ブルーノを蹴り倒そうとするがブルーノはビクともせず、パンチを何発も繰り出すが紙のように避けられてしまう。
「ロビン!!待てー!!!」
窓に近づくロビンを早く止めたいとルフィは"ゴムゴムの銃弾"をブルーノ放つがブルーノは一瞬にして姿を消して避ける。
「また消えた!!」
「――消えたように見える程の爆発的な脚力があれば…空を蹴り浮くこともできる」
「飛んでる!!」
「あんなん私にも出来るし。」
「ホントか!?」
「モチ。」
フン、と鼻を鳴らし腰に手を当てるアスカにチョッパーは目を輝かせる。
その間にもカクとカリファが"嵐脚"でルフィを吹き飛ばし、壁に切れ目が走る。
「お前らふせろ!!」
「何で!?」
「!!!」
ゾロの言葉にアスカも気づいたのか、そばにいたナミとチョッパーを押し倒して伏せさせる。
その瞬間上半分が崩れる。
「蹴りで壁が斬れたの!?今…」
「アスカはアレも出来るのか!?」
「出来るわけないじゃない。何言ってんの、チョッパー」
「えーーー!?」
先ほどは自慢げにしていたのに睨まれたチョッパーはショックを受けてしまう。
八つ当たりされるチョッパーを余所にゾロがカクとカリファに向かって走り斬りかかるが簡単に止められる。
「船で会ったなロロノア」
「お前船大工じゃなかったんだな!!…じゃあまさかあの時の船の査定」
「……残念ながら…船の査定はまじめにやった」
「…………そりゃ残念だ…!!」
淡い期待を持っていたのかゾロは眉を潜める。
カクとゾロが斬りあいをしているのを見て伏せていたアスカが素早く起き上がり隙をついてロビンの元へと駆け寄る。
「!しま…!!」
アスカの目にはロビンしか映っておらず、自分たちの目的はロビンの奪還。
ロビンのあの言葉をルフィは認めていないし、アスカも信じていない。
だから今はとにかくロビンを連れ出して彼らがいない場所でロビンの本音を聞こうと思った。
あとはルフィ達が上手くやるだろうと思いカリファとは戦わずそのまま素通りする。
カリファもアスカがここまで素早いとは思ってもみなかったのか手を伸ばしアスカを止めようとするも一足遅くアスカに抜かされてしまう。
(ロビン…!!)
手を伸ばしロビンの着ているマントを掴む。
それだけ…それだけで自分たちの目的は果たされる。
だからあと少し…そう思った。
だがその時…―――ロビンへ伸ばすアスカの腕を誰かが掴んだ。
「な―――ッ!!」
あと数センチ…というところでアスカは止められてしまった。
走っている勢いのまま腕を引っ張られ、アスカはその勢いを止めれず尻もちをついてしまう。
しかも腕は掴まれたままだった。
ギリッと力を入れて掴むその相手をアスカは睨む。
その相手とは…
「こんな子ウサギを止められんとはな…」
「…っご、ごめんなさい……」
「まァ、いい……」
「アスカ!!!」
ルッチだった。
ルッチは脇をすり抜ける直前にアスカの腕を掴み、ロビンを攫われるのを阻止した。
アスカは座り込んだままルッチを睨み上げ、ルッチは目を細めながら掴んでいる腕を上に引っ張って立たせ、荒れたアスカの髪を空いている手で整えてやる。
しかしその手はアスカに乱暴に叩かれてしまった。
「……気の強い子ウサギだ…」
「離せ!!」
「それは出来ない相談だな…この手を離せばお前はロビンを攫っていくだろう?」
「当たり前よ!」
「それでは我々が困るのだ。」
「アスカを離せ!!!」
アスカが掴まり、ルフィはブルーノから標的をルッチに変える。
ルフィの声にアスカはルッチからルフィへ振り返ろうとしたのだが…ルッチは腕を掴んだまま、もう片方の腕をアスカの首に回し後ろから抱き着くようにアスカを盾にした。
「―――!!」
アスカを盾にされては技は出せず、ルフィが止まったのを見てカリファがルフィを蹴り飛ばす。
アスカは蹴り飛ばされたルフィを見て駆け寄ろうとするもルッチに回されている腕の力が強くて動けなかった。
「ルフィ!!!」
「海賊とて仲間は大事か…」
「ルフィ!!…ッ離せ!」
アスカを盾にしただけで動きを止めるルフィにルッチは嘲笑う。
嘲笑うルッチの腕をアスカは解こうと暴れるがビクともしない。
あからさまに力の差があるが、それでも敵に捕まりみすみす殺されるつもりはないアスカは必死にもがいていた。
そんなアスカにルッチは首に回している手を顎へと滑らせ無理矢理顎に指で引き寄せ…そして―――アスカは気づいた時にはルッチにキスされていた。
「―――ッ!!?」
アスカが気づいた時にはすでに遅く……アスカは敵であるルッチとキスをしていた。
アスカは目を丸くし近すぎるルッチの顔を見つめていた。
「イヤーーーー!!私のアスカが…っ!!!」
「うわーーーーー!!!って…え?え?」
「おいおい…」
≪主ッ!!!≫
キスされたと頭が理解したときには既にルッチの顔は離れ、アスカは目を瞬かせる。
キョトンとさせるアスカにルッチは唇を舐め、目を細め愉快そうに笑う。
アスカはルッチに奪われた唇に指で触れ唖然とし、戦っていたカクもゾロもルッチの行動に手を止めて目を丸くしてしまう。
しかし動物で純粋な心の持ち主のチョッパーは今一分かっていなかった。
シュラハテンがルッチに襲い掛かるもルッチはアスカの頬を指で撫でながらシュラハテンを見ずに掴み動きを封じてゴキリと音をさせ首を折る。
その音にアスカはやっと我に返りハッとさせた。
「気に入った。連れて行く事にしよう」
「はあああああ!!!?」
シュラハテンの首を折られ、ブレスレットに戻った衝撃より、そしてキスされた以上にアスカはルッチの言葉に驚愕する。
辺りにはナミの悲鳴が響いていた。
「ちょっとルッチ…!」
「ふざけないで!!!アスカは私のよ!!!!あんたになんて渡すもんですか!!」
「
お前のもんでもねェだろ…」
犯罪者を連れていくという名目ではなくそういう意味合いでアスカを連れて行こうとするルッチにカリファがとめようとするが、その前にナミが武器を構え、前に出る。
ゾロはナミの言葉に呆れる。
そんなゾロを無視しナミは恐怖も忘れルッチを睨みつける。
「カリファ」
「……仕方ないわね…もう」
カリファは言いたいことは沢山あるのだが、ルッチの命令に諦めたのか溜め息をつきナミを蹴り飛ばす。
一瞬の出来事にナミは避けることも受身を取ることも出来ずカリファの攻撃を受けてしまった。
「ナミ!!!」
「力もねェのにおれに挑もうとするからだ…」
「ナミ!!」
「おっと、行かせるわけにはいかないのう」
「くそ…ッ!!!」
ゾロは飛ばされたナミを振り返りチョッパーが慌てて駆け寄ったのを見て舌打ちしてアスカを拘束しているルッチを睨み斬りかかろうと動く。
しかしカクに邪魔され再びカクとの戦いが始まる。
「ふざけるな!!私はあんたについていかない!!」
「お前の意思は関係ない。少し眠っておけ」
「―――ッ!」
「アスカッ!!!」
アスカはルッチに腹を殴られ意識が薄れていく中、ゾロとチョッパーの声を聞きながら気絶する。
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