「あり?何で伸びなくなったんだ??」
ご主人様の危機に気付かずオーズは伸びなくなった腕を不思議そうに見ていた。
その間にウソップとアスカはロビン達の傍へと避難する。
「ロビン!助かった!!死ぬとこだった!」
「キシシ!オ…オエ…苦しい……!これでおれを封じたつもりなのか……!?つまらんマネしてくれるじゃねェか…!」
モリアは苦しみながら笑い、オーズの影から"ブリックバット"を出し自分を押さえ込んでいるロビンへと総攻撃させる。
蝙蝠のような小さい影の群れにロビンは腕や足を噛まれ、"二十輪咲き『金盞花』"で防御するが数が多すぎて防御しきれていなかった。
「ロビン!!!」
「ん何をしてんだ!!!ロビンちゃんにィ〜〜!!!!」
押されてしまい倒れてしまったロビンにサンジとアスカがロビンを守る。
2人に蹴られ、殴られた影達は散りばって壁や瓦礫に叩きつけられる。
しかし叩きつけられた影と飛んでいる影がロビンの背後に回り、集まりだしてモリアの影になっていく。
「キシシシ……オェ…キシシシ…!!さァ!遠隔能力勝負といこうか…!なかなか効くぜおめェの締め!!」
「影に惑わされちゃいけない…!本体さえ仕留めれば影は必ず消滅する!!」
影が回りこんでいても焦ることなくロビンは立ち上がりモリアに技を決める。
鈍い音とモリアの悲鳴が響き、ウソップとナミは喜ぶ。
「やった!」
「すごーい!ロビン!!」
「ん?」
「!」
「おいロビン!!後ろの"影"に気をつけろ!!!」
「!」
ゾロの言葉にロビンは振り返るとオーズの腹にいるはずのモリアが立っていた。
「キシシシシ…おしかったな…だが残念、おれとドッペルマンはいつでも居場所を逆転できるんだ」
「え!?何でモリアがここに!?」
「入れ代わっただと!!?じゃああっちにいるのは…」
オーズへと振り返るとそこにはモリアの影がロビンの技にかけられていた。
「したがって今オーズの腹にいるのはさっきまでここにいたおれの"影"関節技など効かねェ『影武者』…勝負あり…!」
「あっ…!!」
ロビンの影を手に取り地面から剥がしていく。
そして抵抗をする暇もなくロビンは影を取られ気を失ってしまった。
「やられた!ロビンまで…!!」
「ロビン…!」
「うわああ!ロビ〜ン!!」
「キシシシ!さて、これで3人目消去!!…さて…いれものがねェが…まァ捕まえておくか…」
「んのクソ野郎が!!ロビンちゃんの影を返せェ〜〜!!!!!」
サンジが足を赤くさせモリアの顔面を蹴りつけるが、モリアは影となりオーズの腹へと戻っていった。
黙って見ていたオーズがまた勝手に勝負の邪魔をしたモリアに愚痴りながら飛び上がる。
「コノヤロー!!ご主人様!!おれのケンカだっつってんのにィ!!その女のとどめはおれが刺してやるーーー!!」
「「「!!」」」
「また伸びる様になっちまった!ちょっとその技逃げ場がねェって!!」
「ウソでしょ!?意識のないロビンに!」
オーズは腕を後ろに伸ばし、気を失っているロビンへと放った。
しかしオーズの腕はロビンに当たることなくサンジが逸らしてロビンを救う。
「今の内だ!ロビンちゃんを遠くへ!!」
「任せろ!!」
サンジの言葉にウソップがロビンを抱え、ナミもウソップの後を付いて避難する。
「おーい!!サンジ〜〜!ゾロ〜〜!アスカ〜!!」
「「「!!」」」
チョッパーの声が響き、上を見上げると姿が見えなかったチョッパーはいつの間にかオーズの肩に乗っており、3人は目を丸くする。
「チョッパー!?お前何でそんなとこに!!」
「探してたんだ…!500年前のオーズの"死因"を!!!」
「死因!?」
「大悪党が寿命を待たず死んだのなら"外傷"が原因の可能性は高い!!」
「あっ!こんなとこに!!!」
さすがに大声を出せばバレてしまう。
チョッパーはギクリと体を震わせ用件だけを伝える。
「この"右腕"を狙え!!!これは元々のオーズの腕じゃない!!!!」
「何!?」
「ホグバックの手で天才的に復元されてるけど継ぎ目にひどい凍傷の跡がある!断定はできないけど500年前のコイツの死因はおそらく"凍死"!!こんな怪物でも自然の力には敵わずに氷の国をさ迷って死んだんだ!!なぜなら500年の昔もきっと…オーズは……裸だったから!!!」
「「そんなアホに負けたくねェ〜!!!」」
「……………」
アホな理由で死んだ相手にサンジとゾロは突っ込む。
アスカは心の中で頷きながら眉を潜めて呆れたようにオーズを見ていた。
「ゾンビは痛みを感じないけどダメージはちゃんと残る!今までの攻撃もしっかり蓄積されてるよ!!この腕一本使えなくできれば攻撃力は半減する!とにかくこの一点に…」
「何をゴチャゴチャ人の肩で!!チビ人間め!」
「うわ!!!」
「チョッパー!!!」
我慢できなくなったオーズはチョッパーへ拳を放つ。
その拳はもろに当たってしまう。
仲間がまたやられたと思った3人は焦るものの、オーズの拳の中から小さくなったチョッパーが顔を出す。
「今のパンチだって自分の体を痛めつけてる事もゾンビのお前にはわからないんだな!」
「え!?手の中に…!!」
「おれはチビだからお前の拳のすき間は洞窟みたいなもんだ!」
チョッパーはランブルボールを口に含み"アームポイント"で強化する。
「よくかわした!手ェかすぞ!チョッパー!!」
「サンジ!頼むよ!!」
チョッパーをサポートするため、サンジは高く飛び上がりチョッパーをオーズの腕へと飛ばす。
チョッパーに体当たりされ大きな体をぐらつかせているオーズの腕に飛び降り、チョッパーはオーズの肩に強い衝撃を与える。
「このヤロ!何度も同じとこ攻撃しやがって!!効かねェもんは効かねェぞ!!」
「効いてくるさ!必ず!!痛みは人体を守る信号なのにそれがないなんて強みでも何でもない!!!」
「勝手に言ってろ!!」
オーズはチョッパーを振り落とし、飛び上がる。
「ちょっと…ちょっと!やばいって!!」
「おい!マズイぞ2人共!!何とか逃げろ!!」
ゾロの言葉も空しくチョッパーとサンジはオーズに"ゴムゴムのガトリング"が直撃。
オーズの力に2人は倒れてしまった。
「畜生ォーーー!!!また二人…!!みんなやられてく…!」
「4人目…5人目…!キシシシ…!!あと"4人"!」
オーズが残りのゾロ達に顔を向ける。
「どわ〜〜!!来るぞ〜〜っ!!」
「無理よ!倒せるわけないじゃない!!私達4人でこんな怪物…っ!!!」
「同感だ!!もう打つ手だってねェよ!」
「ウソップ!」
まともに戦えるのはゾロとアスカだけのこの現状にナミとウソップは青ざめる。
するとゾロがオーズを睨みながらウソップへ声をかける。
「おれが隙を作る…!!」
「んあ?なんの!?」
ゾロの言っている意味を理解できていないウソップだったが、言いたい事が分かり頷く。
ゾロは迫ってきたオーズの手を刀でくし刺しそのまま"夜叉鴉"で肩までのぼり斬って行った場所から血が噴出す。
「わ!やった!!効いた!」
「また右腕か!何度も何度も効かねェって言ってんのにこのやろうがァ!!」
「!…虎狩り……」
サンジ達と同じ場所を攻撃するゾロにオーズはゾロを壁に叩きつけるように蹴る。
「おい!こっち向けオーズ!!」
ウソップはオーズへ声をかけ、振り向いた瞬間クワガタでオーズの口の中に何かを入れた。
「!なんか口に入った…」
「何?今の…ウソップ……!!」
「や……やった!し…!塩食わせてやったぞ〜〜〜〜!!!」
ウソップは口に入ったのを確認し、大喜びする。
ナミと別れる前に聞いていたアスカも喜んでいるようで、笑みを浮かべていた。
塩を口に入れられたオーズが苦しみながら黒いモノが這い上がってくるのが見える。
「見ろ!オーズはもう終わりだ!!ルフィの影が出て来る!!浄化しやがれ怪物ゾンビ!!」
声を上げるウソップだったが、口から出てきたのは影は影でもモリアの影だった。
モリアの影はウソップが投げた塩を手に持って笑っている。
「キシシシ!!体内からガードしたんだバーカ!落とし物だぜェ!長っ鼻ァ!!」
「!!」
モリアの影は塩をウソップへ投げ返そうとするが、腕が動かない事に気付く。
「てめェは…!!!」
「ホンット!うっざい!」
「アスカ!!」
素早くオーズの口元に移動したアスカがモリアの影を掴みそのまま塩を奪って外へ投げ飛ばす。
「これでルフィの影が戻ればアンタなんか秒殺ね」
そしてモリアの影が居ないオーズの口の中へ塩を落とす。
しかし…
「ッ!!」
「調子に乗るんじゃねェ!影はどこにでもあるんだぜ!!」
「アスカーー!!」
「ギャー!アスカが捕まったーー!!」
アスカの影からモリアの影が現れアスカを捕まえる。
その手には中に入れたはずの塩が入った袋が握られていた。
「オーズ!!この女を踏み潰せ!!!」
「そ、そんな!!アスカまで…」
「でもご主人様おれ何でか知らねェけどこの女には手も足もでねェんだ」
「そうだ!ルフィの影なんだからアスカに手も足もでないはず!!!」
「キシシシ!!それも影の思い込みだ!さっさと踏み潰せ!!」
「はい」
モリアの命令通りモリアからアスカを受け取り瓦礫だらけの地面に叩きつけるように投げる。
「ぁぐっ…!!!」
「「アスカ!!!」」
思いっきり投げつけられたアスカは口から血を噴出す。
それでもオーズは止めず、そのまま"ゴムゴムの銃乱打"をアスカに浴びせた。
「イヤー!!アスカがっ!!!」
「お、おいおい!!マジかよ!!!ルフィの影だろ!?なんで…」
動かなくなったアスカを見て唖然とするウソップにモリアは塩を投げつけた。
「ぷへ!うわっ!!塩が!ブルックが集めてきた最後の塩がっ!!畜生!畜生ォ!あの野郎バカにしやがって………!!」
塩はぶつかった衝撃で紐が緩み、塩が出てしまった。
ウソップがブルックが持ってきてくれた塩をかき集め袋に入れなおすが、そんなウソップにモリアは笑う。
「キシシシシシ!ぬか喜びしてめでてェヤローだぜ…!弱点とわかってるものに対策もうたずにいると思ったか!!」
「くそォ!!」
悔しがるウソップを上からオーズの足が踏み潰す。
傍にいたナミも踏み潰した衝撃に飛んで来た瓦礫に頭をぶつけ、頭から血が出てしまう。
「ウソップっーーッ!」
「まだまだ踏んでやれ!!」
「やめてーー!!やめてよォ!!」
「キシシシシ!粉々にしちまえ!!そこの女もだ!!」
「!!」
ウソップが居たところを何度も何度も踏みつけるオーズとモリアにナミは必死に声を上げるが、オーズは止まることなく踏み続ける。
その上ナミも狙われオーズが踏み潰す。
ウソップと同じく何度も何度も踏み潰していくのだが…
「潰せ潰せ!!どいつもこいつも踏み潰せェ!!キシシシシ!倒れてる奴らも全員少しずつ息があるぜ!!人の形すら残してやるな!!」
「おい!デケェの!!」
「!?」
モリアの命令通り他の麦わらの一味も踏み潰そうとするが、誰かに止められてしまう。
振り返ると壊れている建物の中に誰かが立っていた。
「お前は一体何を踏み潰してるんだ?お前の足の下には誰もいねェぜ!!」
「誰だお前」
「モンキー・D・ルフィだぜ!」
ルフィだという大男の両手には踏み潰したはずのナミとウソップが握られていた。
「助かった…」
「どなたか存じませんが危ねェ所………」
「「って…ルフィ!!!!?」」
大男を見上げるとそこには見慣れたルフィではなく肌が青くなり眼つきも変わっていた自分達の船長がいた。
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