その後、アスカとボン・クレーの2人はステージのある部屋へ戻る。
目の前には監獄だと思えないほど豪華な食べ物や飲み物が置いてあり、思わず目を疑ってしまうほどこの場の空気は他らの監獄とは違った。
「つまりヴァターシは"ホルホルの実"を食べた『ホルモン自在人間』というわけ。性別・体温・色素・成長・テンション!人間を内部から改造する事ができる!!人体のエンジニアよ!ヴァナタもそもそも"ニューカマー"の香りがするけどここのキャンディ達は完全に性別を超越してる!男が元々女かも知れないし……女が元は男なのかも知れない………そんなミラクル…ン〜〜フフフ!そんなミラクラブル!!」
「フーーーーーッ!」
「なるほど…!"ホルモン"でさっき男を女に……!でも見れば見る程ここが監獄なワケがない!やっぱり夢よ!!」
「夢じゃなーーい!夢の国!」
「べふ!」
監獄とまったく似ても似つかないこの場所を監獄だと信じきれずに居たボン・クレーはイワンコフのウインクが顔面に当たる。
「ここのキャンディ達はみんな元は迷える囚人…ここへは運よく辿りついたの…入口は色々あるんだよ!血の滴る針山の中、猛獣達の巣の中、燃えさかる業火の中…死体置き場………つまりそこを通ってヴァターシ達は様々な物質を調達するわけ!看守達は誰一人気づかないまさか地獄にこんな楽園があるなんてね!!…でも外の情報はヴァターシ達には筒抜ケラブル。モニター室にいる映像電伝虫と同じやつが一匹ここにもいてね…獄内の情報は全てキャッチしてる!ゴミ箱から新聞も盗んで来るのでシャバの情報もバッチリ!史上初の"侵入者"麦わらボーイとバニーガールとヴァナタ達の大奮闘はみんなで楽しませて貰ったわよ!とっても面白かっタブルッ!!!」
「ここは一体どこにあるの!?何でこんなスペースが!?」
「こんなスペースは勿論元々はなかっタブル…大昔に幽閉されては囚人が"穴堀り"の能力者でそのキャンディを筆頭にこの囚人の楽園を作り上げたと聞いてるわ…大ォ〜きな石に穴を掘ったアリの巣の様な場所よ、ここは…フロアで言うと…『レベル5』と『レベル6』のちょうど中間にあたる部分…」
イワンコフの言葉を聞き、ボン・クレーは話に割り込む。
「ちょっと待って!!レベル6!?そんなフロアがあるのう!!?」
「ン〜〜フフ、そうね…一般には知られてないけれど…あるわよ…本物のヤバイ奴らが入ってる!……その全員が死刑、もしくは完全終身…!!レベル6『無限地獄』…残虐も度を越える事件は政府によってもみ消される……!!または政府にとって不都合な事件もそう…例えば…ヴァナタ達大暴れしてレベル4まで辿りついていたけど…ほんの少し前ならばそう簡単にはいかなかったと思うわよ」
「!?」
「この獄内に巨大な戦力がもう一人ナブルいたからよ…インペルダウン"看守長""雨のシリュウ"実力は署長マゼランとほぼ互角…!!マゼランの短い勤務時間を考えるなら厄介なのはむしろシリュウの方ね」
「マゼランと互角…!?」
「インペルダウンはその"2枚看板"で鉄壁を誇っていたんだよ!………気の向くままに囚人達を大虐殺するその男を手に負えナブルで危険人物として現在幽閉中のフロアが『レベル6』!」
「そんな事件聞いた事もないっ…!あちしが入る前だとしても……」
信じられないと目を丸くするボン・クレーにイワンコフは続けた。
「海賊の世界では史上最悪の女囚カナリーナ・デボン、巨大戦艦サンファン・ウルフ…大酒のバスコ・ショット…聞く者が聞けば震えが止まらない程の海賊達…起こした事件が残虐すぎて新聞の記事さえ伏せられた伝説級の面々が『レベル6』にはいる…!!ヴァナタの元ボスもそこにいるわ…アレも相当イカレてる」
「0ちゃん!クロコダイル!!?」
「麦わらボーイ達とヴァナタ達はアラバスタで敵だったんでしょ?面白い関係ね」
「友情に立場は関係ないのよう!!」
ボン・クレーはその場でポーズを決めて、周りもそれに乗る。
「ハッハハー!そうね…後は七武海では"海峡のジンベエ"」
「えェ!!?」
「そして麦わらボーイとバニーガールの今回の目的でしょう!白ひげ海賊団2番隊隊長ポートガス・D・エース!!獄内の通信で聞いたわ…兄弟らしいじゃない?」
「ええ、その人を助ける為に麦ちゃん達ここへ来たそうよう!」
「ンフフ…!来て本当に侵入できただけですでに神業…だけどそれはもう諦めなくちゃねぇ…兄よりもまず自分の命…!!もう夜の0時を回ったから…エースボーイの処刑は今日午後15時…朝の内に『海軍本部』へ連行されると考えて……あとそうね…7・8時間でエースボーイはインペルダウンから連れ出ッサブられるわね!麦わらボーイの解毒治療はあと約2日…それでもし助かったとして体力の回復に3日は寝込む!目覚めた時には全て終わってるわ」
「その前に…!麦ちゃんの体あの調子で…2日も持つ!?」
ボン・クレーの言葉にイワンコフはサラダを食べながら答える。
「持たないのが普通!持てば奇跡とそう言ったでしょう!!」
「!!」
「バニーガールもそうだけどヴァナタもまだ体を休めなきゃダーメよ!何か食べて栄養をつけティブルして寝てなさい!静かナブルな部屋へ案内するわ」
「あちし!!麦ちゃんの部屋にいる!!」
「!」
「おい!やめとけ!!あいつは…」
「可能性うすいと思うぜ…!!」
「い…行ってどうすんだよ!!」
休ませる為部屋を案内させようとするも、ボン・クレーはルフィの居る洞窟へ向かい、止めるのも聞かず小さくなる背をアスカも静かに追いかけた。
洞窟の中も外も相変わらずルフィの叫び声で響いており、アスカがついたころにはすでにボン・クレーがルフィのいる部屋の扉の前で声を上げて応援していた。
アスカもそれに続きボン・クレーの隣で声を大にして応援する。
「頑張れ〜〜〜〜!!麦ちゃ〜〜〜〜ん!ゲホ!頑張れ〜〜〜〜〜〜〜〜!!生きろーーー!!麦ちゃーん!!頑張れ〜〜!!頑張れ〜〜!頑張れ〜〜!!」
「ルフィーーーー!!!頑張れーー!!」
その様子を見てきた囚人達も混じり、その人数を増やしていく。
イワンコフ含め全ての囚人がルフィを応援して8時間以上…
「声が…」
「血が……」
ルフィの声が途絶え、扉から血が流れ出できていた。
「治療の途中で激痛が消える事はないよ……!つまり途中で声が途絶えた時は…」
イワンコフの言葉の続きは誰もが考えたくない結末。
だからこそイワンコフはあえて言わなかった。
「麦ちゃん……」
ボン・クレーが涙を溜めていたその時、扉を叩く大きな音が鳴り響く。
「わあっ!!!」
その音にみんな唖然とし、そして…
「メ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜シィ〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!」
ルフィの声が洞窟に響いた。
「麦ぢゃん゙!!!」
「ルフィ…っ」
「うおおお〜〜〜〜!!!」
「麦わらボ〜〜〜イ!!ウ…!ウソでしょ〜〜〜〜〜〜!!!どういう事ォ!?まだ一日も経ってないわよ!!?」
ルフィの声に囚人達は歓声を上げた。
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