(257 / 293) ラビットガール (257)

バギーとMr.3がオカマと遭遇している頃、ルフィとアスカは何故か階段を上がっていた。


「ハァ!ハァ…!あれ!?いつの間にか登ってるぞ!降りてェのに…!暑い…暑い…ハァ…ハァ…ハラへった!」

「私もお腹すいたー!」


何日もろくなものを食べていないアスカはさきほど食べた鳥では少なく、珍しくルフィと同じくお腹を鳴らしていた。
すると目の前に看守達が現れ2人に向かって銃を撃つ。
それを咄嗟に避けると後ろで小さな、しかし人を捕まえるのには十分な網が開く。


「危ねェ!ハァ…ハァ!また海楼石の網だな!!」


絶えず撃ってくる網を避けているとスフィンクスがルフィとアスカを手で押さえつける。
2人はスフィンクスの手の下でもがくが力はスフィンクスの方が上なのかビクともしない。


「ヴォルルル!!」

「うわあ〜〜〜〜〜!!!」

「待てライオン〜〜!!」


食べられそうになったその時聞き覚えのある声に2人は耳を疑う。
顔を上げると離れ離れになっていたゾロが囚人服を着て変なポーズをしていた。


「助けに来たぜ!!」

「えェ!?ゾロ〜〜!!?」

「ゾロ!!」

「なーーーんつって!"白鳥アラベスク"!!!!!」


ゾロの登場にルフィもアスカも大喜びするが、ゾロはスフィンクスを蹴り飛ばす。


「んがーーーーっはっはっはっはっは〜〜!!!」

「あれ…?」

「がっはっはっ!!」

「ゾロじゃねェな………」


くるくると空中を回るゾロ…もとい、オカマに2人は目を丸くする。


「おシサシブリねいっ!麦ちゃん!ウサギちゃん!!あちしよ〜〜〜〜〜う!!!!」

「ボンちゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!ゾロじゃなくってすげーガッカリしたけども!!おめー生きてたのかァ〜!!!」

「暑苦しいの来た…誰だ解放したの……」


そのオカマはアラバスタで身代わりになってくれたMr.2ボン・クレーだった。
ルフィはゾロではなかったにしろボン・クレーの登場と再会に喜び、アスカは顔を嫌そうに見せた。


「どけェ!!おどれら!おちしのダチにナニさらしてケツかるんじゃボケェ!!!」

「ぐあ!」

「ヴォルルル…!」

「そうだスフィンクス!反撃しろォ!!」


ボン・クレーは獄卒達を蹴り飛ばし、復活したスフィンクスはサルデスの命令にルフィ達へ向かっていく。
しかし…


「よし!こんくらい殴っときゃもう向かって来ねェだろ!!」

「野生は力でねじ伏せるのがイッチバンよね〜い!んがっはっはっはっ!!」

「最初からこうすればよかった…」

「ヤキソバパン…」

「スフィンクスーーーーーーー!!!!また新たな脱獄囚……!こいつら階を降りるごとに味方を増やしてるんじゃねェか!!?」


スフィンクスは3人に秒殺され、ノックダウンする。
ルフィとボン・クレーは再会を噛み締め、抱きしめあう。


「おいボンちゃ〜ん!あの時死んじまったのかと思ったよ!おれ達の身代わりになってよォ〜〜〜!!!」

「んがっはっはっはっはっ!ジョ〜〜ダンじゃなーーいわよーーう!!オカマは死なないのよ〜〜〜う!え!?それ本当!!?」

「ハイハイ、2人ともはやく構えて。」

「ブルゴリ共!あいつら絶対に逃がすんじゃねェ!!!」

「ウホ!」


サルデスがブルゴリを向かわせるがそれでも2人は再会を噛み締め、アスカに言われてやっと構える。


「時に麦ちゃん!ウサギちゃん!アンタ達レベル5まで行く気なんですって!?」

「そうなんだ!行き方教えてくんねェかな?」

「ほんじゃ!一緒に行きましょう!!あちしもレベル5に会いたい人がいんのよね〜い!!」

「ホントか〜〜〜!!?」

「えー…」


心強い味方を得てルフィは喜ぶ一方アスカは眉をひそめる。
アスカもボン・クレーの強さを認めているものの、テンションについていけないのだ。
それでも運命は残酷なものでボン・クレーはエース救出隊の仲間入りする。







ルフィ達は新たに仲間になったボン・クレーと共にブルゴリを吹き飛ばしながらレベル4へ向かおうとしていた時、突然現れた牛?の素早い攻撃に目を丸くしていた。


「何だ!こいつはァ〜〜!!すげェ動きしたぞ!!」

「ミノタウロスよう!血も涙もない獄卒獣!!人をゴミの様に扱う化け物!」

「化け物か!?能力者か!?」


ミノタウロスは素早い動きで一瞬にして持っていたトゲの付いた金棒をボン・クレーに撃ちつけ、吹き飛ばした。


「えェ!?ボンちゃん!!?」

「………っ!!」


アスカも目で追えないほどの早さに驚愕していたら微かな風を切る音に咄嗟に出来るだけ地面にしゃがみ込む。


「アスカ!!」


目の前にはミノタウロスがおり、しゃがみ込まなければミノタウロスの金棒に当たってボン・クレーの二の舞だっただろう。
しかし休んでる暇もなくミノタウロスは金棒をしゃがむアスカへ振り下ろそうとし、アスカは素早く後ろに下がり再び難を逃れる。


「いけ!!!」

「「「キューーー!!」」」


後ろに避けたアスカは素早くウサギ達をミノタウロスの体に張り付かせるが、ウサギ達には目もくれずミノタウロスはウサギをつけたままアスカへ突進してくる。


「"ラビット爆弾"!!」


バチンとアスカが指を鳴らすとミノタウロスに張り付いていたウサギ達が一斉に爆発させる。


「ウサギが爆破したーーー!!!?」

「やったか!?」

「ルフィ!避けて!!!」


ウサギが爆破した事にボン・クレーは驚きを隠せずにいたが、ルフィは慣れっこな為ミノタウロスを倒せたのか気になっていた。
しかしアスカの言葉にルフィは咄嗟に横に避けるとさっきまでいた場所に金棒がめり込んでいた。


「ラビット爆弾でも掠り傷しかつかないなんて…!!」

「あ!!」


倒れる事無く煙からルフィを狙って金棒を振り下ろしたミノタウロスは血は流れているにしろ軽傷で倒すまでには至っていなかった。
ラビット爆弾は普通の爆弾より威力がでかいはずなのに、とアスカが眉をひそめているとボン・クレーが声を上げた。
我に返りミノタウロスに目線を戻すとルフィがミノタウロスの続けざまの攻撃に吹き飛んでいた。


「ルフィ!!」

「ぐあァ〜〜!!!」

「麦ちゃん危ない!"お控え・ナ・フェッテ"!!!」


血を流してもがくルフィにミノタウロスが再び金棒を振り下ろそうと腕を上げるがボン・クレーの蹴りに檻に叩きつけられる。


「ウゲァ……!」


しかしミノタウロスはすぐボン・クレーの首を掴み、力を入れる。


「シ…シヌ…オエ!」

「オカマ!!」


苦しむボン・クレーに救出されたルフィは"ジェットバズーカ"でミノタウロスを階段の上へ吹き飛ばす。


「大丈夫かボンちゃん……!!」

「ゲホゲホ!ハァ…オエ!シ……シヌトコだったわ………目の前に…オカマ畑が見えた!アンタやっぱ強いわねーい!はふーーーあの化け物……たぶん生きてるけど相当効いてるわよ…!!んもーーサイアク〜〜〜〜!!メイクが台無しっ!!コスメコスメ!コスメが欲しいっ!!あとトゥーシューズと服と武器と酒と泪とオカマウェイ!」

「早く下に行きてェ…のど渇いたし腹へった」

「私も…」


ボン・クレーの話を無視し、二人はお腹を抑える。
無視された事なんて気にしないボン・クレーは回りながら応える。


「慌てる事ナッスィング!麦ちゃん!ウサギちゃん!このレベル3から4へ降りるのはゲロゲロ簡単なのよ実は!」

「えー!ホントかよー!」

「そーよ!ゲロゲロよ!そこのぶ厚い壁登ってゴランなさい!」

「いや、ムリだよ!この壁!鉄釜みてェに熱くてさわれねェ!!」

「いいとこついてるわね麦ちゃん…!!」


言われたとおり登ろうとするも壁は熱くて触れなかった。
しかしなんとか3人は上へ登り詰めるとそこからは先ほど以上の熱が3人を襲う。


「熱ち熱ちっ!」

「飢餓地獄より熱い…!」

「ほら!下をゴラン」

「………!何だよコリャ!!すげェ熱風と煙!ここ立ってられねェ!」


下を指差し、2人は覗き込むと熱すぎて後ろに下がる。


「でしょう!しかし!この下がまさにあんたが行きたいレベル4『焦熱地獄』!!」

「この階で暑いって言ってるレベルじゃねェな…この下は…ウ…!」

「麦ちゃんの言う通りレベル4は…まさに巨大な"鉄釜"なのよ!!降りればそこには煮えたぎる血の池と燃え盛る火の海………!!ここから飛び降りても構わないけど……着地地点を間違えれば火傷じゃ済まない!この先は進むだけで命懸けよ!!」


ボン・クレーの話しに2人は息を飲む。
するとルフィが何かに気付き、ボン・クレーに顔を向ける。


「お前会いたい奴がいるって言ってたな…命懸けても会いてェのってどんな奴だ?」

「"奇跡の人"と人は呼ぶわ…!謂れのない罪で捕らえられた………通称『イワさん』!"グランドライン"桃色の楽園カマバッカ王国の女王!!世界中のオカマ達が憧れる!史上最強のオカマ王!!あちし!一目会いたい!あわよくば!お助けしたい!!」


そう力説するボン・クレーの話を聞いていると遠くから叫び声が聞こえる。


「「あああああああああ〜〜!!!!」」

「んギャーーー!ちょっとう!!何いい感じでコイツまた連れて来てんのよーーーーう!!アンタ達脱獄するって言ってたじゃないのよーう!!」


目線の先にはさっき吹き飛ばしたはずのミノタウロスに追いかけられているバギーとMr.3が走ってこっちに向かってきていた。
ルフィ達も2人と合流し、ミノタウロスに追いかけられてしまう。


「やっぱ一緒に行きてェのか!」

「地獄へ行きてェわきゃねェだろォが!!隠れてたら空から飛んで来やがったのよ!コイツがァ!」

「モ…… ヤダガネ………!捕まってた方がよかったガネ…!!」

「化け物め…!ミノタウロス…こりゃ命にかかわる!!こうなったら取って置きをみせたらァ…!!オゥ麦わら!かつておれが町を吹き飛ばして見せた"特製バギー玉"を覚えてんだろォ!!」

「いや?」


バギーは覚えてないというルフィに悲しげに目を伏せた。


「……そういう"バギー玉"っていう強力なデカイ砲弾があってな…まあ…おれの名物的なやつなんだが………」

「自分の名をつける所をみると余程自信のある武器なんだな!"バギー玉"とは…」


落ち込んでいたバギーだったがMr.3の言葉に一気に復活する。


「その通り!その威力を保ち体に仕込める程小さく改良したのがおれの新兵器"マギー玉"!!」

「名前変わっとるガネ!!」

「とにかく食らえ!!」


バギーは足の先をミノタウロスに向け、その先から小さな砲弾を撃つ。
小さい砲弾はミノタウロスに当たり見た目とは裏腹の威力にルフィ達は目を丸くした。


「うお!すげェ!!」

「……ケホ!…」

「やるじゃなーい!」


しかしミノタウロスは再び立ち上がる。
立ち上がるが、よろけていて十分砲弾が聞いていた。


「まだ意識あんのかよっ!!」

「コリャいけるわ麦ちゃん!」


ボン・クレーが弱っているミノタウロスを見て飛び上がり、ルフィはMr.3へ声をかける。


「おい3!お前のドルドル、ホント使えねェのか!?」

「3秒もすれば溶けてしまうぞ!」

「じゃ3秒使えるな!?」


ボン・クレーは"オカマケンポー『あの冬の空のメモワ−ル』"で頭を蹴りつける。
隙だらけのミノタウロスにルフィは手にロウソクをつけてもらい、ミノタウロスに重い一撃を食らわす。


「「「やったァ〜〜〜〜!!地獄の化け物討ち取ったァ〜〜〜!!!」」」

「よーーし!この調子で行くぞレベル4!!」

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