ナミとウソップはルフィの変わりように唖然とする。
「似てるっちゃ似てる気もするが…本当なのか!?お前なのか!?」
「本当におれだぜ!」
「いや…その喋り方も……」
「何があったんだよ!!」
「あいつ変身能力もあったのか?それとも……」
モリアが首を傾げるが今話せる状態ではないため、ルフィは下に倒れているアスカ達に目をやる。
「みんなやられたのか…」
「ああ…おれ達以外みんなあの怪物ゾンビにやられた!」
「ふん!構わねェ!潰せ!!」
モリアの命令にオーズは腕を巻いて伸ばし始める。
それに降ろされたナミとウソップはルフィに声をかける。
「来た!…危ねェぞ!わかってんだろうがアレがお前の影の入ったゾンビだ!!ルフィ!さらに体もゴムみてェに伸びてお前の技を使ってくる!!」
ウソップの話を聞いているのか分からないがルフィはオーズが放った"ゴムゴムの回転弾"を片腕だけで止めた。
「ルフィはおれ一人だぜ!」
「………!!」
オーズの腕を止めたルフィはそのままオーズを森まで殴り飛ばした。
その威力にナミもウソップも驚愕する。
そしてルフィは飛ばされたオーズを抵抗する暇も与えず攻撃を繰り出す。
それにナミもウソップも何も言えず絶句していた。
「やってる!やってる!あいつがオーズとやり合ってる!!」
「今の内だ!!」
「いたぞ!!希望の星の一味!みんなやられちまってる!」
「ひどいキズだ……!」
「白骨化してる奴もいるぞ!ムゴイ…!」
「ここに倒れてると危険だわ!!」
絶句していた2人だが、下から誰かの声が聞こえ下を見るとゾンビっぽい者達がゾロ達に群がっていた。
「おい!何だあいつら!大勢…人が!!」
「何あれ!ゾンビ!?」
「ゾロ達に何かする気か!?」
「急いで降りましょう!!」
下に下りるとゾンビだと思った者達は人間だった。
「希望の星の一味を救え!!」
「安全な場所で応急処置を!そしてこいつら私の好みよ!」
「3人程影を取られてる!そっと運べ!!」
「頼んだわよ………!"ナイトメア・ルフィ"!!」
「ちょっとあんた達!!何してんのよ!!」
「そ、そいつらには手を出すなー!!」
「!」
森でけたたましい音をさせながらオーズ、そしてモリアと戦っているルフィに願いを込め見つめているとナミ達が声を上げながら駆け寄ってきた。
ローラ達はナミ達の誤解を解き、全てを話す。
「何だと…!?じゃあつまり…!その犠牲者100人分の影をつめ込んでおめェらがルフィをあんな風にしたのか!?」
話を聞き驚きを隠せないウソップの言葉にローラは頷く。
「その通りよ!希望の星の一味!!」
「正直おれ達もあいつのパワーアップにはビビった!!」
「だがその強さも持ってあと2・3分…!つめ込んだ影達もやがてあの体を離れていく!!」
「おめェらの船長に勝手なマネして悪かったがおれ達の"希望の力"を全てあいつに預けたんだ!!!」
2人がルフィの方へ目を向けるとルフィがオーズの髪を持ち、振り回しているのが見える。
「もう夜明けも近いわ!この数分が島中の犠牲者の命運を決めるのよ!!!」
「頼むぞ麦わらァ〜〜っ!!おれ達ァ太陽の下を歩きてェ!!」
「もう一度!"人間"になりてェんだよォ!!!」
こちらからルフィのところまで被害者達の声が響く事はないが、影を取り戻す為にルフィは声を上げながらオーズを振り回し、ナミ達の居る場所にある建物にオーズを叩きつける。
「ぎゃああああ!!!」
「屋敷が壊れたァ〜〜〜!!」
「早くここを離れろーーー!!潰されちまうー−−−!!!」
「ホントにすごい!!」
「よーし!こうなりゃイッたれルフィ〜!!!」
とばっちりを受けないよう倒れているサンジ達を抱え、被害者達は避難する。
ナミ達も避難しながらルフィの力に目を丸くしていた。
「ハァ…ハァ…!このヤロー…!!チビのくせにィ!!」
全く刃が立たないルフィにオーズは負けじと技を繰り出そうするもルフィの方が早く、斬りつけられてしまった。
オーズが倒れる衝撃で腹にいたモリアは頭をぶつけてしまう。
「くそ!"麦わら"!!どこにこんな力が…!オーズめ…!情けねェ野郎だ!たかが海賊一匹に!!ここじゃ巻き添えくうばかり!!…一旦コクピットを離れ…ん?」
頭を手にあてオーズの腹から出ようとするも目の前までルフィが迫り顔面を殴られてしまう。
それでもルフィは攻撃を止めず体を膨らませ、回転してねじる。
「くらえ!!」
オーズが足を高くあげ、かかと落としをルフィに落とすがルフィに足をかわされモリア共々"ゴムゴムの暴風雨"を放たれてしまう。
「わあああああ!!オーズがァ〜〜〜!!!」
「モリア様ァ〜〜〜!!!」
「ブッ倒れるわよ!!気をつけなーーーっ!!」
「うわァ〜〜!!!」
ルフィの技にオーズは倒れ、建物を下敷きにして完全にダウンする。
そのことが信じられずゾンビ達は絶句していた。
「ローラ船長!!アレ…!麦わらが!!」
「!」
ローラは子分の1人が指差す方へ目をやるとルフィが影を出しながら落下していくところだった。
「ルフィ!!」
ナミ達の傍に落下していき、ルフィは影を出しながら縮んで行き元のルフィへ戻る。
ナミとウソップは倒れるルフィに慌てて駆け寄った。
「やったわ!あいつったら…本当に勝ってくれた………!!!」
「オーズとモリアを倒したァ〜〜っ!!!」
「みんなの影が戻って来るぞ〜〜〜っ!」
被害者の会の者達は倒れたオーズとモリアを見て心から両手を上げて喜び、倒してくれたルフィへと駆け寄る。
「無茶させちまって何なんだが…体大丈夫か!?」
「おいルフィ!しっかりしろ!」
「ルフィ!!!」
仲間が声をかけてもルフィは目を覚まさない。
「肉体の疲労は並じゃないだろうね…100人分の戦闘力を一人の体で発揮したんだ…」
「とにかく早く犠牲者の影を全て取り返さにゃあ!!」
「そうだ急ごう!」
「東の空がだいぶ明るんで来たぞ!やがて朝だ!!」
しかし問題はどう影を返してもらうかである。
ルフィも含め、麦わら一味も4人の影を取られている。
「全ゾンビに入った影の支配者はモリア…彼の口から『本来の主人の元へ帰れ』と命令されなければ影は戻らないのよ!」
「考えてねェでやってみよう!何とかモリアを起こして力ずくで言わせるしかない!!影が戻って来なきゃ倒した意味もねェんだ!!」
早速気絶しているモリアを起こそうとオーズに駆け寄る被害者達だが、オーズが目を覚まし立ち上がってしまった。
「うわあああああああ〜っ!!オ……!オーズが!!また立ち上がったァ!!」
「あれだけ攻撃を受けりゃもう体は動かねェんじゃねェのかよォ!!」
「何てこった……もうダメだ…!"麦わらの一味"ももうみんなやられちまってるし……!!」
「おれ達の切り札の"影"もみんな使い切った…!!コイツをなぎ倒せる力なんてもう残ってやしねェよ!!!」
「痛くもカユくもねェ…!!」
「畜生ォ!!!」
首を鳴らしながら鋭く見下ろすオーズに被害者達は怯え始める。
「やっぱりゾンビに力では勝ち目はねェんだ…不死身なんだ…本当にコイツら……!!!」
「もうリミットだ…!今日も夜が明ける…!!おれ達ァこの闇の暮らしから抜け出す事なんて…できねェんだ!!!」
「諦めよう!ここに居たって死ぬだけだ……!!」
「急いで…森へ帰ろう!!暗い暗い…光の差さねェ森へ……!!!また帰ろう…!!!」
森へ逃げようとする被害者達の前にゾロが立ち上がり刀を抜いていた。
「お…おめェ!!」
「…ルフィに何が起きたか知らねェが…充分な追い込みだ」
傷だらけのその体で再びオーズへ向かおうとするゾロに被害者達は目を丸くする。
「あの巨体の攻撃受けといて…まだ立つの……!?どっちがゾンビだかわかりゃしないわ…!!」
「おい!こっちに避難させといた麦わらの一味どこいった!?」
「え!?いや知らねェよ!!意識もねェのに勝手に動くわきゃねェだろ!?」
ゾロ以外の麦わら一味が居ない事に気付き、あたりを見渡すも誰も居ない。
それどころかナミとウソップまで姿が見えないことに気付く。
「あれ…!?ここにいた無事だった二人は!?」
「オーズが立ち上がるまで確かにここに…!」
「まさか…!一早く逃げたって事は……!!」
「あいつら全員逃げたのか!?」
騒ぎ出す被害者達だったが目を覚ましたルフィの拳を地面に叩きつける音にルフィに振り返る。
「え!?麦わら!!?」
「ハァ………もうちょっと…足りなかったか……!」
「おいおい!麦わら!!お前まで………!」
「あと一撃入りゃ……!ゼェ…ゼェ…くっそー…やっぱさっきの疲れたな…ロビン!!」
「ええ、いるわよ」
オーズを睨むつけるルフィに名前を呼ばれロビンが被害者達の後ろに現れる。
「うわ!逃げてなかった!!」
「上へ飛びてェんだ!!」
「じゃ、足場を作るわ」
「私にも…できる事があるならば……!!」
「おわー!白骨死体まで動き出した!!」
今度はカタカタと骨を鳴らしながら歩み寄ってくるブルックに別の意味で被害者達は驚く。
「よし…ブルック!頼みがあるっ!!」
「そう来ると思った!もう全員サポート態勢に入ってるわ!!」
「うお−!!さっきのねーちゃんそこに!?」
「コイツらまさか!逃げたなんてとんでもない……!!オーズが立ち上がった瞬間に………!!迎撃の準備を始めてたんだ!!」
ロビン・ゾロ・ナミ・ルフィは外で待機し、フランキーとウソップはどこかで何かを作って準備し、サンジ・チョッパー・アスカは階段を登って上へ目指していた。
「信じられねェ…!コイツら…微塵も諦めてねェっ!!!」
「おい!おめェら邪魔だ!!どいてろ!!!」
「「「お言葉に甘えまして〜〜〜〜っ!!!!!!」」」
ゾロの言葉に素直に甘え、被害者達は素早い逃げ足で被害が出ないところまで走る。
それと同時にルフィ達は動き出す。
まずロビンが"脚場咲き"でマストに足場を作り、ブルックがルフィを抱えその足場から上へ素早く上がる。
「あ!待てェ!どこに…!!」
それに気付いたオーズが上へ手を伸ばすと自分の体を雲が囲んでいるのに気付く。
「ん…?何だコリャ?煙?雲?」
「天候は『雨』"クールボール"!!」
クリマタクトで雨雲を作り"レイン=テンポ"でオーズの全身を濡らす。
濡れた体を見ていると横のマストが突然穴が開かれ、そこにはフランキーとウソップがいた。
「目一杯回せーー!!」
「回すーーーーー!!!」
ウソップがフランキーに言われ、ハンドルを思いっきり回す。
「発射!!特大冷凍庫の超低温冷気砲!!!!」
フランキーとウソップが即席で作ったホースから大量の冷気が発射されオーズの下半身が瞬時に凍りついた。
「わっ…!凍った!動けねェ!!」
「次はこっちだァ!!」
休む暇もなくサンジが舵の鎖をオーズにかける。
「すげー!サンジ!!」
「どうも!!」
サンジは降りながら褒めてくれるチョッパーに手を振る。
「投げろォ!!!」
「ホントに投げますよっ!?」
「大丈夫だ!おれはゴムだ!!」
マストの上に登ったブルックはルフィを高く上げ、ルフィを投げる。
「お気をつけて!!!」
投げられたルフィは両腕を"ギアサ−ド"させ大きくさせる。
「ん?」
ルフィに気付いたオーズにチョッパーが気付きタイミングを計り下に居るゾロへ声をかける
「ゾロ!!!オーズの腹を引かせて!!!」
「任せとけ!」
ゾロはチョッパーに言われたとおり構え、"三千世界"でオーズを斬りつける。
「出番かな?」
ゾロが斬りかかったのを確認したアスカがオーズが引っかかってる鎖の反対の方に回っており、鎖を持ち上げ肩にかけて勢いをつけて落下。
普通に降ろすより能力により力、そして体重も変化したアスカと言う名の重りに鎖は早く動きオーズは背背筋がまっすぐになる。
「ウオ!!」
「いいぞアスカ!!オーズの背骨は今まっすぐだ!!」
「ゲフッ!」
突然の衝撃にオーズは血を吐き出してしまう。
「人間の背骨は本来S字に曲がる事で衝撃や重さをやわらげる構造になってる…それがまっすぐ伸びきった場合……!衝撃の逃げ場はなくなり全てのダメ−ジを受け止める事になるんだ!!!」
「行ってルフィ!!」
「ご武運を!!!」
「特大のバズーカをくらえ!!」
「そんなもん…!"バズーカ"で打ち返してやる!!」
ルフィが大きくさせた腕を後ろにやり落下してくるのを見てオーズも同じ技で対抗しようとしても右腕が動かなかった。
「!?、動かねェ……!!あれ!?右腕が動かねェ〜〜〜!!伸びもしねェ!!!!」
「ダメージに気づかないのはゾンビの弱点ね」
「てめェの影だ ケジメつけろルフィ!」
痛みがないゾンビであるオーズは体の異常に気付かず動かない腕に焦る。
その間にもルフィは近づいてくる。
「う!うお〜!行けェ〜〜〜〜!!やっちまえ麦わらァ〜〜〜〜!!!」
見ていた被害者達もルフィを応援し、ルフィは"ゴムゴムのバズーカ"をオーズの顔面に当て、まっすぐになった背骨を粉々にする。
ルフィの攻撃が直撃したオーズはその場に倒れる。
「「「やったァ〜〜〜〜〜〜!!!!!!」」」
被害者達の声が森に響いた。
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