教会に乱入してきたサンジはアブサロムを無視し、ステップを踏んでアスカに駆け寄ろうとする。
「え?」
「アスカちゃんを………放せオラァ!!!!」
近づいてくるサンジに戸惑いを見せていたゾンビをサンジは蹴り飛ばし、壁に叩きつける。
支える人がいなくなりアスカは倒れそうになるも、サンジが素早くアスカを抱き支える。
「お待たせアスカちゃん…あなたのナイトです……!!…え!?女神!!?お…おお!!驚いた…!!!アスカちゃん…アスカちゃんだ!!間違いない!まったく人騒がせな美しさ、そして可愛さ…!間違えて女神を助けちまったかと思ったぜ!!」
「何をゴチャゴチャと…貴様確かに海賊船にいたクルーだな……!?……えっ!?天使!!?あ…ああ!!イヤイヤ…!人間だ間違いない!あ…焦った!!」
「無理もない!それはホント無理もない!こんなに純白が似合うのはアスカちゃんか米くらいだ!」
「いやあ、まったくだな…」
「なんだあの二人…」
サンジは意識のないアスカを抱き支え顔を見るや否や女神だと見間違え、アブサロムも近づくや否やアスカを天使だと見間違える。
2人は似たもの同士なのだろうが、傍から見たらアホ2人である。
「…って…はっ!!おのれ海賊!!貴様と馴れ合う筋合いはないっ!花嫁を返せ!!!」
我に返ったアブサロムがアスカを奪い返そうと腕を前に出した瞬間サンジのいた場所は爆発し、煙が立ち昇る。
しかしそこにはサンジもアスカも居なかった。
「おいアスカちゃんに当たるとこだ…レディのいる場所で人を巻き込む様な攻撃は避けるべきだ」
「よく避けたな…貴様…すでに影がない様だが…そう言えばその女に妙に執着する新入りゾンビがいたな…まだ少し自我を残し服従のゾンビになりきれていなかった…おそらくアレが貴様のゾンビ…『将軍ゾンビ』にも入れて貰えなかった所をみると本体の戦闘力も計り知れるというもの現に威勢ばかりのペンギンで実に弱かった…」
(うわっ!!ビックリした!天女かと思った!!)
「そんな下っ端が『ジェネラルゾンビ』の指揮を務め"怪人"と呼ばれるおいらにたてつくとはおこがましい……!!さァ!悪い事は言わん!!その女の身はおいらに預けて日陰暮らしの人生を送れ!おいらは今忙しいんだ!強力な部下達を貴様らの船長のゾンビに潰されたかも知れんし…その前においらは花嫁と誓いのキスを済ませねばならない!わかるな?おいらは今苛立っている……!!お前の様なザコの相手をしているヒマはなイン!!」
「黙れ!この『顔面猛獣祭マン』!!!」
アブサロムが喋っていようがいまいがサンジは聞いておらず、アスカをイスに座らせた際に再びアスカを天女と見間違え、そしてまだ喋っている途中のアブサロムを蹴り飛ばした。
「うわァ〜〜!!アブサロム様ァ!!!」
「ウソだ!!300kgあるあの人の体重を吹き飛ばすなんて!!!」
ゾンビが驚く中、サンジは冷静にタバコを吸い壁に激突したアブサロムを睨む。
「ウソップの言ってた"透明人間"ってのは…お前だな」
己が蹴り飛ばされた事に驚き近づくサンジに"死者の手"を使い攻撃しようとするもサンジにの足がアブサロムの両腕に乗り左右へと開いてその攻撃をかわされる。
「どういうわけだ!?おいらが今何をするかわかったのか!!?」
何するか分かっていたようなサンジにアブサロムは戸惑っているとサンジは何度もアブサロムを蹴りつける。
「サニー号に現れてロビンちゃんを舐め回した透明の猛獣はお前だな!!?風呂場でアスカちゃんの裸をじっくり見てやらしい事をしたのもお前だな!!!なぜ今彼女は気を失ってんだ!!!手荒なマネしたんじゃねェだろうなァ!!?何が結婚だ!!おれの目を見て言ってみろ!!蹴り潰してコロッケにしてやる!!!」
反撃する暇も与えないサンジの攻撃にアブサロムは一旦回避、と透明になって逃げようとするも、ウソップ特製"ソルトボ−ル"でアブサロムの位置を知り、そしてさっきよりも強い蹴りでアブサロムを吹き飛ばす。
「苛立ってるっつったかお前…!おれァそんなもんじゃねェぞ!!怒りで体が爆発しそうなんだよ!!!」
「した〜〜〜っ!!!!」
サンジは怒りの炎を越え、体を爆発させる。
そんなサンジを睨むアブサロムは既に息が上がっていた。
「そして 運の悪い事に…もう一つ…おれとお前には因縁がある!!」
「ハァ…お前とおいらに……因縁だと……!!?」
「そうだ…お前はおれから……夢を一つ奪った男だ!」
「ガルルル…憶えがねェな…何かの勘違いだろう…おいらと貴様は今日初めて会ったんだ…消し飛ばしてやる……!この…"死者の手"で!!」
「そいつをハズしな……!!」
「!?」
「その腕に仕込んだバズーカを外せと言ったんだ…」
「な…!?」
サンジの言葉にアブサロムは絶句。
そんなアブサロムをサンジは冷たい目で見下ろしていた。
「わからねェのか?ムダな破壊でアスカちゃんを傷つけたらお前はもう生物としての原形を留めさせちゃおかねェぞ…!」
「フン!あいつに何かわかる訳が…!!」
「そいつを外せと……言ったろうが!!!」
サンジの言葉を無視しアブサロムは手を構えるが、肩に足を乗せられ蹴られてしまう。
その弾みに腕から突然銃が落ちる。
「「何だ!?急にバズーカが現れた!!」」
「まァそんなとこだろ…お前が思いつきそうな攻撃だ自分の体を透明にし…かつその体に触れた物をその間消しておく事もできる…それがお前の能力だ…!"スケスケの実"の透明人間お前にできる事は全てわかってる……!!」
「何だってんだ…!てめェは一体…!!」
睨みつけてくるアブサロムをよそにサンジは余裕を見せつけ語りだす。
「ガキの頃に開いだ悪魔の実゙大図鑑…ウソくせェ上に海に呪われると書かれたそんな物に興味はなかったが…一つだけおれの心を捉えた項目があった……一生の内…万が一こんな能力に出会えたならおれはたとえ呪われようとも食ってみてェと思った…だがこの世に同じ実は二つと存在しねェから……もしその能力者に出会ったとしたら…おれのその夢は潰える………わかるか…?おれは一度!"透明人間"になってみたかったんだ!!だから"スケスケの実"を食ったお前は!おれの夢を一つ潰したっつってんだよ!!!」
「「やつ当たり〜〜〜!!!!」」
サンジは怒りが湧き上がり先ほどより鋭い眼つきでアブサロムを睨む。
「おれは夢を馳せた!!もしそうなったらその能力で女湯……イヤ…どんな事をしてみようか!!女湯…イヤ…どんな風に人の役に立とうかと!!」
「「ほぼ女湯覗く事で頭いっぱいだァ!!!」」
「うるせェ!!だが長年のシミュレーションのお陰でその能力ででき得る事は全て熟知してる!!アスカちゃんにさらした事に加え重ね重ねおれはお前を許さねェ!!命を落とす覚悟を決めろ!!!!」
「何かと思えばくだらねェ因縁をふっかけやがって!筋違いもはなはだしい!!この変態野郎がァ!!!」
「おめェには言われたかねェえ!!!!」
「それはもっともだァ〜!!だがどっちもどっちだァーーーーっ!!!」
サンジは吼えるアブサロムを蹴り飛ばし、オルガンに叩きつける。
アブサロムは上着を脱ぎ捨て強度を誇る体をあらわにする。
「よくわかった!唐突な因縁も怒りも全て返り討ちにしてやる!!」
「!」
「ライオンのアゴだけじゃねェ…!ゾウの皮膚クマ・ゴリラの凝縮された300kgの筋力!ドクトル・ホグバックの手によって移植に移植を重ね手に入れた野性の最高傑作がこのからだ…!!"スケスケの実"の能力など!おいらにとって強さの次の備品にすぎない!!!ガルルルル…!!」
「でも覗いたろうがァ〜〜!!!!!」
「「もっともだーーーーーっ!!!」」
脱いで見せたアブサロムだったが、突っ込みと共に重い蹴りを食らい地面に沈む。
強度など関係ないと言わんばかりのサンジの蹴りにアブサロムは姿を消す。
「貴様が欲していたこの能力に加え…守りたかった女までもおいらの花嫁となる!!これ以上の敗北はあるまい!!!」
サンジは姿を消したアブサロムにウソップの言葉を思い出し、アスカが消されないようにと抱き上げて周りを警戒する。
「アスカちゃんを消す気だな!?渡さねェぞ!!!」
「ガルルル…!ムダだ…思い知るがいい…!!"怪人"のパワー!!」
姿を消したアブサロムはアスカを抱き上げ守るサンジに攻撃をしかけてくる。
サンジはアスカに被害が及ばないようにとアスカを高く上げる。
「ガルルル…ほう…その女の為に…人柱になる気か…!フフフ…守ってみろ!"怪人の手"!!!」
サンジは一方的な攻撃を受けながらもアスカを守っているが、背後から一瞬何かが光りアスカを降ろす。
「悪ィ!アスカちゃん…!!」
アスカはサンジに軽く投げられるように地面に倒れ、サンジは肩に刀が刺さり血を流していた。
「ワハハハ!放したな!!命まではかけられねェか!!!」
「ごめんな…ハァ…おれの血で純白のドレスが…汚れちゃいけねェから…ゲフッ……まったくコソコソ隠れやがって透明人間…!もうその夢に未練はなしだ…!!おれはもう…透明なんかなれなくたって構わねェ………!!……自力で覗く…!」
「「覗きはすんのかいっ!!!」」
跪き血を流していたその時、横の血溜まりを何かが踏んだ音をさせサンジは咄嗟に腕を伸ばす。
「ぬ…!?放せ貴様!!!」
それはアブサロムの足だったらしく、サンジはにやりと笑う。
「へへ…!放すか!クソ野郎…!!色々獣がまざってんなら……いい挽き肉ができそうだな!!」
「黙れてめェ!!手を放せ!!」
サンジを蹴って手を離させようとするも、サンジの手は離すことなく"エクストラアッシ"でアブサロムを蹴り飛ばし壁にめり込んだ。
「ハァ…ハァ…女湯…いや…野獣の花嫁は…野獣で充分だ!」
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