ひゅうう、と音をさせ上から何か落ちてきた。
「ほいさァ!!」
砂煙をたてながら現れたのは倒れているくまと同じ姿の男と、鉞を担いでいる男が立っていた。
男は倒れているくまを眉をひそめて見下ろしていた。
「オイオイ…何て無様な姿だ『PX-4』…!てめェら『パシフィスタ』を一人造る為に軍艦一隻分の費用を投入してんだぜ!!まったく!あのパンク野郎に何て報告すりゃいいんだよ…!!それでなくとも黒蝶での八つ当たりがこっちにきてんだぜ!?」
「うわァ〜!またいるぞ〜〜〜〜!七武海!!」
「も…もしかしてあれが本物か!?」
パシフィスタと呼んだくまに声をあげ、不機嫌そうにルフィ達を見渡す。
「本物だろうがニセ物だろうがもうあんなのと戦う体力残ってねェぞ!こっちは…!」
「今『パシフィスタ』と……!」
「さっき倒した奴の名前かしら…」
「『平和主義者』って…全然平和じゃないじゃん…というかこれ『七武海』じゃないの?」
「てめェは何者だ"鉞"ィ!!」
はぁ、と溜息をつき、アスカはゆっくりと立ち上がる。
フランキーに武器の名前で呼ばれ、男はフランキーを睨みつける。
「人を武器の名で呼びやがって…わいに質問しても無駄だ。お前達に教える事は何もねェよ!わいは世界一ガードの固い男…!!したがって口も固いんだ!」
「名前くらい名乗ったらどうだ!」
「何も答える筋合いはねェな…言った筈だ。わいは『世界一口の固い男』戦桃丸だ」
「せんとう丸だな……」
「あ…今のはわいが自発的に教えたんだぜ?てめェの質問には答えねェ!」
「そうか」
口が固いと言いながら戦桃丸は名前を応えてしまい、多少焦りを見せる。
「始めるぞ『PX-1』!」
戦桃丸の言葉に従いパシフィスタは前に出て『PX-4』と同じ様に手から光線を出す。
「あいつも掌にビームだ…!肉球じゃねェ……!考えたくねェが3人目ってわけだ!どうなってんだ!?」
「今はその謎より身の安全だ!もう一戦やりゃ必ず重傷者が出るぞ!『大将』に遭う前に…!!」
「ああ……ハァ…ハァ…ここは逃げよう!!一緒じゃダメだ!バラバラに逃げるぞ!!」
「逃げるの賛成!!」
ルフィの提案にルフィ、サンジ、ゾロは別れて逃げ、3人に他のメンバーがそれぞれ後に続く。
ルフィはロビンとチョッパーと、サンジはナミとフランキーと、ゾロはウソップとブルック。
アスカはゾロの傷を心配し、ゾロについていく。
「ゾロ君はおれを全力で守り抜きなざいね!?ね!?頼むよ!!」
「ウッ!ちょっと待て!!ウソップ!おれはもう相当…!」
「ご安心を!私がカバーします!」
「!」
あれを見ていないウソップは必死にゾロにしがみ付くがゾロはもう体力が底つきかけておりぐらつきながら走る。
それにブルックが横に着きボソッとスリラーバークの一件を見ていたとウソップに聞こえないように話す。
「………!…そうか…悪ィ!!」
「私もいるんだけど」
「!、アスカ…」
「瀕死の仲間を見捨てるほど非情じゃないし冷酷でもない。」
「悪ィ…」
アスカの言葉にゾロは疲労と痛みに耐えながら気を引き締める…
だが…
「ゾロ〜〜〜〜!!!!」
「ゾロ!」
突然光ったと思ったら爆発がおき、吹き飛ばされ体勢を立て直すとゾロが苦しそうに横たわり砂埃の中に何者かが立っていた。
「何だァ!何者だァてめェ!離れろ!!ゾロから離れろバカヤロー!!!」
「ゾゾゾゾロさ〜〜〜ん!ゾロさんがビームをくらったァ!!!」
「おいゾロ!!しっかりしろォ!!!」
「ったく…遅ェんだよ!やっと来たか、黄猿のオジキ…」
「!黄猿…!?気をつけて!!その男『海軍大将』よ!!!」
ロビンの言葉に驚愕し、振り返る。
「ええ〜〜〜っ!!?」
「大将!!?」
「………っ!!」
「もう手遅れだよォ〜…懸賞金1億2千万…"海賊狩りのゾロ"」
砂埃が晴れて現れたのは黄色い服を着て正義の上着を羽織る男が立ち上がれないゾロを無感情に見下ろしていた。
「一発KOとは…ずいぶん疲れが溜ってたんだねェ…ゆっくり休むといいよォ〜」
動かないゾロからと黄猿は能力者なのか足を光らせ、ゾロに向ける。
「ゾロ!!」
「おい!そいつもビームかよ!やべェぞ!何とかしろォ!!そんな距離でくらったら死ぬぞ!!!」
フランキーの言葉に我に返ったウソップ、ブルック、アスカが黄猿に攻撃をするもかするだけで当たらない。
「畜生!何でだ!?当たらねェ!!!その足をどけろォ〜〜!!!」
「刺さりもしません!ちょっと!どうしたら…」
「ムダだねェ…わっしは"ピカピカの実"の…『光人間』ロギアだからね」
「…!」
殴ったり蹴ったりしていたアスカは何かを思い出しその場から離れる。
その間にロビンが能力でゾロを横に移動させて逃がそうとしても光となって黄猿が姿勢をそのままにゾロの背中に乗りとめる。
「移動もさせない…ムダだよォ〜今死ぬよォ〜〜」
「ゾロ〜〜〜っ!!!!!」
ルフィが叫んだその時、黄猿の体にムチが巻きつきそのまま宙に投げられヤルキマン・マングローブに叩きつける。
「え…!?」
「なにが…なんで…!!?」
さっきまで攻撃が通じなかったのにヤルキマン・マングローブに叩きつけられた黄猿に唖然としていると、アスカがムチに変化させたシュラハテンを手に持って引っ張っていた。
「アスカ〜〜〜!!!!」
「なんでアスカは攻撃できたんだ!?」
「…そうだった!シュラハテンは海楼石を食べたって…空島の時もそれでエネルと戦ってたの…!!」
ナミが思い出したように言った言葉にルフィは唖然とするウソップとブルックに声をかけた。
「ウソップ!!ブルック!!今のうちにゾロを…」
「!、…あっ!!!」
「!!」
ゾロを安全の所に移動させようと声をかけたルフィだがアスカの声に目を移すとアスカが黄猿を叩きつけて出来た砂埃の中に引っ張られ姿を消すところだった。
砂埃はまだ晴れず外からは見えない。
「アスカ!!!!」
「待って!ルフィ!!」
ロビンの停止も聞かずルフィは砂埃に消えたアスカを助けに向かおうとするが戦桃丸に邪魔されて逆に吹っ飛ばされてしまう。
「くそっ!アスカ!!!アスカ!!返事をしろ!!!!」
「諦めるんだな!オジキに勝てる奴はいねェよ!!!」
倒れるルフィに戦桃丸は見下ろす。
その時砂埃からアスカが出てくる。
「アスカ!!」
「ハァ…ハァ……ッ」
ルフィの声も耳に入らずアスカは息を荒くし、横腹を押さえ着地したまま前を睨みつける。
その横腹を押さえた指の間から血が流れ、怪我を負った事を伺える。
「オー……痛いねェ〜…痛みを感じるのは久々だねェ…………まさかこんなヒヨッ子に怪我を負わされるとはね〜…ミコトちゃんの嫌味が聞こえてきそうだよォ…」
「ハァ…ハァ……くそ…!」
砂埃から歩いて出てきた黄猿と睨みあいながらアスカはシュラハテンを刀にし、立ち上がる。
キッと睨みつく少女を黄猿は相変わらずの無感情に見下ろしていた。
「懸賞金1億5000万…"冷酷ウサギのアスカ"……伊達に懸賞金が1億越えじゃないね〜…砂煙で見え難いとは言えわっしの攻撃をかわすとはねェ〜…心臓に当てるつもりだったんだけど…オ〜、避けられたねェ…」
「ハァ……ウサギなめんな…」
痛みに顔を引きつらせながらもニッと笑っと見せるアスカに黄猿は目を細め、そして…
「!!」
「だけどまだまだヒヨッ子だね〜…後ろがガラガラだよォ…」
「いッ…あああ!!!!!」
「アスカ!!!!」
一瞬にしてアスカの背後に移動しアスカの両足を指先から出した光線で貫いて跪かせる。
その後アスカの背を蹴りうつ伏せに倒しゾロの時と同じように足をあげ、光らせる。
「これで終わりだよ〜〜」
「アスカーーーーーーーっ!!!!!!」
「―――――ッ!!」
アスカはギュッと目を瞑り襲い掛かる衝撃に耐えようする。
そして黄猿が足を降ろすも…
「!!」
「え…」
黄猿の光線はアスカに当たらずヤルキマン・マングローブに当たった。
アスカが顔を上げると少し前に分かれたレイリーが足で黄猿の足を逸らしていた。
「……あんたの出る幕かい?"冥王"レイリー…」
「若い芽を摘むんじゃない…これから始まるのだよ!彼らの時代は……!!」
「おっさーーーん!!!!」
レイリーは黄猿に不敵な笑みを向ける。
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