(198 / 293) ラビットガール (198)

"東の海"、フーシャ村。
ここはルフィとアスカが育った故郷でもある。
その村の唯一の酒場で宴が始まっていた。


「宴だーーっ!!」

「今日は宴だーーっ!!」

「東1番の出世頭!!3億の首!!そして1億5000万の首!!」

「我らがルフィとアスカにカンパーーーイ!!」

「やかましいわい!!お前ら!!恥を知れ!!」

「ギャー!!村長ーー!!」


ルフィとアスカの手配書を見て、アスカとルフィを知るフーシャ村の村人たちは大喜びしていた。
首をかけられたというのに出世頭と呼び、連日の宴会が続いている。
東の海は軟弱な海とも言われているほど懸賞首の額は低い。
そんな東の海出身のルフィとアスカがなんと『3億』と『1億』をかけられたのだ!
これを祝って飲まずして何をするのだ!…というのが村人たちの主張である。
そんな浮かれている村人達を咎めたのが、村の長であるウープだった。
電伝虫の受話器を置いた後騒ぐ村人達に村長は杖で机を叩いて咎める。
が、村人たちはそれも気にせず騒ぎ飲み歌えの大はしゃぎ。
注意してもやめない村人達に呆れた顔を浮かべながら村長はまた電伝虫の受話器を取った。


「楽しそう。こんなに可愛いペットまで連れて…この子達がルフィとアスカのお友達なのね?」

「お友達というツラか!コイツらが!!」


店の店主であるマキノも大はしゃぎする彼らの気持ちが分からないでもないため苦笑いで止めておく。
村長の座る机に置かれている手配書を見て微笑むマキノの言葉にウープはマキノを叱るように声を上げる。


「全世界を敵に回す様な凶悪犯をこの村から出たんじゃぞ!!世界政府にケンカを売る海賊など聞いた事もないわい!!」

「ほんとね」


怒り散らすウープにマキノは笑いながら飲み物を置く。
それを飲んでウープは溜息をついてまた受話器を置いた後、再び電伝虫を取る。
それでもやはり通じないのかまた切っては掛ける。


「だいたいガープの奴は何をしとるんじゃ!!我が孫がこんな事件を起こすまで放置するとは!!ミコトもミコトじゃ!!姉が道を踏み外した弟を正さんといかんだろうが!!親子3代どうかしとるわい…!ダダンはこれを知っとるのか…!!」

「カンパーーイ!」

「やかましい!!!!」


政府に喧嘩を売ったという事さえ信じられないのに、ガープもミコトもそれを放置しているのがまた信じられない。
海軍と海賊なのだから居場所を逐一報告するのはどうかと思うけど…、とマキノは聞きながら『そうね』と適当に返す。
騒ぐ村人達に怒りながら全く通じない電伝虫の受話器をまた乱暴に戻した。
何度も繰り返されるその様子にマキノは首をかしげる。


「そういえばさっきからどこにかけてるんですか?」

「海軍じゃ!全く繋がらん!!!」


マキノはウープの言葉に首を傾げる。


「海軍?何で…」

「何でも何も!!アスカの賞金が1億なのは何かの間違いじゃからだろうが!!!あのか弱いアスカが1億だなんて海軍は何を考えておるんだ!!それにこの異名もそうだ!!冷酷だなんて誰がつけたんじゃ!全く!!まだアスカは17歳じゃぞ!?嫁の貰い手がなくなったら海軍はどう責任を取ってくれるんじゃ!!それとこの写真!!!こんな卑猥な写真信じられん!!!アスカのこの写真を見て一目惚れする男がアスカに押し寄せてきたらどうするんじゃっ!!まだあの子は子供なんじゃぞっ!!」

「あ、あはは…」


某泥棒猫の故郷に居るG氏とほぼ同じことを言っている村長にマキノは苦笑いを浮かべるしかない。
ウープとゲンは絶対気が合うと見た。

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