(213 / 293) ラビットガール (213)

ナミ達はクマシーの中から捕まっていたルフィの影が奪われるところを目撃し、そしてルフィの影を入れようと屋敷内にある冷凍室へ向かうのだが、その死体は国引きの伝説を残し魔人と恐れられ、伝説となったオーズだった。
そのオーズは巨人より遥かにでかく、恐ろしく見える。
叫びたくても声を出せず3人は声を必死に抑えていた。
しかし、ルフィの影を入れられ動くオーズを見て3人は悲鳴を上げてしまい、その場から逃げ出す。
アスカもすぐ3人に続くが嫁を見つけたアブロサムがアスカの後を追ってしまう。

―――4人は屋敷を走っていた。


「どういうこったどういうこった!?今の!!」

「ルフィの影を入れたら…動き出した……!!…そういう事だったんだ!"ゾンビ"って!!Dr.ホグバックの命の蘇生って……!!」

「あのでっかい男の"能力"…たぶん悪魔の実だね」

「第一声が"肉"だったって事は…あの怪物巨人 明らかに人格はルフィって事よね……だったら…思い出してみて…!!渡り廊下で会ったあのサンジ君みたいなペンギン…」

「そうか!じゃあいつにはサンジの影が入っていたのか!!」

「…峰打ちしてきた侍もあれブルックだ!いろんな奇妙な出来事が全部繋がってきた…!!」

「チョッパー……?」


出来るだけ早くこの屋敷から出ようと走り続ける4人だが、チョッパーは奥歯を噛み締める。


「とんだゾンビごっこだった!!人の命をバカにしてる!何が人類の夢だ!!…なにが死者の蘇生だ!!人を救う気なんてないんじゃないか!!!ただの悪党だった!!」

「チョッパー…」

「…………」


チョッパーはホグバックに憧れていた為ショックと失望感も強い。
チョッパーの気持ちを思うと2人は何も言えなかった。


「そんな事悲しんでる場合じゃねェぞ…!仲間がそのゾンビごっこの犠牲になろうとしてる!!わかってるか!?あいつらを救うのはおれ達だ!!急ぐぞ!ルフィの本体が運ばれた方へ!!」


ウソップの言葉に4人は足を速め、階段を降りていく。


「『船に捨てて来い』って言ってたわ!サニー号の事かしら…?」

「ゾロもサンジも同じ目に遭ってるとしたら同じ場所かな…」

「……ホンットあいつら」

「世話がやけるぜ…」


ルフィ達に呆れていると突然アスカ以外の3人が燃え出し、階段を転げ落ちていく。
その突然の出来事にアスカは唖然となり立ち止まる。


「え…、…ナミ!ウソップ!チョッパー!!」


我に返り3人に駆け寄ろうとするが、何かに捕まってしまい体が宙に浮く。
振り返ると最も会いたくなかった変態、アブサロムがアスカの首に腕を回していた。


「痛っ…離して!!」


暴れてもビクともせず、逆に暴れられないように力を強める。


「コイツ…!何て力……っ!!」

「アスカっ!」


苦しさに眉を潜めアブロサムを睨むが、アブロサムはアスカではなくウソップ達を見下ろし、笑っていた。


「別れでも言っておくか?この女は今日おいらに嫁ぐ」

「ハァ…!バーカ!!女一人守れねェで…男ウソップ生きる価値なし!!」


ウソップはカブトを構え"六連蝮星"をアブサロムを向けるもアブサロムはアスカごと透明になっていき、六連蝮星はかすりもせず階段に当たる。


「アスカまで消えた!!」

「どこだ!?アスカ〜〜〜!!!何だ…!?別の強い匂いでかき消される!!」

「アスカーーー!!!」

「ウソップ!ナミ!チョッ…、………!!」


アスカの声も響かなくなり、その場はウソップとチョッパーしか居なくなってしまった。
アブサロムはゾンビにウソップ達を任せた、と言い残し姿なく去っていき、ウソップの背後には甲冑を着たゾンビが斧で切りかかろうとするがウソップに気付かれ避けられてしまう。


「うお!何だ!?ヨロイのゾンビ!?」

「上からも下からも数え切れないほどゾンビが来てるわ!!」

「捕まるな!!おれ達まで影を取られるぞ……!!」


ゾンビ達がゾロゾロとチョッパーとウソップとナミに向かって歩いてくる上にその数の多さに捕まってしまった。


「畜生!!キタねぇぞ!お前ら!!不死身で集団なんて!おれ達まで捕まるわけには…!!」

「くそォ!離せ!!……くそォ!!!」

「ちょっと!やだ…!!触らないでよ!!!」


影を奪われるかと思ったその時、ゾンビ達が影を口から出し倒れていく。


「アウ!アウ!!…おれの弟分達から手ェ離せやコラァ!!」

「え…!?」

「なに…!?」

「おい!誰かいるぞ!!何だ!?同志が浄化されてく!!何者だあいつら!!腐れヤベェ!!」


影が抜かれていく中、聞き覚えのある声がその場に響き、振り向くとそこにはフランキーとロビンがゾンビから影を抜き取っていた。


「あ…!ア゛ニギ〜〜〜っ!!」

「ロビ〜〜〜ン!!」

「助かった…!!ありがとう2人とも!!!」

「間を外したか一人足りんぜ…」

「ウソップ、チョッパー、ナミ…ケガはない?」


まさに天の助けとはこのことだろう、と3人は胸を撫で下ろす。
その場に居たゾンビを全て影を取り、5人は階段を降りていった。







ある屋敷の一室。
気絶したアスカを担ぎながら部屋に入って来たアブサロムにゾンビがイスから立ち上がる。


「へーへー!アブサロム様っ!!」

「挙式の準備は出来てるな」

「へーへー、そりゃいつでも…」

「ほーお!美しい花嫁で…」


絵画のゾンビが気絶するアブサロムの嫁を褒め、メジャーを伸ばし近づくゾンビをアブサロムは見下ろす。


「今すぐ式を挙げる。ドレスを着せて式場へ連れて来い」

「へーへー只今」


ゾンビは目玉を取りアスカを見つめる。
アスカは知らず知らず初対面の男と結婚させられそうになっているとは知らず、アスカは目を覚まさず眠っていた。

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