと共にルフィを待っていたトンジットは落ち込んでいるシェリーに笑顔を向ける。


「わははは!いいんだ、お前はここで10年もおれを待っててくれたんだ…今度はおれが待つ番だ。何年かかってもいい…おまえが元気になったら一緒に村を追いかけよう!」


シェリーを撫でていると、背後から数人の足音が聞こえ振り返ると何かを持っているルフィだった。


「お前ら…」

「ブッ飛ばしてきた!」


フォクシー海賊団の海賊旗をトンジットの前に出し、トンジットは唖然とする。


「…………ずいぶんケガしてる…」

「こんなのいつもだ!」

「……ありがとうよ…!!」


ルフィがにっと笑えばトンジットも嬉しそうに、そしてシェリーも笑顔を浮かべた。


「なるほどね、それで決闘を受けたの」

「あの子は優しい子ですから…」


シェリーの手当てをし直すチョッパーを見つめ、ナミは納得し、ナミの言葉にミコトが愛しそうにルフィを見つめる。


「その移動しちゃった村へ私達が連れてってあげられればいいんだけど…」

「それがよ、10の島はそもそも繋がった一つの島だから記録がとれねぇんだと」

「いいんだ、そこまでやって貰う事はねェ…おれ達は気が長ぇから大丈夫だ。それより…せっかく来たんだ。ウチへ入れもてなそう」

「もてなすもんねぇだろ。もうチーズはいいぞ!!」

「あはは」

「チーズ?」


家へ向かうトンジットの言葉にウソップが嫌そうな顔をして述べ、それにアスカが首を傾げる。
しかしトンジットが入ろうとしたそのとき、何かにぶつかってしまった。


「うぉ!!何だこれは…」

「人!?」

「ここにずっといたの!?」

「…………」

「でか…」


見上げると長身の男がアイマスクをつけて立ったまま眠り、男を見たミコトは静かに目を細め、アスカは男を口を開けて見上げていた。


「んん?………何だお前ら」

「おめェがなんだっ!!!」

「木かと思った…」


トンジットがぶつかった時に起きたのか、男は眉を潜め、アイマスクを外す。
するとロビンが座り込んでしまった。


「ロビン!!?」

「どうした!ロビンちゃん!!」


ロビンが異常なほど怯えているのを見た、ルフィ・ゾロ・サンジは男を警戒しはじめる。
ゾロはすでに刀を手にやっていた。


「…あららら…コリャいい女になったな…ニコ・ロビン」


そんな3人を余所にロビンを見下ろし口端を上げる。

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