(256 / 293) ラビットガール (256)

「……!おい見ろ!大変だ!!レベル2の囚人達が檻から出てる!どうやって鍵を!!?」

「これも"麦わら"達の仕業か!?看守達が危ないぞ!!!」


モニター室に写るのは落ちていった後、様子を見に行った看守達に忍び寄る囚人達の影…
看守達もそれに気付き、振り返るが囚人達はすぐそこまで来ていた。


「キャプテン・バギーに"敬意"と"感謝"を!」

「おれ達の救世主!!」

「こちらレベル2!!至急救援を頼む!囚人達が暴れ出したァ〜〜〜!!!!!」


囚人達は4人の看守達に一気に襲い掛かり今までの鬱憤を晴らすように暴れまわる。


「ブルゴリをレベル2へ回せ!!!」

「おい!わかったぞ!"麦わらのルフィ"と"冷酷ウサギのアスカ"の目的が!!」


レベル2へブルゴリを回すよう命令を言い渡すと慌てたような看守が入ってくる。


「わかった!?どうやって…」

「『海軍本部』のセンゴク元帥が間違いないと……!!」

「!!」

「侵入者モンキー・D・ルフィと冷酷ウサギのアスカは現在厳重収容中の死刑囚ポートガス・D・エース!この三人が兄弟だとわかった!!!」

「じゃあ『公開処刑』前に"火拳のエース"を救出する事が奴の目的か!!」

「ああ!間違いない……!!」


同僚の頷きを見て看守は落ちていくルフィとアスカの写るモニターへ目をやる。


「道理で地獄へ地獄へと降りていくわけだ…!」

「"白ひげ"の襲撃に気を取られていた…万に一つもこれを成就されれば事態はひっくり返るぞ…!!早くマゼラン署長に伝えろ!!レベル2の暴動を鎮めろ!」







レベル3へ落ちてたルフィ達はジリジリと襲う暑さにすでに汗だくになっていた。


「あち〜!」

「熱ちちっ!!床がフライパンみてェだ!暑ィな…やけに静かだ……!」

「レベル3…何て所へ来ちまったんだ……!麦わら!ウサギ!!てめェらまたしても道連れにしやがって!!」

「私達を囮にして逃げ出そうとしてた人が何を言うの。」

「あ、ライオンのびてら…」


ルフィとアスカと一緒に落ちて言ったスフィンクスはタンコブを作って気絶していた。
ろうそく人間のMr.3は4人の中で1番暑さに弱く、体が溶けていく。
すると突然鳥が焼き鳥になって瓦礫に刺さる。


「うわっ!焼き鳥が降って来た!!」

「んなバカな…」

「上の階のハチ鳥が迷い込んで上空で焼けたのだ…」

「暑すぎだろ!!」

「檻の中を見るガネ」


Mr.3の指差す檻の中を見るとどの檻の中もルフィ達を気にする余裕もなく、座り込んでジッとしていた。
体は痩せこけ、干からびる寸前である。


「もはや見る影もないが…このレベル3にいるのは………一人一人がかつて懸賞金5千万以上をかけられた程の屈強な犯罪者達この下のフロア『焦熱地獄』から立ち上る熱と水も食糧もほぼ与えられない責め苦で半死半生状態にある囚人達がこいつらだガネ…ここはレベル3"飢餓地獄"!ぐずぐずしてたら我々も…あっという間に干からびてしまうガネ…!!!まだ暑くて汗が出る内に…ここを抜けなくては………!!」

「じゃ急いでレベル4に行こう!!」

「「行くか!!!」」

「あ!ルフィ!!ちゃんと中取った!?」


見せしめのように磔にされている人骨を見上げながら3人はMr.3の説明を聞いていた。
ルフィが落ちてきた鳥をむしゃむしゃと食べ、それを見たアスカが中を取ったと聞くがお腹が減っているのかルフィから焼き鳥を貰って頬張っている。


「案内しろよ〜〜!お前ら一緒にエース助けようって言ったじゃねェか!!」

「言ってないガネ!ぜんぜん!!」

「てめー何幸せな方に記憶を変換してんだよっ!!」

「そうだっけ?じゃいいよ、おれとアスカで…」


膨れながら先へ進もうとしたルフィだったが地面が突然盛り上がっていき、突然網に捕らわれてしまった。


「おわああ〜っ!!!」

「何だ何だ!?」

「あっつい!!」

「しまったァ〜〜〜〜〜!!罠だ!もう手が回ってたんだ!!!」


ルフィは噛み千切ろうとするがその網はビクともしない。


「…!鉄の網だ…!!」

「チキショ〜〜〜!当然海楼石入りか…!!」

「力が…っ!」

「脱獄しようとした分ヒドイ拷問が待っているガネ…もうダメだ…」


海楼石が人一倍弱いアスカは他の3人より元気がなく、グテーッとしていた。
すると続々と獄卒達とブルゴリが集まってくる。


≪侵入者、麦わらのルフィと冷酷ウサギのアスカとその他二名、捕獲しました≫

「その他っつったかクラァ!!!」

「やめたまえバギ−君…これ以上の抵抗は…!もう終わったのだガネ…」

「くっそー!この網開けーーー!!」

「だるい…」

「海楼石の手錠をかけておけ!」

「了解」


バギーとMr.3は獄卒達に気付き逃げ出そうと暴れ、ルフィは一心不乱に鉄の網を噛み切ろうと必死に歯をたて、アスカは海楼石に弱いせいでぐったりとしていた。


「くんにゃろ!くんにゃろ!!…ん?何だお前!!」

「私は…サルデス!」

「へー…そうなのか、そうは見えねェけど」

「違う!!今お前は勘違いをしている!私は……サルデス!!」

「へー…そうなのか」

「違う!観念しろ!!抵抗などムダな事…こんな閉ざされた海底監獄で逃げ場など始めからねェのだ!おれに捕まってよかったじゃねェかよ…なぜならここ以下のフロアには4人の『獄卒獣』達が徘徊しているからだ…!」

「……確かに…アレと『監獄署長』だけには出くわしたくねェ…」


小さい牢番長の名前を勘違いしてるルフィに突っ込みつつ、サルデスはルフィ達を捕まえようと獄卒達に指示を出すのだが、一緒に捕まっていたスフィンクスが起きてしまう。


「あ!牢番長っ!!」

「ヴォロロォ〜〜〜〜〜〜ォォォ!!カタヤキソバ!!!!」

「ぐぇ〜〜!!」

「い、痛い!!暴れないでっ!!」


目を覚ましたスフィンクスは網を破ろうと必死にもがくが下に居る4人は押しつぶされそうになる。


「スフィンクスが目覚めた!!」

「まずい…!網が破れるぞあの4人……特に"麦わら"と"冷酷ウサギ"は絶対に逃がすな!!」


スフィンクスが暴れたお陰で網は切れ、4人は脱出することに成功する。


「よかった〜〜〜!逃げられるぞ!!アスカ!大丈夫か!?」

「っなん、とか……!!」


無事着地したルフィは落ちてきたスフィンクスに巻き込まれる獄卒達の悲鳴を聞きながらアスカを探す。
アスカはルフィに少し足元をよろけさせながらだが駆け寄る。


「捕らえろォ!!!!」


ブルゴリの大群がルフィとアスカに襲い掛かりルフィは"ガトリング"、アスカは"下僕ウサギ"でなぎ倒し、ついでと言わんばかりに後ろにいた獄卒達も吹き飛ばす。


「ハァ… ハァ………!あれ!?あいつらは…!!」

「あそこ」

「急げMr.3!!」

「あ…暑さで体が…!」


バギーとMr.3が居ない事に気付いたルフィは周りを見渡し、アスカが指差す方へ顔を向けると網がぶら下がる木の上に避難していた。


「あ!網よじ登ってあんなトコに…!!」

「ギャ〜〜ッハッハッハ!!麦わらァ!ウサギィ!!エースに会ったらよろしくな!命あったらまた飲もうぜってよ!!」

「フハハハ!せいぜいイイ囮になってくれたまえ!!バ〜〜〜カ!」

「面白いぐらい卑怯な人たちだな…」

「せっかく会ったけど……おう!またな!!ここまで送ってくれてありがとう!!」


2人の素早さにアスカは呆れを通り越して感心していた。
ルフィの言葉は2人の胸に容赦なく刺さる。


「グッサ〜〜!前向きィ〜〜〜!!!」

「イタイ…!胸が痛い!」


上を向いて隙だらけの2人にサルデスは獄卒達に指示を出す。


「油断するな!仮にも3億と1億の賞金首!!」

「お前ら全員と戦う時間はねェぞ!!」


しかしルフィとアスカはすぐ気付き獄卒達を返り討ちにしていく。


「ヴォルルルルルルルァ!!!!」

「スフィンクス!!」

「しまった!コイツもいた!!行くぞアスカ!」

「うん!!」


暴れるスフィンクスを相手する暇もなく、ルフィはアスカを先に行かせてブルゴリの腕を掴み追ってくる獄卒達へ投げ込んだ。
投げられてきたブルゴリを避けきれず獄卒達は倒れ、ルフィは先に行ったアスカを追い、二人で下に降りる階段を探す。







一方、バギーとMr.3は何とか身を隠しやり過ごす事に成功していた。
しかし暑さと疲れでその場に座り込んでしまう。


「ハァハァ…あ…暑い…!こ…ここまで来りゃいいだろ…うまく麦わらとウサギを追っかけてくれた!!」

「上へ行く階段も塞がれている…!居続けるのもすでに拷問だガネ…」


さっさと上へ向かおうと重い腰を動かそうとするが、その時聞き覚えのあり、聞きたくもない声がMr.3とバギーの耳に届く。


「アン ドゥ クラァ〜!!」

「ん?何だこの歌声…」

「アン ドゥ オラァ〜!!」

「………………」


Mr.3はその声に声を失った。


「アン ドゥ クラァ〜!アン ドゥ オンドリャア〜!!所詮〜〜〜ん この世は〜〜男と〜女〜!!しかし〜〜〜オカマは〜〜男で〜女〜!だ〜〜か〜〜ら〜〜〜!最強!!」

「最強」

「最強!」

「最強」

「オッカァマ〜〜ウェ〜〜イ!あー最強!」

「最強」

「最強!!」

「最強」

「んヲォ〜〜カマ〜〜ウェ〜〜イィ〜〜!上出来よう!!回る回る回るあちしは目まぐるしい時代のごとしっ!!んがっはっはっはっはっはっはっはっ!!!アンタ達ヘバってんじゃないわよーう!ナニよう!このくらいの暑さ!!暑苦しさならあちし!敗けない!!」


2人はその歌が聞こえる檻へ向かうと1人、ただ1人だけこの暑さにバテずクルクルウザイほど回っている男……いや、オカマがいた。
オカマと一緒の檻にいる男達も回っていたが既に元気がなく全員その場に倒れる。


「……………」

「あらっ!Mr.3じゃないの!!んがっはっはっはっはーーーっ!!」

「やはりキサマか…!」

「フンフンフフーン!んなぬ!!?Mr.3ィ〜〜〜!!?チョットチョット!アンタ何でそこにいんのよーーう!!捕まったの!?いえいえ!捕まってんのはあちしですがな〜〜!!あちしびっくらコキ過ぎて二度見!!オカマ憲法"あの秋の夜の夢の二度見"!!」

「………やめよう…コイツを檻から出すのは…」

「オイ…何だこの珍獣は………!」


元同僚のおと…オカマの元気さにMr.3はゲンナリし、バギーは珍獣を見るような目でオカマを見ていた。

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