(276 / 293) ラビットガール (276)

白ひげが刺されたと聞き、ルフィとアスカは立ち止まって白ひげに振り返る。
そこには傘下の海賊の船長が確かに白ひげを刺していた。


「スクアードォ〜〜〜〜〜〜!!!」


そばにいたマルコがスクアードを取り押さえる。


「く…!」

「なぜお前がこんな事!!!」

「うるせェ!!!こうさせたのはお前らじゃねェかァ!!!」


自分を抑えるマルコの腕を振り解き白ひげを睨みつける。
マルコが動こうとするのが白ひげが手で止めた。


「こんな茶番劇やめちまえよ!!"白ひげ"!!もう海軍と話はついてんだろ!?お前ら"白ひげ海賊団"とエースの命は必ず助かると確約されてんだろ!!?」

「!」


スクアードの言葉に海賊達は困惑しだす。


「おれ達ァ罠にかけられたんだよォ!!おれァ… 知らなかったぞ…エースの奴が…あのゴールド・ロジャーの息子だったなんて……!!」

「……………」

「おれがアンタに拾って貰った時…!!おれは一人だった………!!なぜだか知ってるよな!!長く共に戦ってきた大切な仲間達をロジャーの手で全滅させられたからだ…!おれがどれだけロジャーを恨んでるか知ってるハズだ!!」

「……………」

「だったら一言言ってくれりゃあよかった…!エースはロジャーの息子であんたはエースを次期"海賊王"にしたいと思ってると!!その時すでにおれァお前に裏切られてたんだ…エースとも仲良くしてた……バカにしてやがる!そしてお前にとってそれ程特別なエースが捕まった…!だからお前はおれ達傘下の海賊団43人の船長の首を売り!引き替えにエ−スの命を買ったんだ!!」


スクアードの言葉を聞いても白ひげは何も言わずただスクアードを見下ろすだけだった。


「白ひげ海賊団とエースは助かる!すでにセンゴクと話はついてる!!そうだろ!?そんな事も知らずにどうだ!!おれ達は……!エースの為、白ひげの為と命を投げ出しここまでついて来てよく見ろよ!!海軍の標的になってんのは現に!おれ達じゃねェか!!波の氷に阻まれてすでに逃げ場もねェ!!!」

「…………」

「…一撃刺せただけで奇跡だ…もう覚悟はできてる…殺せよ!」

信じたくなかった、と俯くスクアードをマルコは胸倉を掴んだ。


「バカ野郎!担がれやがったなスクアード!!なぜオヤジを信じない!!」

「てめェまでしらばっくれやがって!マルコォ!!」

「エースがロジャーの息子だってのは事実…それに最も動揺する男を振り回した…奴らの作戦がおれ達の一枚上をいったんだ」


白ひげはスクアードに刺された場所から血が溢れ出し、それを押さえるために手で押さえるが出てくる血は止まらない。


「ミコト!」

「はい」


センゴクはこれ以上見せられない、と隣にいたミコトにバギー達を凍らせる。


「あの野郎…みっともねェじゃねェか!!"白ひげ"ェ!!おれはそんな"弱ェ男"に敗けたつもりはねェぞ!!!」

「クロコ…」


アスカが唖然と白ひげ達を見ていたらクロコダイルが白ひげに声をあげ、クロコダイルを見る。
ジンベエもイワンコフもクロコダイルに目を向けていた。



「スクアード…おめェ仮にも親に刃物つき立てるとは……とんでもねェバカ息子だ」

「ウァァ!」


スクアードは見下ろす白ひげに恐怖し小さく悲鳴を上げる。




「バカな息子をそれでも愛そう…」




しかし白ひげはスクアードを抱きしめ、スクアードは唖然としてしまう。


「ウグ……!…ふざけんな!!お前はおれ達の命を……!」

「忠義心の強ェお前の真っ直ぐな心さえ…闇に引きずり落としたのは…一体誰だ」

「海軍の!反乱因子だ…お前を刺せば部下は助かると!!」


スクアードの言葉に白ひげは目を細める。


「『赤犬』がそう言ったか…お前がロジャーをどれ程恨んでいるか…それは痛い程知ってらァ…だがスクアード親の罪を子に晴らすなんて滑稽だ…エースがおめェに何をした…?」

「……………」

「仲良くやんな…エースだけが特別じゃねェ…みんなおれの家族だぜ…」

「!!」


スクアードは白ひげの言葉に涙を流す。
そんな息子を見た後処刑台にいるセンゴクを睨みつける。


「まったく……衰えてねェなァセンゴク……!!見事にひっかき回してくれやがって…」


そして下でパシフィスタに苦戦している息子たちの声を聞きながら白ひげは腕を構え…


「おれが息子らの首を売っただと…!?」


両脇にある2つ氷山を能力で粉々にしてみせる。


「海賊なら!!!信じるものはてめェで決めろォ!!!!」



「海賊共に…退路を与えたか……!食えん男だ…」


白ひげの行動にセンゴクは静かに呟き、海賊たちはスクアードの言っていたことが嘘だとしり、士気が高まる。



「氷の壁がなくなった……!!」

「この軍艦も使えるぞ…!」

「これじゃ…いつでもおれ達逃げられる……!!」

「オヤッさん…!!」

「やっぱりウソだ!!海軍の作戦だったんだ畜生ォ…!」

「……………」


クロコダイルはただ1人黙って葉巻をギリッ、と噛んで白ひげに眉を潜める。



「おれと共に来る者は命を捨ててついて来い!!!」

「ウオオオオオオおお!!!!!」



白ひげの言葉に海賊達は武器を上げ雄たけびを上げる。


「構えろォ!!!暴れ出すぞ!世界最強の男がァ!!!」


白ひげが戦場へ降り立ち緊張が一気に高まる。

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