(249 / 293) ラビットガール (249)

ナミとルフィがアスカを挟み、ぎゃあぎゃあ騒ぎながらシャボンディ諸島を歩いていた。


「おいおいお前らそんな騒いでたら見つかっちまうぞ」


フランキーが呆れながらそう忠告したその時…ルフィ達の目の前に誰かが立ちふさがった。


「誰だお前っ!!」

「「「!!」」」


ルフィ達の前に現れたのは、以前スリラーバーグで自分たちを消しに来た七武海、バーソロミュー・くまだった。
バーソロミュー・くまはルフィ達を見下ろしており、唯一くまを知らないルフィは突然現れたくまを警戒心もなく見上げていた。


「さがれ!ルフィ!!そいつは七武海の一人だ!!!」

「『七武海』!?何で…みんな揃って知ってんだ!?」

「その攻撃絶対受けるな!衝撃波だ!!」


ルフィの問いも答える暇もなくくまは手袋を外し、ルフィ達へかざす。
くまの手からは衝撃波ではなく、光線が放たれルフィ達は間一髪交わすことに成功する。


「わっ!!」

「ぐお!」

「え…!?」


ルフィ以外は光線が出てきたことに目を丸くしていた。


「何コレ!」

「何だアレ!こんな事もできたのかあいつ!!」

「うォい!衝撃波てウソじゃん!!!」

「アレは……!」

「「ビームじゃーーーーん!!!!」」

「喜んでる場合かアホ共!!!」


ルフィとチョッパーが目を輝かせ喜び、それをウソップが突っ込みを入れる。
その3人をよそにまだくまの記憶が新しいアスカ達は冷や汗をかいていた。


「バーソロミュー・くま…!なぜまた!!」

「あの野郎…!」


特にまだ傷が完全に治っていないゾロはくまから受けた傷がズキズキと疼きだす。


「もしかしてスリラーバークで後で来たって言ってた奴か!?」

「ああ!コイツがそうだ!!あの時は手のひらの"肉球"から衝撃波を撃たれてえらい目に遭ったんだが…」

「あそこでおれ達を全滅させたつもりだったけど…生きてる事に気づいてまた来たんだきっと!!」

「…………」


チョッパーの言葉を聞きながらアスカは目の前の敵に拳を握る。
するとフランキーが手の銃を構えた。


「あんときゃよくもやってくれたな!!!」


"風来砲"でくまを吹き飛ばし、ルフィがギアを構える。


「強ェとわかってんだから…始めから全開だ!!!」

「やるしかねェな…!あん時はオーズ戦の直後だった体力がある今とは違う…!!」


全員やる気を見せる中、アスカは違和感を感じ、ゾロへ小声で声をかける。


「……ゾロ…」

「あ?」

「何か妙じゃない?」

「……ああ…おれも今そう思ってたところだ…あの時の奴と何か雰囲気が違う…気のせいか?」

「分からない…」


アスカはゾロに話しかけている間も、くまを睨みつけ目を離さない。
ゾロもアスカと同じことを気づいていたのか頷く。
何も言葉を発しないくまに違和感を覚える中、見た目がくま本人なためどう言ったらいいか分からないが何かが違う気がして仕方なかった。
そう警戒しているとくまが起き上がり光線を放ってくる。


「きたぞーーー!!!!」


光線を避けチリジリに逃げる中、主力であるルフィ・ゾロ・サンジ、そしてアスカがくまからの光線を避けながら仕掛けようと走る。
そして"羊肉JET六百煩悩攻城砲"で4人でくまを吹き飛ばした。


「やった!やっつけた!!」

「すげェな〜〜!あいつら〜〜〜!!」

「相手は"七武海"……そう簡単にはいかなそうよ…彼らの表情からすると…」


隠れていたロビンの言葉通り4人の表情は曇っていた。
アスカはくまを蹴った足を戻し、肩で息をしながら吹き飛んだ先を睨んでいた。


「ハァ…ハァ…そんなに違うのか…!じゃあいつ双子なんじゃねェか!?」

「それも考えられる……!」

「とにかく本物なら"瞬間移動"でもっと攻撃を避けるはず…何より"衝撃"も飛ばさねェし肉球もねェ……!」

「だがニセ者だと言うなら、それはそれで問題だ…こんなに強ェのが…二人もいるって事になる」


再び立ち上がったくまはルフィ達に光線を何度も向ける。


「…ウウ……!」

「ゾロ!」


避けていても怪我が悪化したのか倒れて傷口を押さえる。
ルフィはそんなに酷い怪我を負わされたのか、と困惑気味だった。


「おいゾロお前…!そんな動けねェ程やられたか……!!」

「んな奴放っとけ!ルフィ!アレを倒すのが先だ!」

「ああ…!」

「……………」


アスカもゾロを振り返るがサンジの言葉にルフィと同じくくまへ目線を戻す。
するとくまの横からチョッパーが駆け寄り"刻蹄・桜吹雪"をくまに食らわせ、くまはチョッパーの攻撃に体をミシミシと音をさせ、体が後ろに下がる。
しかし足に力を入れて吹き飛ぶのを防ぎ、チョッパーを掴む。


「!、うわっ!!」

「ストロングハンマー!!!」


掴んだ逆の手で光線を放とうとするもフランキーに邪魔され、フランキーに逸らされた光線はチョッパーではなく木に当たり、チョッパーには逃げられてしまう。
そのまま"フランキーBOXING"でくまを押していたが一発避けられ逆に顔に一発入れられて吹き飛んでしまう。
それをロビンが能力を使い、フランキーを受け止める。


「肉弾の戦闘能力も半端じゃねェ…!!!」

「ハイ!お気をつけて〜〜!!行きますよ〜〜〜〜!!!」


そのくまの強さに奥歯を噛み締めていると上からブルックが飛び降り、"飛燕ボンナバン"でくまの肩に刀を突き立てる。


「アレ〜〜〜!?止まっちゃいました〜〜!!!」


しかしくまは痛がる事無く突き立てられた刀をよそにブルックに顔をあげ、口を開ける。


「ちょっとちょっとそれヤバイですって〜〜〜!!!」


口から光線を出そうとするが抜けなくなり焦っているとアスカがブルックに駆け寄りブルックを蹴り飛ばし、次の瞬間ウソップが"必殺・アトラス彗星"をくまに放つ。
アスカの蹴りの勢いで刀がくまの肩から抜け、ブルックはずるずる体を押し付ける形でウソップの傍に飛ばされ救出される。
ブルックを蹴り飛ばした後アスカはくまの肩から飛び上がってウソップの攻撃の後そのまま落下し、頭にかかと落としを食らわしてウソップ達のところに下がる。


「ココココ恐かった!!お!お2人ともありがとうございます!!!」

「アレ!?あいつ…様子が変だぞ!!」


チョッパーの言葉に目をやるとくまの体がショートし始めていた。


「何だ…!?今更爆弾が効くのか…!!?」

「一発口の中に入った!譲ちゃんのかかと落としも相当だったはず!体の中の何かがショートしたんだ!!体は硬ェが肌から血も出るおれと同じ様に体中を兵器で改造しただけの…元は生身の人間なんだ!!!」

「!、ナミさん危ねェ!見つかったぞ!!」


くまの少し離れた場所にナミが走っていたがくまに気付かれてしまった。


「しまった!!」


気付かれ、口を開けて向けられる事に焦るが、ロビンが"八十輪咲き・四本樹・ショック"でくまの頭を思いっきり叩きナミに向けていた口を閉ざす。
すると放とうとした光線が殴られたことで口の中で爆発が起こった。


「やった!ビームが口の中で暴発したァ!!自爆しやがったァ!!」

「ハァ…ハァ…お兄さん休憩中悪いんだけど!そこ…!雷注意報ね!!!」


爆発にくまは口から黒い煙をモクモクとあげながら跪く。
すると続けてナミが"サンダーランス=テンポ"をくまに当てる。
くまはバチバチと音をさせながら手をあげ四方八方光線を放つ。


「おわァ!あんにゃろ暴走し始めた!!!」

「ヤケになったら勝負は終わりだ!」


サンジは暴走するくまへ足を赤くさせ駆け寄る。


「おい!」

「!」

「こっちへ飛ばせ……!!」


ボロボロなはずのゾロは手ぬぐいを頭に巻きつけ、構える。


「意地はりやがって…!"ディアブルジャンブ"!!!」


くまをゾロへ吹き飛ばすとゾロが"阿修羅・魔九閃"で斬り付け、頭上からルフィが"ゴムゴムのギガントライフル"でくまを押しつぶした。
ルフィは膨らませた腕が空気を抜かれるように空を飛びながらギアの副作用によって体を小さくさせる。
大きな音にさせて地面にめり込むようにルフィは落下し、息を荒くする。
サンジ達も同じく疲れたように座り込んだ。


「ハァ……ハァ…止まったよな…!あの野郎…」

「そりゃまあ…さすがに……」

「まだ動き出しそうで………不気味…」

「そしたらもうダメだ…おれはもう……くたくたで動けねェよ……戦うより逃げた方が…よかったのかな…」

「倒せる者は倒しておいた方がいいわ…どの道追われるんですもの…」


ロビンの言葉にアスカは座り込みながら頷く。
アスカも息を荒くして疲れていた。


「しかし…結局何だったんだコイツは……?」

「こいつが"改造人間"である以上…元はあのバーソロミュー・くまと同じ姿をした"人間"だって事だ…双子の兄弟か…もしくはスーパーそっくり人間を改造したと考えるのが一番自然だな……いくら何でも"人間"そのものは造れやしねェ…!」


サンジはゆっくりと立ち上がりくまに近づく。
するとくまの首下に『PX-4』と書かれており、首を傾げる。


「ハァ… ハァ…ちょっと…休もう…いきなり…こんな全力の戦闘になるとは…思わなかった……!」

「休みてェが…まず身を隠した方がいいな……今また見つかったらおれら一網打尽だぞ…」

「それもそうだ……でもあとほんのちょっと待ってくれ…」


まったくてめェらやってくれるぜ!!


「「「!!」」」

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