(225 / 293) ラビットガール (225)

「はっはっはっは…!いやあ……生きてたな!見事に!」

「一瞬天に昇る気持ちだったわ」

「それもいいな〜!ロビンちゃんとなら一緒に天に昇りたいぜ〜〜!!」


消えていくゾロ達を見て焦っていたが、影が戻りその場に居た全員が体が元に戻っていた。


「笑い事か!!アホ共!!本気で死んだかと思ったわ!頭スッ飛んでたんだぞおめェら!!」

「「恐いものみた〜…」」

「ヒヤッとしたの、久しぶり」


暢気なゾロ達にウソップは激しく突っ込み、ナミ・チョッパーは青ざめて涙を流しアスカは冷静に呟いた。


「あっちもみんな無事みたいだ…!」


チョッパーの目の先にはゾロ達より数倍喜んで朝日を浴びる被害者達がいた。


「朝日を受けで存在゙が消えかけたけど間一髪 影が戻る事で実体は再生した…」

「モリアが影を変化させて実体の形を変えたのと同じ理屈だろう…理解できるのは影と体は同じ形をしてるって事だけだが…」

「安心しろもう一生 影が体から離れるなんて面白ェ事件は起きねェよ」

「とにかく誰も消えずに済んでよかった」

「あ〜…どっと疲れと眠気が襲って来たぜコーラねェのか……」

「この島に入ってからの奇妙な生物や出来事は全てモリアの見せた"幻夢"…あいつが倒れた今この島には何も残っちゃいねェ…!悪ィ夢から覚めた朝みてェにみんな消えちまった…まったく、タチの悪ィオバケ屋敷だった…!!」


ウソップもフランキーもみんなもやっと悪夢が終わったとホッとし、座り込む。
アスカはチョッパーに手当てしてもらっているルフィをジッと見つめ、離れなかった。
そんな2人を見てゾロは小さく呟いた。


「ルフィの奴…さっき縮んでなかったか?」

「"巨人"のギアを使うと使った時間の反動で縮むんだって…」


アスカの代わりにチョッパーが答え、ウソップは深刻な表情を浮かべる。


「ルフィの新しい戦闘法体に負担をかけすぎじゃねェか?この先の敵がもっと強力になるとしたらこいつずっと無茶を続ける事になるぞ…おれは心配だ……」

「………………」

「もし!!」


気まずい雰囲気の中、誰かがゾロ達に話しかけてきた。
その姿はゾンビのようでウソップは驚いてカブトを構える。


「うおー!!ゾンビ!!まだ影が出てねェ奴がいたのか!!?」

「イヤ、大ケガした年寄りじゃ」

「紛らわしいな!!もうゾンビでいいだろ!」


どこかで聞いた突込みをウソップがして、老人に気付いたサンジが声をかける。


「墓場で会ったおっさんじゃねェか」

「信じられん…太陽の下をまたこうして歩ける日が来るとは…ありがとう……どうお礼をすればよいか…!!」

「スポイルじいさん!!」

「被害者の会名誉会長!!」


老人の登場に太陽を喜んでいた被害者達は麦わら達の前に並んで座る。


「あんた達…!礼が遅れたわね!!」

「おれ達も心底感謝してるぜ!色々と妙なチョッカイ出してすまなかったな!!」

「おめェらの暴れっぷりを見て賭けるならこいつらだと勝手に希望をかけたんだ!」

「ありがとうあんた達!!スリラーバーク被害者の会一同…!この恩は決して忘れないわ!!!」

「「「ありがとうございました!!」」」

「お礼に私を嫁にあげる!!!」

「「「いらん」」」


これで4千445回の破談である。
お礼を言うローラたちにゾロは困ったように頭をかいた。


「礼を言われてもな…ルフィが言ったよなおっさんおれ達はこっちの都合で戦っただけで…お前らついでに助かっただけだ」

「何言ってんのよーっ!!せっかくお礼をしたいって人々にーーーーっ!!!!」


お礼をしたいという被害者達を断る気満々なゾロにナミが平手打ちをかます。
ゾロは勢いよく倒れてしまった。


「おう!そうだぜ兄ちゃん!何かさせてくれ〜〜!!」

「ついでだろうが何だろうがモリアに勝てた事に感謝してんだ!!」

「でしょー!?」

「お前…」


ナミの相変わらずな金の執念にウソップは何も言えなかった。
しかしナミはある事を思い出し、一瞬で青ざめる。


「そうだ私…!大変な事忘れてた……!!」

「何だ?」

「どうしたの?」

「それが!大変なの……!!!」

≪成程な…≫

「「「!!!」」」


男の声が響きみんな声をした方へ振り返るとそこには大きな体をもつクマ耳のような帽子を被った男と、その手には小さく見える電伝虫があった。


≪悪い予感が的中したといたわけか…≫

「そのようで……」

≪やっとクロコダイルの後任が決まった所だというのにまた一つ"七武海"に穴を空けるのはマズい…≫

「誰だありゃあ?」


ウソップの声にナミは怯えながら答える。
アスカは不審な男の登場にルフィを守るようにルフィの頭を抱きしめる。


「…落ちついて聞いてよ……!モリア達との戦いの最中で…言いそびれたんだけどこの島には…もう一人…!いたの……!!」

「?」

「"七武海"が……!!!」

「!!?」


ナミの言葉にその場に居た全員が目を丸くして驚愕する。


「な……!!」

「今…何て!?」

「あれが"七武海"!?」


驚く海賊たちをよそに男は話を続ける。


≪まだかすかにでも息はあるのか?≫

「さァ…」

≪生きてさえいれば…回復を待ち、ひとまず"七武海"の続投と願いたい所…措置についてはその後だ…そう次々落ちて貰ってば七武海゙の名が威厳を失う…この情報は世間に流すべきではない…全く困った奴らだ≫

「そうだわ!モリアにも劣らないあの巨体…"暴君"と呼ばれてたあの海賊…バーソロミュー・くま!!」

「あいつが!?"暴君"くま!!?」

≪私の言っている意味はわかるな?モリアの敗北に目撃者がいてはならない…世界政府より特命を下す…!麦わらの一味を含むその島に残る者達全員を抹殺せよ…≫

「た易い」


電伝虫から出た言葉に全員耳を疑う。


「え?今なんか聞こえたぞ……!?」

≪では報告を待っている…≫

「ま…抹殺って今……!!」


電伝虫を切り、くまは立ち上がる。
その存在感と威圧感に被害者達は怖気ついてしまう。


「うわ…わあああっ!!」

「おいおい 抹殺って……!おれ達を…!?何で!!?そりゃねェだろ……!!今やっとモリアの能力から解放されたのに!!!」

「そんな!"七武海"と連戦なんて…!!」

「お前ら下がってろ…おれがやる!!」


ゾロが刀を構える。
ナミは少ない情報をみんなに伝える為に声を上げた。


「気をつけて!!なにかの能力者よ!あいつが手で触れた人間が…!消える所を見た……!」

「「「消える!!?」」」

「そして本人は瞬間移動するわ!」


自分の情報をみんなに伝えるナミをよそにくまは冷静に手袋を外す。
すると瞬間移動するように姿を消し、ルフィ達ではなく、被害者の会の海賊達のど真ん中に現れた。


「え!?うわっ…!!」

「出たァ!!!」

「でけェっ!」

「いつの間に!?」

「くそっ!!やっと自由になれるのに!こんな所で死んでたまるかァ!!!やっちまえェ!!」

「やめなお前達!!相手が悪すぎる!」


ローラの止めも聞かず、被害者達は刀を抜きくまへ襲い掛かろうとした。
しかしくまは触れることなく何人かを吹き飛ばす。


「触れてねェ奴らまでっ!」

「何かが貫通した!!」


驚いていると再びくまは姿を消し、今度はゾロの背後に姿を現した。


「"海賊狩りのゾロ"」

「!!?」

「お前から始めようか……」

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