(263 / 293) ラビットガール (263)

エースを救いにルフィ、アスカ、イワンコフ、イナズマはニューカマーランドを出てレベル6へ向かって走っていた。


「さァ急ごう!1分や2分の差で結果は変わるぞ!!」

「うおーーっ!何か力がみなぎっちまってんぞォ!!!!」

「コソコソ隠れなきゃ大した距離じゃなっサブル!驀進するわよォ〜〜〜〜〜ンナ!!!!」


囚人達は消えたはずのイワンコフの姿に目を疑う。
4人は襲い掛かってくる軍隊ウルフをなぎ倒しながらエースの下へ走る。


「この先…監視アリです!」

「来るなら来い!!」


レベル5を抜けるとそこは電伝虫が見張っている。
ルフィ達は隠れることなく走っていった。
イワンコフ達の案内でルフィとアスカはレベル6へ看守達を投げ飛ばしながら駆け込むように着く。
しかし、エースの姿は既にどこにもなく、血だらけの壁と手錠だけが残されていただけだった。


「エース〜〜!!!どこだーーーー!!!助けに来たぞ〜〜!!エース……!!ハァ…ハァ…いねェぞ!!」

「この檻で間違いないんでしょうね!!」

「あり゙ま゙せん!ま…間違いありばぜん!!」

「一歩遅かった様だ…!」

「エース……」


とっ捕まえた看守に聞くが間違いなくここはレベル6。
しかしエースの姿は見えず…と、いうことは……
アスカは俯いてしまう。
すると血だらけの手錠がぶら下がってる檻に一緒に入れられていた魚人がルフィに声をかける。


「お前さん"麦わらのルフィ"だな!!?」

「!ああ…」

「今しがただ!すぐ追え!!エースさんはリフトで連行された!!!」

「おっさん誰…」

「急げばまだ間に合う!行け!!!」

「……そうか!ありがとう!!誰だか知んねェけど!!!」


魚人、ジンベエの言葉を信じたルフィはすぐリフトへ向かった。
3人もそれに続くもそのリフトを封じられてしまう。


「当然よね……!都合よく登らせてくれるワケないわ!もうリフトは使えナッティブル!手が回ってる!!降りてきた階段で登るよ!!!」


今度は階段に向かうがその階段も封鎖され登れなくなってしまった。


「おい!階段塞がれたぞ!!」

「二つしかない出入口を塞いで閉じ込める気だね!コレを壊さなきゃあ出口はないよ!!」


すると階段の中から白い煙が入ってきた。


「!!」

「大量のガスだ!まさか毒では!?」

「おいおい!てめェら!!どこの誰だか知らねェがおれ達に被害を及ぼすんじゃねェよ!!」

「ン〜〜!おだまり!!!レベル6!!」

「毒だろうが何だろうが知るか!!うおお〜〜〜〜〜!!!!」

「あっ!バカ!!!」


煙へ向かってったルフィをアスカが止めようとするもルフィは聞かず煙を吸い込んで眠り込んでしまった。


「睡眠ガスの様ですね」

「無謀にも程があるよ!麦わらボーイ!!」

「このフロアの囚人ごと我々を眠らせて終わらせるハラだ」

「ここ以外にもう出口はナショナブルのにっ!!」

「エース…!!」


万事休止なこの状況に檻に入れられている囚人達が騒ぎ出す。
そんな囚人達をよそにイナズマが手を大きなハサミのように変え、地面を切っていく。
そしてその切っていった地面を階段に貼り付け、ガスが入り込むのを防いだ。


「おー!」

「イナズマは"チョキチョキの実"の『ハサミ人間』!切り出した物を紙の様に扱える……!!」

「おい!おれは上に行きてェんだよ!!カニちゃん!!階段閉じちまったらエースに追いつけねェよ!!」

「閉じる他ガスを止める方法がない…意識を失っては救出もクソもない」

「失ったって救出すんだよ!エースは死刑になるんだぞ!!」

「無茶を言うな…単純だが敵の作戦勝ちだ!我々はこのレベル6に閉じ込められた…現状脱出の術はない」

「!」


アスカがイナズマに拍手を送っていたら目を覚ましたルフィが目を擦りながら声を上げた。
するとイワンコフが4匹の電伝虫を気絶させ、手に乗せる。


「せめてもの抵抗はコレ…!敵の情報を奪う事……!!常識で考えて…もう間に合わナブルよ!エースボーイがリフトでスムーズに海上へ連行されるのに対し、こちらには立ちはだかる敵がいる!!軍の護送は迅速!ビブルカードをごらん!真上は差してないんじゃない!!」


ルフィとアスカはイワンコフの言葉にそれぞれ貰ったエースのビブルカードを取り出して見る。
イワンコフの言う通りビブルカードは上を向いて手の平を動いていた。


「もう身柄は海軍に引き渡された頃だわね…」

「「!!」」

「気持ちを切り替えてヴァターシはこの大監獄からヴァナタ達を無事脱獄させる事に全力を尽くす!!エースボーイの身柄はもう『海軍本部』へ渡ってしまう!諦めるんだね…いえ…後は"白ひげ"に賭けるしか…」

「だったら…」

「?」

「おれ行くよ!『海軍本部』!!」


ルフィの言葉にアスカとイワンコフ達は目を丸くする。


「ルフィ!?」

「ヴァカおっしゃい!!この世界の頂点の戦キャブルよ!?"白ひげ"の実力知ってんの!?迎え撃つ海軍の『大将』・『中将』・『七武海』の実力知ってんの!!?ヴァナタ命いくつ持ってんの!!?」

「そうだよ!!!ルフィあんた…おじいちゃんとお姉さまと戦えるの!?」

「もし諦めたらくいが残る!!おれは行く!」

「行くも何も…!まずこのフロアから抜け出せないんだぞ!!」

「ここを抜けたきゃおれを解放しろ………!」


檻の中から聞き覚えのある声が響く。
そこにはクロコダイルが不敵な笑みを浮かべながら立ってこっちを見ていた。


「おれならこの天井に穴を開けられる!!」

「あ!」

「どうだ麦わら……クハハハ!」

「お前……!!ここに捕まってたのか!!!クロコダイル!!」


倒した敵との再会にルフィは眉を潜める。


「もうシャバに出た所で面白みはねェと思ってたが……"白ひげ"と"海軍"が戦争を始めるって?あのジジイの首を取るチャンスが来るとはな…おれは戦争に興味がある…!おれのちからがあれば…おれもお前もここから抜け出せる…悪い話じゃねェハズだ…互いにメリットがある」

「フザけんな!お前はビビの国をメチャクチャにした奴だ!!」

「昔の話だ…あの国にもう興味はねェ」


睨みつけるルフィを面倒臭そうにするクロコダイル。
そんなルフィの背後にイワンコフが歩み寄ってきた。


「解放しましょう!麦わらボーイ!!確かにコイツがいれば相当な戦力になる!ヴァナタは止まらない…『海軍本部』へ行くなら尚更よ…!!」

「えェ〜!イワちゃん!!あのな!コイツは!!」

「……!…イワンコフ…!!」

「お久しぶりだわねェ!クロコボーイ…!」


2人はどうやら知り合いだったらしく…というかクロコダイルはイワンコフを睨みつけていた。


「何だ?知ってんのか!?」

「ちょっと昔ね…コイツがルーキーと呼ばれた時代……!!大丈夫よ!万が一ヴァターシ達を裏切る様な行動に出てもヴァターシが抑え込むから…!一切信用できないけど…ン〜〜フフフ!ヴァターシはコイツの"弱み"を一つ握ってる…!大人しく"力"だけ貸すのなら…黙っててあげるけど?ヒーハー!」

「貴様…!!」


イワンコフの弱みという言葉にクロコダイルは奥歯を噛み締め、人を殺せるであろう睨みで見つめる。


「何だオイ!だったらおれも解放しろォ!!」

「おれもおれも!白ひげに恨みがある!!」

「黙れ!"デス・ウインク"!!」


騒ぎ出す囚人達にイワンコフがただの瞬きで黙らす。


「後生の頼みだ!!!」

「「!!」」


するとその様子を見ていたジンベエがルフィに声をかけてきた。


「わしも連れて行ってくれ!!必ず役に立つ!エースさんとは…彼が白ひげ海賊団に入った時からの付き合いじゃ!弟と妹がいるという話はさんざん聞かされてきた…!!わしはこの戦争に反対した事でここにおる!!エースさんを救いたいんじゃ!頼む!!わしに死に場所をくれ!!!」

「ウ〜〜〜…これまた大物…!!」

「いいぞ」


ジンベエを見つめ、頷いたルフィにイナズマが慌てる。


「おい!大丈夫か!?我々はコイツの危険度も人格も一切知らない!!」

「いいんだ出してやってくれ」

「かたじけない!!」

「オウ!おれもかたじけない!!後生の頼みだ!」

「黙れ!!"デス・ウインク"!!!」


再び騒ぐ囚人達をイワンコフが黙らせる。
そしてイナズマが鍵を開け、ジンベエ・クロコダイルが檻から出てきた。


「さァて!こうなったら時間がナッサブル……!!力技でこの監獄を突破するわよォオ!!ヒーハー!!」

「白ひげのオヤジさんには手出しさせんぞ!クロコダイル!!」

「じゃあ今の内に殺し合っとくか?」

「"元"も含め『七武海』二人とは…」

「二人?誰だあと一人?」

「……………」


アスカは個性的なルフィ達を見て思う。

『コイツら、纏まり感ねェな…』

と。
しかし彼女は知らない。
その個性的な連中の中に自分も入っている事を…

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