(192 / 293) ラビットガール (192)

「どういう事だ?」


次の日…サンジは貰った新聞を読んで首を傾げる。
その一面にはやはりエニエス・ロビーの事が掛かれていた。
それは予想していたため不思議ではないが…問題はそこではない。


「フランキー一家…あれだけ暴れたのに……お前のじいさんが"巻き込まれた一般人"とでも情報イジってくれたんじゃねェか?」

「いやー…」

「おじいちゃんにそういう細かい事は…」

「「うん、しないと思う」」


その一面にはアスカ達の事は書かれていても、フランキー一味やパウリー達の事は書かれていなかった。
つい先日ルフィの祖父が訪問しに来たから裏で手を回してくれたのかとは思ったが…ルフィとアスカの言葉通り、あのルフィとの血のつながりが深いと思わせるような性格のガープが細かいことはしないとその線は消えた。


(きっと青雉だわ…つかめない男…)


しかし、ロビンは思い当たる人物がいた。
それが青雉だった。
あの宴の時、ロビンは壁越しだが青雉と会っていた。
そしてその新聞の記事…ロビンはそれしか浮かばなかった。


「何にしてもよかったな…おれ達ァともかく……あいつらこの先逃亡人生じゃ可哀相だもんな…」

「そのかわりおれ達の事はひでェ書かれようだ…!世界政府に『宣戦布告』、島が燃えた事までおれ達の仕業だってよ…」

「こりゃまた懸賞金が上がりそうだな」


宣戦布告した時アスカはあの猫科の男のベッドでスヤスヤ眠っていたため、いなかったが、それに異存はない。
異存はないが、ゾロの言葉にアスカは眉間にしわを寄せかけたが…寸前でやめた。
よくよく考えればあの時…旗を撃ちぬいたとき、アスカはいなかったのだ。
あとは海兵たちを相手に暴れただけで…上がるとしてもそう上がることもないかと楽観的な考えに落ち着いたのだろう。
ゾロの呟きに、やはり海賊としている以上名を挙げたいチョッパーは嬉しそうに机に乗り出す。


「お!!おれも賞金首になれるかな!!?」

「まァ、可能性はなくもねェが…大変なのはおれだよ…"巨星現れる"だ」

「何で喜んでるの!?あんた達バカか!!!」


ナミは懸賞金がかけられおたずね者になるのは避けたい派なのか、嬉しそうに盛り上がるサンジとチョッパーにツッコんだ。
賞金首になるかならないか、懸賞金はいくらだろう…そう2人が盛り上がっていると話しは次第に船の話へと移っていく。


「え?えーーー!?フランキーが船作ってくれてんのかァ!!?」


フランキーが作っているという話を聞き、ルフィは驚いた声を上げた。
アスカは何をいまさら…と思ったが、『そうか、お前寝てたもんな。』というサンジの言葉にアスカも思い出す。
ルフィは新しい船をタダでくれる(正確に言えば2億払ったことにはなっているが)ということで大喜びしていた。


「やったーーーー!!よかった!!何だあいついい奴じゃねェか!!?」

「どんなもんか楽しみだな」


わくわくしているが、まだ船が完成するにも五日かかり、フランキーから完成するまで見に来るなとも言われているのでお楽しみに取っておくことにした。
船が作られている間、船代が浮いて残った1億ベリーでナミ達は買い物をしようとした。
しかし…


「じゃ!その間ゆっくりお買い物でもしますか!!」


そう思って女性の楽しみの一つ…買い物をしようとナミは嬉しそうに金庫のカギを開けて扉を開く。
しかし…ナミは金庫の中身を見て絶句していた。


「………………」

「ナミ?どうしたの?」

「………アスカ…ここにあった一億ベリー…見なかった?」


ナミが金庫からお金を取り出さないのを見てアスカは怪訝とする。
ナミの問いを不思議に思いながらもアスカは首を振ってこたえたのだが…


「あ、それなら宴の時によ、肉やら酒やら買うのにやった!!」

「はああ!?やったァ!!?私達のお金よ!!?」

「おれ達の宴会だったじゃねェか〜」

「もうほんのちょっとしか残ってないじゃないのよ!!」

「だろうな〜!最後にゃ町中の奴らがいっぱい集まってきて楽しかったな〜!!あはは!!」


あ、やばい、とアスカは直感的に思う。
その瞬間大笑いしているルフィの顔面が……思いっきり腫れあがり、頭には巨大なタンコブを作り上げた幼馴染が出来上がった。
勿論、その犯人はナミであり、ルフィに同情は出来ない。


「船に豪華な家具入れようと思ったのに…!」

「ふふ、掘り出し物を探しにいきましょ?」


新しい船に家具を入れたりと色々買い物を楽しみにしていたナミが泣きながら項垂れている姿にアスカは流石に憐れみを感じ、よよよ、と項垂れぽろぽろと涙を流すナミに歩み寄り頭を撫でて慰めた。
ロビンのフォローもあってかナミは何とか二人のおかげで立ち直りそうだったのだが…


「あ!ナミ!遊んでくるから小遣いくれ!」

「〜〜〜ッッあんたはナシよオオオオ!!!」


ルフィはまたナミの地雷を踏み、先ほどより大きなタンコブを制作した。







とりあえず、気を取り直し各自それぞれナミにお金をもらい休暇を過ごしていた。


「ったく!なんであいつはああも金銭感覚がおかしいのかしら!!」


まだ怒りが収まらないナミは準備をし終え、先に出て行ったルフィにグチグチ文句を言っていた。
そんなナミを見ながらアスカが『なんかごめんなさい』と幼馴染の代わりに心の中で謝りながらサンジが用意していたドーナッツを座りながら頬張りながら暇つぶしに新聞を開いて読む。
それを見てナミは出かける様子のないアスカに首をかしげる。


「アスカ、あんたは行かないの?」

「うん、私欲しいのないし。」

「それでルフィにお小遣いあげてたのね」


ナミは準備で気づいていなかったが、アスカは渡された小遣いをそのままルフィに渡していた。
ロビンはその場面を目撃していたが、ロビンも基本あれこれいうタイプではないので見てるだけだった。
ロビンの言葉に新聞から目を離して頷く。
ナミはそんなアスカに呆れたように溜息をついた。


「あんたねェ…そんなんじゃダメよ!女の子として!」

「なんで?」

「女の子はね、貢ぐ方じゃなくて貢がれる方じゃないと!」

「貢がれるって…私とルフィはそんなんじゃないし」

「どんな関係だって女が貢いだら終わりよ?」

「…そういうもんなの?」

「さぁ…」


相変わらずルフィに甘いアスカにプリプリと怒るナミの言葉にロビンに本当か聞くがロビンも首を傾げるだけだった。
アスカは幼い頃からエースやルフィがそばにおり、ロビンも人を疑って育ってきた…ナミのような言い分が正しいのかなんて二人とも分からないのだろう。
その後何故か2人の買い物に付き合わせられたアスカはくたくたになって帰ってきた。

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