(251 / 293) ラビットガール (251)

黄猿は邪魔してきたレイリーと足を庇って倒れているアスカを挟み睨み合う。


「あんたがこの島にいる事は度々耳にしてたけどねえ…本当だったんだね〜〜こんなヒヨッ子達のカタを持つなんて腐っても海賊ってわけなのかい…?レイリーさん」

「キミ達が手配書を破棄してくれるのなら私ものびやかに隠居できるんだがな」

「海賊の罪は消えんでしょう…ましてやロジャー海賊団………ただ あんたを捕らえるとなると……こちらとしても……色んな覚悟を決めにゃあいかんので…」


レイリーは黄猿の言葉に笑ってみせ、唖然とするルフィ達を見渡して倒れているアスカへと目をやり黄猿へ目線を戻す。


「彼らを見逃すわけにはいかんかねェ…黄猿君……」

「勘弁して下さいよ…このコ達をとっ捕まえねェと…我々『海軍本部』はマリージョアの"天竜人"達に顔が立たんのですよ邪魔ァせんでくれませんか……?」


シュラハテン!アスカを連れて逃げろ〜〜!!!!


「「!」」


ルフィは2人が話している隙にシュラハテンに声をかけ、シュラハテンは主の危機に蛇になりアスカを連れて素早く逃げる。


「全員!!逃げる事だけ考えろ!!今のおれ達じゃこいつらには勝てねェ!!!!」


シュラハテンがアスカを連れて逃げたのを確認したルフィは仲間にそう伝え、仲間達はそれに従って走り出した。
ゾロはウソップが運び、ゾロの刀はブルックが持っていく。


「潔し…!腹が立つねェ〜」


黄猿はルフィの判断に静かに呟いた。


「フランキー!!」

「全コーラ使い果たすぞ…!!こいつが最後の攻撃!!!"風来砲"!」


逃げる前にとフランキーはパシフィスタを吹き飛ばしてからサンジとナミと逃げる。


「おっさんありがとう!!!」

「うむ!無事を祈る!」


ルフィがレイリーにお礼を述べレイリーがルフィに手をあげていると黄猿が手を前にやり、"八咫鏡"一味の中で一番の瀕死であるゾロへと光りの道を作る。
その光りの道を通ろうとしたその時、レイリーの剣に止められてしまった。


「おっとっとっ…!」

「キミは行かせん……!剣など久しぶりだ…」

「"あまのむらくも"」


黄猿も能力を使い光りの剣を出し、レイリーを斬りかかろうとするも止められ、押し押される。


「フー…困ったねェ〜〜軽い気持ちでこの島に来たのにねェ…」

「戸惑いこそが人生だよ黄猿君……!」


2人はまだ余裕がありそうだったがルフィ達は逃げるのに精一杯だった。
アスカは足をやられシュラハテンに乗ってみんなとはバラバラに1人で逃げていた。


「どうやら本物の"冥王"らしいな…オジキが止められるトコなんて初めて見たぜ!…だが億越えの"ロロノア"を今一歩で…『PX-1』!ロロノアが虫の息だ!!そっちから行け!!!」


戦桃丸の命令にパシフィスタはゾロ達へと方向を変える。


「しまった!ウソップ達が狙われた!!フランキー!ナミさんを頼む!先に行ってくれ!!」

「サンジ君!!?」

「気ィつけろよ!こっちは大丈夫だ!!」


それに気付いたサンジがナミをフランキーに任せパシフィスタへ走り出す。
そして戦桃丸の言葉に焦りを強くして力の限り走り出しているウソップに気が付いたゾロが弱弱しい声で呟く。


「おろせ……!」

「は!?」

「お前らを逃がす……!!」

「バカ言うな!今のお前なんかおれより役に立たねェよ!!一緒に逃げるんだ!ルフィがそう判断したんだ!!!」

「ギャー!来たァ!!!」


ゾロの重傷さにウソップは決して降ろす事はしなかったが、いつの間にかパシフィスタに距離を詰められていた。
ブルックは咄嗟にウソップの前に出て仕込み刀を抜く。


「どうぞお先にっ!!!」

「ブルックよせ!そいつの強さは充分知ってんだろ!!!」

「男には!やらねばならない時があるっ!!」


止めるウソップをよそにブルックは刀を構えるが瞬殺である。


「ブルック〜〜〜!!!」

「オゲ〜ッ!骨折り損でした!!」


倒れたブルックをそのままにパシフィスタはウソップとゾロを追いかける。


「うわ!!!」

「止まれェ!!クソ野郎がァ!!!!」


段々と距離が縮まっていくその時、サンジがパシフィスタを蹴り倒した。


「サンジ!!!」

「ウア……!」


サンジは痛む足に上手く着地できず転がる。
その隙に片手を地面に付きながらパシフィスタはサンジに狙いを定める。


「逃げろサンジ!狙ってるぞ!!」

「バカ!さっさと行け!!」


サンジが声を上げた瞬間、爆発音が当たりに響き渡った。


「サンジ!ウソップ!ゾロ!ブルック!!!」


アスカはシュラハテンの上でサンジ達の名を呼び、シュラハテンに向かうように言うもシュラハテンは命令を聞かずそのまま走り続ける。


「ヤベェなあっち……!」

「仲間に気を遣う余裕なんてねェ筈だぜ!」

「!」

「鉞の出番もねェ……"アシガラドッコイ"」


サンジ達の方に気を言っていたルフィは追いついた戦桃丸に気付かず吹き飛ばされ瓦礫に叩きつけられてしまう。


「ルフィ!!何であいつの打撃ゴムのルフィに効くんだ!!?くそォーーーっ!!!」

「サンジーーー!!!」

「!?」


ウソップの叫び声にチョッパーはウソップ達の方を向くとサンジが光線に貫かれ倒れ、ゾロを担いで逃げるウソップ達も光線で倒れる姿が目に映る。
そんな光景を見てチョッパーは我慢できず戦桃丸へ走り出す。


「くそォ!!みんなやられる……!!」

「だめよチョッパー!!」

「やめろよお前ら〜〜!!」


ランブルボールを使ったチョッパーはエニエス・ロビーで姿を変えたように暴走し、敵味方関係なく目の前の人物を襲い始める。


「……話には聞いてたけど…」


ナミ達に聞いていたロビンは突然暴走し、巨大化したチョッパーに唖然としているとチョッパーは戦桃丸に襲い掛かり、とばっちりにルフィが瓦礫に巻き込まれるのを見て急いで救い出す。


「チョッパーのやつ…!またアレを…!!サンジ!ブルック!立て!!ここを離れるんだ早く!!またビーム来るぞ!!!」


倒れている二人を必死に起こそうとしているウソップだが、2人はピクリとも動かない。
するとゆっくりとパシフィスタが手を上げる。


「!!!」

「待て……『PX-1』」


ウソップは次の衝撃に目を瞑ろうとしたその時、あの時と同じ静かな声がウソップの耳に届いた。


「え!?え〜〜〜!!!また出たァ〜〜〜っ!どうなってんだよ!!もうイヤだ〜〜〜!何人いるんだよ一体 コイツら!!」


目の前には本を持った本物が現れゾロはガタガタの体を無理に起こし、くまを睨みつける。
くまは目の前にいるゾロを手袋を外しながら相変わらずな無感情な目で見下ろす。


「生きていたのか…ロロノア…」

「お前の…慈悲のお陰でな…」

「おい!喋ってる場合じゃねェよ!早く!!」

「旅行するなら…」

「!」

「どこへ行きたい……?」

「逃げ…」


逃げるよう言っても動かないゾロはくまが触れた瞬間、突然姿を消した。


「え…」

「…あれ!?ゾロ!!?ゾロ!!!!」


返事は返ってこなかった。

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