(169 / 293) ラビットガール (169)

戦いは1番ドック前ではなく、広い場所へと移った。

「ルフィーー!!ぶっ飛ばすのよ!!そんな海水パンツ!!!」

「アニキーーー!!」

「ファイトだわいな!!」


ナミとフランキーの連れの女2人が戦い始めたルフィとフランキーを応援し、ナミの傍にいるアスカは二人の戦いを睨むように見つめるだけだった。
しかし、2人の戦いは何者かに邪魔されてしまい2人は吹っ飛んでしまう。



「くだらねェマネしてくれたな…お前の狙いはなんだ…!!麦わらァ!!!!」



吹き飛んだ二人を見て、アスカはその声の方へと振り返った。
そこにいたのは5人の男達。
皆強面風で、ナミはその5人を見て喜ぶ。


「昨日の船大工の人達…!!こりゃこっちの味方ね!!」

「………そうでもなさそうだけど…」

「え?」


ナミの様子から、どうやらこの5人はガレーラカンパニーの大工達らしく、世話をしてもらったこともあってこちらの味方だと思っていたらしい。
しかしさきほどの言葉といい、ルフィを睨む目といい…アスカからは味方とは思えなかった。
それにナミは首をかしげたが、アスカの予想通り船大工達はフランキーではなくルフィを攻撃し始める。


「え!?何で!?何で船大工もみんなも敵なの!?」

「……………」


戦いは何故かフランキー対ルフィ対ガレーラの大工達となり、激しさをました。
海賊相手の商売故なのか、ガレーラカンパニーの大工達はアスカが予想していたよりも強く、あのルフィが悪戦しているほどだった。


「ゲホ…ハァ…ホントに強ェなこいつら……くそォーー!!何なんだ!理由ぐらい言え!!!」

「理由を知りてェのはおれ達の方だ…!!!!」

「??」

「昨夜本社に侵入してアイスバーグさんを襲撃した犯人はお前らだろうが!!!」


ルフィを指をさし睨みつけるパウリーの言葉にルフィ達だけじゃなく、周りに居た町の人達も騒然とする。


「ばか言え!!!何でおれ達がそんな事するんだ!!!!」

「"犯人"を2人覚えていると目を覚ましたアイスバーグさんが証明したんだ…政府に聞きゃあお前らの仲間だと言うじゃねェか…『ニコ・ロビン』って賞金首はよ!!!」

「ロビン!!?」

「…………!??」

「ロビンが…!?」


行方不明となっていたロビンの名前を出されルフィ達は目を丸くする。
大工曰く、アイスバーグを暗殺しかけた犯人はニコ・ロビンだと言い、しかしアスカもルフィもナミもそれを信じきれずにいた。


「元々アイスバーグさんの命を狙ってこの島に来たのか、昨日お前らが彼に会った後そんな気を起こしたのか…海賊の考える事わからねェがな…犯人と分かってお前らを野放しにゃあしねェ…!!!」


ワイパーの言葉に町の人達はどよめき始め、ルフィ達を睨みつける。
ナミもアスカもそんな町の人たちの睨みに気づく余裕は今なく、信じられないと呆気に取られている。


「オイオイ、それでアイスバーグの奴ァ死んだのか?」

「こんなバカ共に殺されてたまるか!!!生きているからこそ…またアイスバーグさんの命を狙いかねないコイツをここで始末するんだ…!!」


大工の一人…パウリーに気を取られていたルフィはカクの投げた道具にギリギリまで気付かず、避けるも頬をかすっただけだった。
しかしかすりはするものの傷口から血が流れる。


「"生死問わず"…指名手配の意味が分かるか…お前達海賊は誰に何をされても文句は言えん…世界の"法"はお前達を守らんという事じゃ」

「……そうだ…おれ達は無法者だ…分かってるよ!だけどな!!お前らロビンを知らねェくせに勝手な事言うなァ!!!!!!」

「ルフィ…」

「アイスのおっさんに会わせてくれ!!見間違いだ!!そんなの!ロビンなはずがねェ!!」


追われるのは慣れているし、罵倒されるのも慣れている。
だが、仲間を侮辱されるのはどうしても許せなかった。
だからロビンがアイスバーグを撃ったと信じられないルフィはアイスバーグに会わせてくれと訴えるがルルに断られ町の人達がルフィ達を縛り上げろとナミとアスカを捕まえようとする。
今すぐ逃げるのであれば抵抗もしたが、この状況でルフィは逃げる選択肢はないようでアスカは大人しく町の人たちに拘束された。


「観念しろ!!情報はすぐ町中に広がる。逃げ場はねェぞ!一味全員おれ達が仕留めてやる!!」


どんなに言っても大工達は聞かなかった。
町の人も恐らくは言っても無駄だろう。
それほどアイスバーグは慕われていたという事だが、慕われているからこそみんなその人のために死にもの狂いで動こうとする。
逃がす気のないパウリーがルフィの腕にロープをかけ、動きを止める。


「どうした?受けてばかりでいいのか?」

「だから!おれは!!お前らと戦う理由がねェんだって!!!」


いつものルフィなら反撃はするのだが、戦う理由がないと反撃するつもりはないらしい。
それはいい。
それはルフィが決めた事だからアスカも掴まって乱暴されていても抵抗はしないつもりだ。
だが、いつまでもこのままというわけでもなく…ルフィは逃げながらアイスバーグと会う手段を考える。
ゴム人間であるルフィに銃が聞かないと気づき、大工達はノコギリを取り出しルフィに襲い掛かる。


「くそォ!!やる気満々かあいつら!!!」


タイルストンの持つ大砲がルフィに直撃したと町の人は喜ぶがパウリはロープが切れ逃げられたと綺麗な切られているロープを見る。
ルフィはクレーンの荷物へ逃げるがルッチにロープを切られ逃げ場を失い着地する。
逃げるばかりのルフィに遠慮なくルルが大きなノコギリを振り回し、避けたルフィにカクが投げた鋭い道具に壁に張り付かされ再びタイルストンの大砲が直撃する。


「よっしゃーーー!!仕留めたぞォ!!!」

「ルフィ!!」


カクのせいで動けなくなったルフィは大砲が直撃し、ナミはルフィに駆け寄ろうとするも町の人たちに拘束されて行きたくても行けなかった。
町の人たちはルフィがやられたと大喜びしており、アスカは不快そうに顔を歪めた。
すると町の人たちに交じって観戦していたはずのフランキーが乱入してきた。


「ガレーラァ〜〜〜〜〜!!!!」

「少し待っていろ、お前の相手はあいつを完全に捕らえてからじゃ」

「だから何でおれの獲物をお前らが捕らえるんだ!!…いやもういい…口で言ってもわからねェ様だ…!!!」


フランキーは両手を引っ付かせパウリー達に向ける。
それに町の人たちが慌てて逃げるように言うが理解できていないパウリーたちは首をかしげるだけだった。


「"これ"でさっき巨大クレーンを倒したんだ!!!」

「クレーンを?大砲か…?」

「なァに大砲砲弾なんざ飛ばさねェよ…飛んでくるのは…"空気の弾"…ただし速度は風の領域を超える」


フランキーの両腕が段々膨れだし、そして



「"風来砲"!!!!」



耳が壊れるんじゃないかって程の音に耳を塞ぐと突風に襲われる。


「わ…っ!!」

「きゃっ!!」


あまりの突風にアスカとナミを捕まえていた町の人の腕も解かれ、アスカとナミも吹き飛んでしまう。
立っていられないほどの強風だった。


「"改造人間"なんて…どこにそんな技術が……!!何なの!?アイツ!」

「でもお陰で逃げられたからいいじゃん」

「ナミ!アスカ!!走れ!」

「ルフィ!!あんた大丈夫!?」

「おれがあれぐらいでやられるか!!…とにかく意味がわからねェ!!何とかしてアイスのおっさんとこ行こう!!」

「えェ!?行くの!?!無理よ!!この騒ぎの中っ!!!」


フランキーのおかげで町の人から逃げれたのだが、目ざとく町の人も逃げようとするアスカ達に気付きまた捕まえようとこちらに近づいてくる。
それを見てルフィはとにかく逃げることを優先とさせ、そうなればアスカもわざわざ捕まるつもりもないため能力を出す。
ルフィはナミを抱えて手を伸ばし、アスカは手足をウサギにする。


「アスカ行くぞ!!」

「ん。」

「逃げたァ!!」

「追えーーー!!!」


ルフィが伸びた手で高く飛び、アスカもウサギの能力で飛び上がって門の上へと乗り上げる。
そのまま三人は逃亡し、それを町の人が追いかけて行った。


「………」


アスカのウサギの耳やしっぽを見て…"ある男"が目を細め笑った。







町の人から逃げる事なんて造作もなく、ナミの案内でルフィはガレーラの会社の傍に建てられている屋根に移動していた。


「アレがそうよ!!…下見て!」


ナミが指差す先には記者らしい人だかりが集まっていた。
その記者たちの姿こそがアイスバーグがいるという証拠でもあった。


「1番ドックから繋がってるし…アイスバークさんはあの屋敷にいるんだわ!」

「ルフィ、本気で行くの?」

「当たり前だ!アイスのおっさんが何でロビンを犯人だと言ったのか直接聞いてくる。」


どんなに止めても行くとしか言わないルフィにナミは溜息をつく。


「言っとくけど私達も島中から追われてる身だって忘れないでね。ちゃんとどこがアイスバーグさんの部屋か見当つけてうまくスキをついて慎重に…」

じゃ行ってくる

「え…ちょ……!!」


言って聞くような性格ではないとは思いつつもナミはルフィに一応忠告する。
しかし案の定ルフィはナミの言葉も最後まで聞かず腕を伸ばしてガラスを破りガレーラの社内へと侵入する。
その瞬間屋敷が騒がしくなった。


「"麦わらのルフィ"が本社に侵入したぞーーっ!!!」

「アイスバーグさんを守れーーー!!!」

「……………」

「……………」

「………まァ…ルフィだし…」

「………そうね…ルフィだものね…」


屋根の上でナミとアスカは2人揃って溜息をついた。

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