そのイノシシのゾンビに消されるかも知れないアスカは何故か棺にナミ達と共に閉じ込められており、運んでいたリスのゾンビ2匹がこけてチョッパーがその弾みで目を覚ます。
起き上がろうとする4人にリス達は襲いかかろうとするもチョッパーに殴り飛ばされ、仲間を呼ぼうと去っていく。
「アスカ、大丈夫?」
「うん…ありがとう、ナミ…」
力が出なくて起き上がる事も困難なアスカの手をナミが引っ張って立ち上がらせる。
足を見れば小鹿のように震えており、アスカは落ち着くまでソファに手をやり体を支える。
海楼石一つでこうも弱くなり不便さを強く感じる。
ナミはアスカを立たせた後顔を上げて辺りを見渡していた。
「ここは…屋敷の裏手みたいね…ホグバックの研究所はあの最上階にあったからもうずいぶん運ばれたみたい…」
「………おい後ろ!!反対側にもっとゴツい建物があるぞ!」
チョッパーの言葉に後ろを向くとホグバックの屋敷より大きい屋敷が聳え立っていた。
ナミが壁らしいもののへこんでいるところから下を見て、ここが渡り廊下だと言う事が判明する。
「渡り廊下!?……にしちゃあ広いな!!まるで森だ!…いや森にしても変わってるが…おれ達が気を失ってる間にここへ運ばれたって事は…当然あっちの建物へ連れてかれるとこだったわけか」
「連れてかれてゾンビにされるとこだったかも。」
「ギャ〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
なんとか体の震えも収まりつつあり一人で立てれるようになったアスカの言葉にチョッパーが悲鳴を上げる。
「気がついて運がよかった!逃げよう!!」
「そうだ!すぐ逃げよう…!!」
「でもどこから?」
ウソップとチョッパーの言葉にアスカが首を傾げるとナミが止めに入る。
「ちょっと待って…採算が合わないわ…さんざん驚かされて大声だして逃げ回って…これだけ怖い目にあわされて………ただ?」
「何言い出すんだ!!てめェ!!!」
「うわー!"何かがヤベーセンサー"に強い反応が!!何も言うな!とにかく逃げよう!ナミ!!」
「そういえばあのビックリ箱のゾンビが言ってたよね…財宝置き場はここじゃないって…」
「そうよ!それよ!!」
「おいアスカ!ナミを惑わせる事言うなよ!!!くだらねェこと考えるな!逃げるんだ!!」
「バカね!わかってるわよ!!私だって恐いんだから!!」
「「目がおかしいんだけどっ!!!」」
早く逃げ出したくて一杯なウソップとチョッパーだったが、ナミとアスカが財宝を狙いはじめ焦りだす。
しかし、恐いと言っているナミの目はベリーだった。
「…じゃ、どっちへ逃げる?前?後ろ?」
「迷うとこだ…屋敷へ引き返してまたあのサムライに会うのもイヤだしなァ…」
「だけど前に進めばもっと恐い奴がいそうだ…」
「じゃあ飛び降りる?ラビット・マットだったら…あ、私能力使えないんだった…確実に全滅ね!」
「テヘ☆じゃねェ!!全滅とかやめろ!おれ超恐い!!」
忘れてた!テヘ☆、とわざとらしく片目を瞑って舌を出し、頭を軽く叩くアスカにウソップは怒りながら突っ込む。
するとどこからか音楽が流れ、後ろを向きながらペンギンが3匹現れた。
「え…何?この愛らしい森の動物達…ペンギン!?」
「番号〜〜」
「1!」
「2!」
「あっ!3…!!」
「「「いやあ……」」」
「かわいい!!」
そのペンギンが振り向くと、1匹目と2匹目はギリギリだがペンギンなのだが…
3匹目は口がイヌで3匹とも微妙だった。
しかしアスカは惚れ惚れとしたように頬を染めて見つめていた。
「コンニチワ!僕ら」
「ペンギンゾンビコンビ!あ!間違えた!!」
「トリオ!トリオだ!!おれ新入り!!」
「知るか!そんなメンバー状況!!」
「そして君達の後ろにいるのが仲間の動物ゾンビ達!」
「え?」
ペンギンに後ろに指(?)を差され振り返ると奇怪な動物達が4人を囲んでいた。
「「「ようこそ!!ペローナ様の"不思議の庭"へ!!」
「「「すっごい変なのがイヤって言う程いるー!!!!いやあああああ!!!!」」」
「かーわーいーいーー!!!!」
「「「えーーーー!!!?」」」
ゾンビ達に涙を流して恐がるナミ達だったがアスカがいつもじゃ見られない笑顔を浮かべていた事に目を丸くする。
すると動物ゾンビ達は4人へ襲いかかってきた。
「それ!ケチョンケチョンにして絞り上げろ!!!」
「やばい!ウソップ!火!火!!」
「!!そうだ…こいつらもゾンビだ!!必殺…」
ゾンビの弱点をつけるのは今のところウソップしかおらず、期待していた戦力のアスカは海楼石で普通以下になっている為ウソップが3人を守るようにパチンコを構える。
しかしパチンコを打つ前にペンギンコンビの攻撃を受け、倒れてしまった。
「ウソップ!!」
「チョッパー危ない!!後ろ!!」
倒れたウソップを心配しつつ、代わりにとパチンコを拾おうとしたチョッパーの腹に巨大鉄球攻撃が直撃してしまう。
「ぶはっ!!」
「チョッパー!ウソップ!!」
「!!」
2人は倒れているところを総攻撃され抵抗も出来ない。
助けに行く暇もなく、ナミとアスカはカバのゾンビが持っていた刀で斬りかかられそうになる。
「お前らも半殺しだよォ!!」
「あっ!!」
「ッ!!!」
「やめろ!!」
ナミとアスカが目を瞑るが動物ゾンビは新入りというペンギンに蹴り飛ばされてしまった。
それに唖然としているとペンギンが2人の前に着地する。
「おい!新入り!!仲間に何してやがる!!!敵はその女2人だ!そっちをブッ飛ばせ!!」
「…このレディ達がどこの誰かは知らねェが…たとえご主人様の命令に背いても…おれは死んでも!女は蹴らん!!!」
「…え?」
「文句があるならかかって来い…クソゾンビ共!!!」
聞いたことあるそのセリフにナミとアスカは目を丸くする。
「おい!どういうつもりだ新入り!!」
「おれ達ゾンビはご主人様の命令には絶対逆らえねェ体なハズなのに!!こいつ…何で逆らえるんだ!!?」
「…しかも将軍級に強ェ……!!」
仲間の裏切りとその強さに動物ゾンビ達はざわめきだす。
「常識では測れねェ力…不可能を可能にする力…!!全てを吹き飛ばすそのハリケーンの名は…"恋"!!!」
「やっぱり!あの"犬ペンギン"…言ってる事がバカみたいでほぼサンジ君…!!」
「おい犬ペン!!サンジの事知ってんのか!?おれ達ゃサンジのマブだから助け…」
「ゴチャゴチャとクソうるせェ海賊共ォ!!!」
「うわァ!やっぱおれ達には敵なんだ!!」
ウソップがサンジと同じ事を言っているペンギンにサンジの事を聞くが、やはり男は敵なのか蹴ってくる。
すると遠くから何かが駆け寄ってくるのが見える。
「待てローラ〜〜〜っ!!!!」
「捕まえてごらんなさい!ウフフフ!ウフフ!!」
「「猪!!?」」
イノシシの動物ゾンビの登場に目を丸くしていると、ローラはある人物を見つけその表情をより恐ろしくして足を速める。
「見つけたわよ!!そこの女ァ!!!この"泥棒ネコ"めがァア!!!」
「え!?私!?ま…!まだ何も盗んでないけど…!!」
「ナミ、何したの?さっそく財宝盗ってきたの??」
「アスカまで…!!私本当まだ何も盗ってないってばっ!!」
泥棒ネコといえばナミ…というわけでアスカ達の目線はナミに注がれていた。
しかしローラはナミではなくその隣のアスカへ襲い掛かろうとする。
「アブ様は渡さないってのよォ!!!」
「は?アブ?…誰それ」
「「「アスカっ!!」」」
「このレディに手を出すな!!」
斧が迫っても焦る事がないアスカだったが、あの犬ペンギンがローラの斧をへし折り弾き飛ばす。
しかし犬ペンギンはローラに殴り飛ばされてしまう。
「犬ッペがやられた!!」
「犬ッペ!何で攻撃しなかったんだ!!?」
「たとえ死んでも女は蹴らん!!!」
「見事だ……!!」
「アレを女と認めるなんて…お前輝いてるぜ!!」
「ウソップ!チョッパー!!バカな事言ってないでこっちを助けてっ!!!」
犬ペンギンのポリシーに2人は拍手を贈る。
するとナミが2人に助けを求め、振り返るとアブサロムに担がれ連れて行かれそうになっているアスカとそれを必死に追うナミが目に映った。
「「アスカ!!?」」
「花嫁は戴いた!!さァ今すぐ式を挙げるぞ!もう準備はできてるんだ!!ガルルルル!!」
「えェ!!?アスカが飛んでる!スゲー!!」
「違う!さらわれてんのよ!!早く追って!!!」
「さらわれてる!?誰に!?…!、そうか!!まさか透明人間…!!」
宙に浮いているように見えるアスカにウソップ達は慌てて追いかけようとする。
アスカは力を振り絞って透明人間を叩く。
しかし一般人以下の力しか出ないアスカの叩く力など微々たるもので、効いているようすはない。
「離せ!あんたね!私に海楼石の首輪つけて散々お風呂場で指つっこんだ透明人間は!!!」
「品定めをしていたんだ。貴様はおいらの花嫁にふさわしい!おいらの名はアブサロム!!ガルルル!夫となる者の名だ覚えておけ!!」
透明人間はスーッと姿を現した。
アブサロムの言葉に怒ったのはアスカではなくナミだった。
「アスカの裸じっくり見といて偉そうに!!私のアスカに手を出した罪は重いわよ!!"サンダー=チャージ"!!!」
「ぐおあァア!!!」
「―――ッ!!!」
ナミはクリマタクトで雷を作りそれをアブサロムへ放電させる。
アスカはシュラハテンによってアブサロムから解放されシュラハテンにしがみ付く。
「ナミ!無茶苦茶だったがよくやった!!そのまま走れ!この森を離れるぞ!!」
≪主、しっかり捕まっておいてくだされ!≫
「うん!」
「な…何!?あいつ…!倒れもしない!!」
「只者じゃねェだろ!!見るからに…急げ!!」
「逃がさないわよ!!!この泥棒ネコ!!!」
ナミの電撃を食らいながらもアブサロムは呆然と立ち尽くしていた。
体から煙を出しながらアブサロムはこの衝撃を恋と勘違いして頬を染める。
その脇をローラがアスカを追いかけ、すり抜けていった。
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