(230 / 293) ラビットガール (230)

ルフィ達はローラ達と別れ、次の目的地である魚人島へと向かうべく前に進む。
エースの事はルフィが『エースにはエースの冒険があるから』、と言われ、それにアスカも頷いたのでナミ達は何も言わず、眠っていたため仲間になったブルックの歓迎会を仕切りなおした。
そんなルフィ達とはよそにここ、聖地"マリージョア"では海軍本部の頂点に立つセンゴクがバーソロミュー・くまに怒りをぶつけていた。


「バーソロミュー・くま……!貴様の能力をもって逃げられただと!?もっとマシな言い訳をしろ!!上に報告するのは私だぞ!!」

「ぶわっはっはっはっは!!さすがはわしの孫!!」


センゴクがくまに怒っている傍でガープが大笑いし、センゴクの怒りがガープへと移った。


「黙っとれガープ!!!全員抹殺との政府の特命を受けながら"麦わらのルフィ"の首一つ持ち帰らんとはあるまじき醜態!!」

「的を射ている…」

「何をォ!?」

「安心せいセンゴク〜!ルフィはモリアを倒したくらいの事触れ回る様な小せェ男じゃないわい!」

「フン……!くま…貴様!負傷した海賊達に同情したわけじゃあるまいな!?お前が見逃そうとあの一味への追撃はもはや止まんぞ!奴らは今"ログ"を辿り自ら『海軍本部』へ近づいているのだ!!」

「だろうな……」


センゴクの言葉にくまは頷く。


「あ、そうじゃ!!わし新茶を持ってきたんじゃった!せんべい出せ!!」

「黙っとれガープ貴様ァア!!!」


センゴクの怒鳴り声を聞きながらくまはそっと退室する。


「あら、くまさんではありませんか」

「……黒蝶か…」


しばらく磨きかれた廊下を1人で歩いていると前方から美しい女性…ミコトが手を振って近づいてくる。


「ルー君達と会ったようですのね…どうでした?あの子達は…」

「…さすが"あの人"の息子だ……人を惹きつけ尚且つ纏めているのが似ているなと…」

「まぁ、そうでしょうね。認めたくはないけれどあの変態のお陰でもありますから……ところであの子には手を出さなかったでしょうね?」

「……多分な…」


くまの返事にミコトは綺麗な眉をひそめた。


「多分?」

「自分から向かってきたんだ…おれとて出来れば痛い思いはしたくはない……抵抗ぐらいさせてもらった」


ミコトはくまの言葉に仕方ない、と言うように溜息をつく。


「仕方ないですわね…あの子も海賊ですもの…」

「あとこれは別の話しだが…Drペガパンクをあまり怯えさせるな」

「あら、なぜ?」

「改造時間が長引いて帰りが伸びてしまうからだ」


はぁ、と重い溜息混じりに答えたくまにミコトはコロコロと笑うだけだった。
その後、軽い会話をして2人は別れる。







所変わり、ルフィ達は"偉大なる航海"を数日海を渡る。
雨の変わりに"飴"が降り、海ダヌキの襲来を受け、遊蛇海流を体験し数日後、"赤い土の大陸レッドライン"に着く。
ルフィ達は聳え立つレッドラインを見上げる。


「来た……とうとう来たんだここまで!」

「何だか"懐かしい"様な……感慨深いわね……」

「あの日は…ひどい嵐だったっけなァ」

「あれからちったァ成長したのかね…おれ達は」

「私!50年もかかりました…ヨホホホ!!」

「しししし!!とにかくこれで"半分"だ!ラブーンに会った双子岬は海の反対でこの壁とつながってる!!誰一人欠けずにここへ来れてよかった!」

「てっぺんが見えねェ……!!でっっっけ〜〜〜〜!!これが!"レッドライン"!!」


デカデカと広がるレッドラインにみんな圧倒されていた。


「何だか泣けてくらァ!色んな事あったなァ……!!」

「おれは物心つく前に"サウスブルー"からリヴァース・マウンテンを越えたらしいが…30年以上前の話か…」

「私は"ウエストブルー"から5年前…この海に入った…」

「私は……」


みんなそれぞれレッドラインを見上げ、感想を述べるもアスカだけは途中で口を閉ざす。
思い出したくない記憶がよぎりそうでアスカは考えるのを辞めた。


「世界をもう半周した場所でこの壁はもう一度見る事になる………その時はおれは海賊王だ!しししし!!」


ルフィの言葉に我に返りみんなと同じように顔を上げる。
その後、マリージョアが近いため警戒しながら船を進ませ、魚人島へ進むためにルフィ、ロビン、ブルックがシャークサブマーナージで海の中を探索する。


「どお?ロビン、ブルック、 ルフィ!」

≪だめね…真っ暗で≫

≪真っ暗だー!うひゃー!!おいおいアレ…今なんか光ったぞ!?≫

≪うわーっ!怪物の目玉では!?死ぬーっ!!…って私もう死んでました!ヨホホホホ!………あ、そうだナミさんアスカさん、今日はどんなパンツはいてるんですか?≫

「うっさい!!まじめにやれ!!!」

「あいつ度胸あるなー…」

「ね。」

「おいおめーら!シャークサブマージ3号の限界深度は5千メートルだ!気をつけろよ?」


ブルックの相変わらずなセクハラにウソップは感心しているとアスカも頷いた。
暫く何もないという事だったがブルックが言っていた怪物が迫ってきたのかルフィの楽しそうな声が響く。


≪食われる〜〜〜〜〜〜〜!!!ぎゃははは!!≫

「…おれシャークサブマージ乗りたくねェ…」

「おれも」

「ダメそうだなコリャ」


小心者同士のウソップとチョッパーが顔を青ざめる。
襲われかけているルフィ達をよそにフランキーは肩を落とす。
するとサンジがタルトを持ち、ナミとアスカに運ぶ。


「んナミさ〜〜ん!!アスカちゃ〜〜ん!!スリラーバークに生ってたホラー梨のタルトがおいしくできたよ〜!!」

「わー!おいしそう!!だけど困ったわ………」

「うん、美味しい」


サンジが持ってきたタルトを頬張りながら眉を潜める。
美味しくないと言う訳ではないが、魚人島へ行く道が分からない為である。
アスカはというと考える事もなくタルトを頬張っていた。


「また"空島"の時の行き詰まり再来だな」

「そうなの…進むべき方角はわかっても到達の手段がわからない…どうやって行くの?"魚人島"…」


首を傾げているとルフィ達が帰ってきたのだが海兎も一緒に連れて来てしまい海兎に襲われそうになるがウサギ(というか動物の)女王になりつつあるアスカの睨みとルフィの技によって回避されたが、海兎の中から2つの何かが出てきて船に落ちてくる。


「何か吐いたぞ」

「ん?魚?」

「きゃあああ!!」

「人!?…違う!!」

「まさか…」

「ま!まさか〜〜!!!」

「人魚?」


ルフィ達の目の前には中を舞う人魚の姿がはっきりと現れ、みんなが詰まらせていた言葉をアスカが呟く。
人魚はそのままサンジに落ち、サンジは目をハートにして受け止める。
一緒に降りてきたヒトデは無事着地するもアスカは人魚より立って喋った(ような気がした)ヒトデの方に目線を集中させていた。


「わーっ!人間の人潰しちゃったーー!!ごめんなさい!大丈夫!?」

「いやいやいいんだそんな事!それより君…」


サンジは憧れの人魚にデレッデレだたが、みんなそんなサンジに突っ込むことなく人魚が降ってきた事に驚き、人魚も人魚で大勢いる人間にルフィ達以上に驚いていた。



「消化されそうな所助けてくれてどうもありがとう!!!私海獣に食べられ易くって!かれこれもう20回目くらい!何かお礼をしなくっちゃ!そうだ!タコ焼き食べる!?」

「タコ焼き〜〜〜!!?大好物!!!」

「ホント!?じゃあ!お一人500ベリーになります!!」

「商売かい!!!」

「間違えちゃった〜〜〜〜!!!!!」


ルフィ達の驚きの声と人魚の声が拾い海に響いた。


「…ナニコレ」

「さぁ…とりあえず収まるまで待ちましょう」

「それが得策だね」


ただ、その光景をアスカとロビンだけがその騒ぎが収まるのを待っていた。
冷静に。

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