(224 / 293) ラビットガール (224)

スリラーバークに朝日が差し込む…


「朝が来る!!全員森へ逃げ込め〜〜〜!!!」

「畜生!ここまできて!!」


被害者達は朝日を恐れ森へ逃げようとするも船長であるローラが一歩も動かない為、自分達も森へ逃げ出せなかった。


「こっちの影へ!!ローラ船長!死ぬつもりですか!?」

「死ぬか生きるか二つに一つよ!どう転ぼうと構わないわ!!私はもう…日陰には帰らない!!」

「船長…」


もうローラに何も言えず、勝利を確信している麦わら一味達に声をかける。


「おい! おめェら!!どこに勝機があるってんだよ!勝てるわけねェだろ!?敵は今 千人力の化け物だ!おめェらの影だって入っちまってんだぞ!!時間だってもうねェし…!!」

「見学なら黙って見てろ…!モリアとの勝負にはもうおれ達が勝ってる!!」

「!」

「ただし後は朝日が差すまで時間との勝負…モリアはその短時間をイカレたパワーでやり過ごすハラだ…おれ達の消滅が先か…!モリアの自滅が先か…!」


ゾロはルフィから目を離さず答える。
その先にはルフィが押しており、モリアはギアで強化されたルフィに攻撃され口から影が飛び出していた。


「オオ…オオオオオオ!!!」

「影が抜けてく…!!」


もっと影を吐き出そうとルフィは何度も"ジェットバスーカ"をモリアの腹に叩きつける。
その事によって先程より多くの影がモリアの体内から出されていく。


「どんどん解放されてく!」

「あいつの支配下にある筈の影達がなぜ…!?」

「モリアの意識が薄れて支配力が落ちてんだ…1000体の影なんてさすがのモリアにも制御しきれねェんだよ!」


モリアは出て行く影を押さえ息を荒くして次の攻撃に移ろうとしたルフィを影で作った箱に閉じ込めた。


「砕けろ!!!」


スリラーバークを割った時と同じ拳をルフィが入っている"ブラックボックス"に叩きつけ、へこませる。
地面に落ちたブラックボックスを追い討ちのように何度も足で踏みつけた。


「これは"先例"だ!!ハァ…ハァ…てめェみてェな…若僧が…この海ででけェツラするとどうなるか…!!"七武海"に盾つくとどうなるか!!分相応に生きろ!!!世の中ってのァ…!!出る杭が叩き潰される様にできてんだ!!!」

「ルフィさん!!」

「ルフィーーー!!!」


ブルックとチョッパーが名を呼ぶとルフィはブラックボックスの中から無傷とは言えないが大きな傷を負わず出てくる。


「若僧だろうが出る杭だろうが…」

「!」

「おれは…誰にも潰されねェ………!!!」

「ルフィ…!」


モリアを睨みつけるルフィの言葉にアスカは小さくルフィの名を呼ぶ。
モリアはまだ己の前に立ち塞がるルーキーに笑い出した。


「ハァ…ハァ…潰されねェ……!?そう言いきる根拠の無さこそが…てめェの経験の浅さを…」

「ゴムだから」

「ッ!!」


己の言葉を遮るルフィにモリアは頭に来たのか青筋を立てた。
ルフィは息を荒くしながら再び構える。


「すぐに全部吐き出させてやる……!!」

「何だあいつ!!不死身か!?すげー!!」


ルフィの戦いに目を丸くし、体を瓦礫から乗り出すと朝日に照らされ体が消滅しはじめてしまう。


「うわァ!!朝日!」

「ぎゃあああ!しまった!!」

「バカ!しっかり日陰に入れ!消滅するぞ!!」


慌てて影に入り、ルフィを見るとルフィは腕を大きくさせ体を膨らませる。


「え!?おい!!その技 重ねていいのか!!?」

「お前『セカンド』だけでこの前どんな目にあったか覚えてねェのか!?ルフィ!!!」

「本当にムチャだルフィ〜〜!!体がブッ壊れるぞォ!!!」

「……………」


ロブ・ルッチとの戦いはまだ仲間達の記憶にもルフィの記憶にも新しい。
だけどルフィは仲間を信じ、そして自分の勝利を信じ、全ての技をモリアへぶつける。
ルフィは"ジェット砲弾"で強力な一撃を与え、モリアは抑えきれなくなり影がモリアの口から見え始める。


「うお!強力っ!!影が出るぞ!!」


しかしモリアは影をこれ以上奪われるのを防ぎたい一心で口を手で塞ぎ影が出るのを止める。


「あのヤロー!!返さねェつもりだ……!!」

帰って来ーい!!私の影〜〜っ!!!!

「ローラ船長!?」


兵力を逃がさんとするモリアに被害者達は悔しがるが、ローラは自分の影へ声を上げた。


「聞こえないの!?私の影!!生まれた時からずっと一緒だったじゃないの!!この世に一緒に生まれたんじゃない!!!帰ってきなさいよ!!3年間ずっとあんたの入ったゾンビを探してたのよ!!今そこにいるんでしょ!!?聞こえてるなら帰って来い!!!帰って来…」


朝日のせいで顔の半分がなくなっていくローラを見ていられず、子分がローラを押し倒し、一時的に影に隠れさせる。


「ロ−ラ船長!!もう影に入ってくれ!体が無くなっちまう!!」

「く……!!だってくやしいじゃない!!そこにいるのにっ!!!!」


ローラの言葉に被害者達はモリアを見上げた。


「確かに…今…モリアの中におれ達の影全員いるんだろうな……目の前にいるなんてこんなチャンス もう二度と来ねェ…!とはいえ…相手が七武海じゃあ……!!帰って来い!!おれ達の影〜!!!」


「帰って来いっ!!!」

「帰って来い!!!」

「帰って来いっ!!!」

「おれの影にも…一言あるぞ……!!」


ローラの熱意が子分達、被害者達にも伝わったのか影に隠れながらだがローラと同じように声を上げる。
そして、ルフィもモリアの中にあるであろう自分の影に声を上げた。


「お前っ!!海賊王になりてェんなら…!!しっかり……!おれについて来いィ!!!!!」

「ブオオオオ!!!!」

「うおおおお!!!!」


ルフィは渾身の力を込め、重い一撃をモリアの腹に向ける。
その衝撃にモリアは後ろのマストに叩きつけられ、ルフィは空気を出しながら飛んでいった。


「え!?」


そしてそのマストはルフィの一撃に耐え切れずモリアを下敷きにし、倒れた。


「えあ!麦わらァ〜〜っ!!!オエ……!てめェ…ハァ…ハァ…!!行ってみるがいい…!!本物の"悪夢"は『新世界』にある……!あァあああああ!!!!!」

「影が戻るぞ〜〜〜〜〜!!!!!」


マストに押さえられ耐え切れなくなったモリアは口から影を全て吐き出す。
それに喜ぶ被害者一同だったが中々影が戻らず朝日に体を消されていく。
それはゾロ達も同じでゾロ達は立ちながら体が消されていった。


「うわあああああああ!!!おいゾロォ!!!」

「ロビ〜ン!!」

「ダンジ〜〜〜〜!!!」

「体が消滅していく〜〜〜!!!」

「ルフィッ!!!!」


ルフィも例外ではなく倒れながら体が消えていく。


「何でよ!!勝ったじゃねェか!おい!!間に合わなかったのかァ〜〜!!?」


ナミ達は成す術もなく完全に消えていくのを見ているしかなかった…

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