(217 / 293) ラビットガール (217)

アスカを抱き上げ教会を出ようとするも突然建物が揺れ始め、瓦礫が落ちてくる。


「オイオイオイオイ!何なんだ!?この揺れは!!」


慌てて出ようと出口に向かうが、巨大な足に阻まれてしまう。


「ゔおーっ!!!この足…!まさかルフィのゾンビ!?アスカちゃん!ちょっと寝てる場合じゃねェぞ!!」


オーズの足に気をとられている隙にアスカは姿を消した。


「とにかく逃げ…え?アスカちゃん!?あれ!?アスカちゃんが消えた!!あれ!?何で!?」

「形勢逆転だな!ハァ…ハァ…ガルルルル……!!」

「!まさか…てめェまだ生きてたのか!猛獣男!!姿を現せ!!」



アスカをアブサロムに奪われてしまい、周りを見渡すも瓦礫が散乱し透明になっているのかアブサロムの姿もアスカの姿も見えない。


「この"魔人"がやっと我らの支配下に落ちた様だ…勝負あったな…!」

「!!」

「花嫁は今度こそいただいた!!」

「畜生!アスカちゃんを返せ!!てめェどこにいる!!?」

「遊んでもらえ…最強のゾンビに…!ワハハハ!!!」


サンジはアブサロムを追う事が出来ずオーズの足を避けながら外へ避難するのに精一杯だった。







アスカを連れ去る事に成功したアブサロムは教会の奥にある部屋に移動していた。


「では続きを"誓いのキス"から…」

「ハッ…―――っ!?」


アスカは地響きの音に目を覚ます。
目を覚ましたのだが目の前に見苦しい獣男の顔が近すぎ息を止める。


「な…な…何っ!!!?」

「ぬっ!?目を覚ましたか!」

「やめてーーーっ!!!」


アスカは目を覚まし見たくもない男のキス顔を見せられ下がろうとしても海楼石のせいと、ゾンビが押さえていたせいもあり首を振って抵抗する。
それでもアブサロムは執念深くアスカの唇を追う。


「ええい 観念しろォ!!この"誓いのキス"で晴れてお前はおいらの伴侶となるのだ!!!」

「やだっつってんじゃん!!この変態透明猛獣!!私は変態に人生を捧げたくないのよーーーーっ!!!」

「その結婚待ちなさーーーーい!!!」

「!?誰だ!!!」


キスを何度もしてはアスカに避けられる。
その上また邪魔が入りアブサロムの機嫌は急激に下がっていく。


「ナミ!!」

「はぁ…はぁ…や、やっと見つけたわよ!!私のアスカに手を出した事!後悔させてやる!!」


サンジの次に現れたのはナミだった。
ナミは怒りをあらわにし、目の前のアブサロムにクリマタクトを向ける。


「フン!誰が来たかと思えば…女か…この女はおいらの妻となり"墓場の女王"となるのだ!!わかったならさっさと出てけ!!!」

「何よそれ!!!アスカはね!普通の人間でイケメンで金持ちで海賊以外の男と結婚して私と末永く幸せに暮らすのよ!!!!」

「ナミ、それなんか違う……」

「分かったならさっさとアスカをかえ…」

「おんどれマスオ〜〜〜〜!!!!!」

「「「!!?」」」


また新たな条件にアスカはナミに突っ込む。
するとアブサロムとアスカの間にローラが天井から瓦礫と共に落ちてきた。


「ロ…ローラァアアア!!!」


突然のローラの登場にアブサロムは目を丸くし、アスカは力が出ないため座り込んだままだった。
アブサロムがローラに気を取られている隙にナミはアスカに駆け寄り、抱き寄せる。
そんな2人にローラは刀を突きつけた。


「ナミゾウ!マスオ!!アンタ達…!よくも抜け駆けしてくれたわね!!!私の恋の応援するなんてあの言葉はウソだったのね!!?応援どころか私のアブ様を奪おうなんて…何て奴なのよ!!アンタァ!!!」

「ちょ…!ちょっとローラ!!待ってったら!!そうじゃないのよ!!!」

「私今まで意識なくてこの状況すら……あっ、何でウエディングドレス着てるの!?」


アスカは自分ウエディングドレスを着ていることに気付き、咄嗟に背中に手を回す。
背中が出るドレスじゃないのにホッと息をつくも、ナミとアスカの弁解に全く聞く耳もたないローラは恐ろしい顔で2人を睨みつける。


「コノ裏切りモンがァ!!!」

「きゃああああ!!待って!誤解だって!!!」

「てめェローラァ!!いきなり式をブチ壊した上においらの花嫁に何してやがる!!」


ナミはアスカを抱えローラの攻撃を避けることで精一杯で、アスカに至っては能力も力も出なくてナミを抱えて逃げ出すこともできずにいた。
するとローラが刀を指差すようにアスカに突き出す。


「アブ様、アンタ知らないんでしょ?この本名"マスオ"は実は!!"男"なのよォ〜〜っ!!!」

「ん何ィ〜〜〜〜〜!!?」


ローラの衝撃な発言にアブサロムは目を丸くする。
ナミは『そう言ったんだった!』、と思い出す。


「だがおいら確かに風呂場で…」

「あんた出て行きなさいよ!マスオ!ナミゾウ〜〜〜!!!」

「おい!てめェ!やめろ!!」

「やめてローラ!!!」


アブサロムが風呂場で見て触ったアスカの体を思い出しているとローラはその隙を突いてナミ達へ刀を振り回す。
ナミも必死にアスカを抱え尻餅つきながらローラの刀を避けようとするが…


(当たらない…?)

(お逃げ!ナミゾウ!マスオ!!)

((!!))

(あいつは私が足止めするから!)

(ローラ…)

(助けに来たのよ!マイフレンド!)


ローラの攻撃はナミ達に当たることなく、ローラはナミとアスカを逃がす為に刀を振り回す。
そして出入り口に近くなったその時、アブサロムに迫る。


「さァアブサロム!理解したらあいつにかわって私と契りを交わすのよ〜〜っ!!!」

「花嫁が……!逃げる!!」

「花嫁はここよ―――っ!!」

「あいつは間違いなく"女"だローラ!邪魔を…するなァ!!!」

「ローラ!!!」


ローラを気にしつつナミはアスカの手を引いて逃げ出そうとするもローラはアブサロムに一撃でやられ、倒れてしまった。


「ゾンビの分際で……!ムダな労力… 使わせやがって!!」

「ローラ………アスカ、ここから動かないでね!?」

「え…ナミ?」


ナミは倒れるローラを見つめ、キッとアブサロムを睨む。
アスカを隅へと避難させ、クリマタクトの先から電流が走る。


「ほう…逃げるのをやめたか…利口だな……そうやって初めから大人しく倒されればいいものの…」

「よくもローラを…」


ナミはアブサロムへ駆け寄り、アブサロムを感電させる。
部屋に感電した音が響く。


「どうせ効かないんでしょ…!そんな事わかって…」


アブサロムは立ったまま気絶し倒れる。
それにナミは目を丸くし、クリマタクトの先でアブサロムをつっつく。


「何で!?橋の上では全く効かなかったのに…」

(やはり…もうあの男との戦いで…限界を超えてたか…それはそうだろう…)


神父ゾンビが呆れながらそう思っているのを知らず、ナミは腕を上げて喜ぶ。


「まあ でもいいわっ!!勝ったーーっ!!!なんかきっと急所に当たったんだわ!!」


喜びも束の間、我に返り倒れているローラに駆け寄る。


「ローラ!!大丈夫!しっかりして!!」

「ローラ、ありがとう…私を助けに来てくれて…」

「ケホ!ハァ…ハァ…何言ってんのナミゾウ、マスオ…友達じゃない…」


アスカも弱弱しく駆け寄り、ナミはローラの言葉に目を伏せる。


「だけど私…!あの時あんたが恐くてウソついたの!!ごめん!私達本当は"女"なのよ!!」

「バカね、知ってるわよ」

「ローラ…!」

「そんな事より!!アブ様 今ノーガードじゃない!?婿になれやァ!アブサロムー!!!!」


ローラは気絶するアブサロムに飛び込んでいく。
それにナミ達は苦笑いを浮かべる。







「ここかな!!出て来い!残りのやつらーーー!!」


暴れまくりのオーズは屋敷の壁を指を入れて壊していた。


「何つった?名前…」

「えーと…」

「確か…ロース…」

「いや違う…最後は"ズ"だった」

「ヒューズ?」

「いや、遠のいたぞ…?」

「オース」

「ん?いや…?何か足りねェような…?」

「"オーズ"よ」

「「「それだ!」」」

「あ…あの!私…すいません!!体が…」

「ああ、おめェはしょうがねェ…少しは移動できるか?ちょっとよけてろ」

「おいオーズ!」


指で開けた穴を屋根から覗き込んでいると下から名前を呼ばれ、顔を上げると麦わら一味6人が瓦礫を越えながら近づいてくる。


「てめェの中身がルフィの影なら…てめェの仲間の底力……!!見くびっちゃあイカンだろう……!」

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