(212 / 293) ラビットガール (212)

一時アブサロムから逃げる事に成功したナミ達だったが今度は襲ってくるローラから逃げていた。


「やめてくれ!!殺すな!仲間なんだ!!」

「コノヤロー!コノヤロー!!止まれー!!」

「アスカ!早く!!」

「ハァ、ハァ…!」


ローラに乗り、殴るウソップとチョッパーをよそにローラはナミに手を引かれて走るアスカへ一直線に向かっていく。
しかし流石に邪魔になったのかウソップとチョッパーは投げ飛ばされ、アスカは転んでしまった。


「アスカ…!!」

「さァ!観念しやがれェ〜!!」

「……っ!」


肩で息をするアスカにローラは刀を突き立てる。


「ちょ!ちょっと待って!!実はこの子"男"なの!!!」

「は?」

「え〜〜〜〜っ!!!?」

「え〜〜〜!!!?」

「おいおい…」


目の前で仲間が殺されそうなのを見てナミが咄嗟に2人の間に入り守るように立って衝撃の言葉を放った。
それはすぐバレる嘘なのだが、ローラと何故か同じ仲間のチョッパーまでもが信じてしまう。


「そ…そうなの!?」

「そうよ!!オカマなの!!アスカじゃなくて"マスオ"って言うの!!」

「マスオ!?……じゃああんたがアブサロムを奪った泥棒ネコね!!?」

「えーーーー!!?」


今度は目の前のナミを睨みつけるローラ。


「ち…違うわ!私も本当は"男"なんだぜ!!」

「え〜〜〜!!?あなたも!!?」

「そうよ!オカマなの!!冗談じゃないわよーう!!それにあんたと獣男すごくお似合いよ!私達応援したいと思ってたの!!」

「えェ!?ホント!!?」

「ホントよ!冗談じゃないわよーう!!」


ナミの咄嗟の嘘を丸々信じたローラは二度三度驚き、目を丸くする。
ナミは知り合いのオカマは例の奴しかおらずとりあえずマネしてみるがローラはナミの言葉に涙を浮かべ、手に持っていた刀を放す。
アスカは全くついていけず座り込んだまま2人のやり取りを見ていた。


「……今まで一度だって後押しされた事のないこの想い…こんなに優しい言葉かけてくれたのはあんたが初めてよ…!」

「顔を上げて、マイフレンド!友情ってこういうものよ…私は"ナミゾウ"…ナミって呼んで!」

「ゆ…友情…」

「……手なづけた…」

「ナミ凄い…」


一瞬にしてゾンビを手懐けたナミにアスカは拍手を送る。
ナミとローラは傍にあったイスとテーブルに席につき、どうやってアブサロムを結婚させるかを話していた。


「だからね、意識があるからハンコ押してくれないわけよ。相手が寝てる間にね…」

「寝込みを襲うの!?いいの!?それ人として!!」

「ローラ、あんたゾンビじゃない」

「盲点!!それって腐れ盲点だったわ!!」

「寝てなくても気絶させれば充分よ」

「おい、ナミゾウ…とにかく逃げないか?」


ローラとの話が盛り上がっている所悪いが、とウソップは追われている事を思い出し、声をかける。
ナミはそれに頷くも再びローラへ目をやる。


「ところでローラ…私、財宝置き場で落とし物しちゃって…戻りたいんだけど…どこだったかしら?道教えてくれる?」

「ドジねェ…いいわよ?あそこはペローナ様の部屋から行けば近いわ」

「あいつホントに転んでもただで起きねェな…」

「それがナミだし…」

(ナミとアスカは男だったのか…道理で男らしいと思ったんだ)


爽やかな笑みを浮かべながら嘘八百を並べるナミにウソップは唖然とし、アスカはどこか納得しているように頷く。
そしてチョッパーは失礼なことを密かに思っていた。
すると背後からアブサロムが現れた事に気づく。


「!おいナミ!!あいつが追いついて来たぞ!!」

「ホント!?ローラ!!アタックチャンスよ!!私達はあいつに二度と遭わないから大丈夫!頑張れ!!あんた達こそベストカップルよ!!」

「私頑張る!ありがとうナミ!!勇気がわいてきた!」


ナミがアブサロムの方を指差すとローラはアブサロムへ突進していく。
その隙に4人は再びアブサロムから逃げ出す事に成功した。


「結局イノシシに何もされずに済んだぞ!ナミすげーなー!!」

「話してみれば素直ないいコだったじゃない!」

「だから目がおかしいだろうが!お前っ!!」

「流石ナミ」

「それはもういいっつーの!!」


ナミの目はやっぱりベリーになっていた。







「とりあえずここに隠れましょう!!!」

「早く入れ!!見つかっちまう!!」

「うわっ!狭いし暗いな!」

「なにこれ…綿?」


ローラから離れ追いかけてくるアブサロムに4人は必死に走り、ひとまず、と何かの中に隠れる。


「妙だな………他に逃げ場もねェだろうに……おいクマシー。」


アブサロムは周りを見渡しながらヌイグルミのクマシーへと声をかける。


「お…お…アブサロム様!大変で……!!困った事が…!!」

「まァ待て。おいらの用が先だ…ここに海賊が4人来なかったか?」

「おっ…おっ…それですが…」

「アブサロム!!ここで何してんだよ!私の部屋だぞ!!」


クマシーは中にいる4人の事をアブサロムに言おうとするが、主人であるペローナに邪魔されてしまった。


「お…お帰りなさいませペローナ様」

「喋んじゃねェクマシー!!何度言わせるんだ!」

「……でも大切な話……」

「うるせェ!声を出すな!!」

「相変わらずクマシーにキビシーなてめぇは」

「黙れ!私の部下だよ!!それより聞いたか?主人様の召集がかかって…」


ペローナとアブサロムが会話している中、ナミ達はクマシーの中で2人の敵が傍に居て息をひそめていた。


(な…何とかまだバレずにすんでるわね…奇跡よ!!)

(奇跡なのはいいけど…キツイ…)

(だいたい何でこんな所に隠れたんだよ!!)

(仕方ねェだろ…あの猛獣男、こんなに早く追いついて来るとは!!!それにコイツまさかゾンビだとは思わなかった…スキを見てうまく逃げるぞいいな?)


ウソップの言葉にナミ達は頷く。
しかし大きいとは言え、4人は流石にきつく密着度が高い。
4人は隙を狙うも中々チャンスがなく、ある冷凍室へまで付いていく事になる。

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