(277 / 293) ラビットガール (277)

白ひげが船から降りて自ら戦争へと足を運ぶ。


「"白ひげ"が…!動いたァ〜〜!!!!」

「…………」


海兵は白ひげが動いた事に恐怖し、海賊達は白ひげに続く。


「オヤッさんに続けェ〜〜!!」

「オヤジに道を開けろォー!!!」

「スクアードの奴……!海軍にダマされてオヤッさんを刺したんだ…!!こんな間抜けな事はねェ!それは一体…!どれ程辛ェ事だよ!!!」

「許さねェぞ『海軍』〜〜〜〜っ!!!!」


みんなスクアードを恨む事もせず、ただ海軍に怒りを覚えそれを戦いにぶつける。
そんな白ひげや仲間達を見てスクアードは跪いて涙を流した。


「おれは…何て事を………!!すまねェオヤッさん……!!すまねェ……!エース!!畜生ォ…!大好きなオヤッさんを……!おれァ疑って……!!」

「スクアード!泣く事が報いる事かよい……!!」

「!」


スクアードはマルコの言葉に顔を上げる。
マルコは白ひげではなく、4人の大将を…ミコトを睨むように見つめていた。


(黒蝶は知っててなんでオヤジを助けるような事をいいやがったんだ…何か裏があるのかよい…)


マルコは不可思議な行動をするミコトに眉をひそめる。







白ひげが船から下りて戦うのをルフィとアスカは振り返りながら見ていた。


「すげェなあのおっさん!刺されたのにっ!」

「ルフィ君!」

「ルフィ!急ごう!」

「ああ!とにかく今はエースだ!」


白ひげに気を取られているわけも行かずルフィ達は先を進む。


「ジンベエ!アレをご覧ナサーブル!!いつの間にか敵は全員広場へ上がってるわ!!!」

「んん…!悪い予感しかせんわい!だがオヤジさんが動いた!!もう考えとる場合じゃない!!」


周りにはすでに海兵達はおらず独走状態だったが何か罠なのは見て取れる。
すると巨人の海兵が白ひげを襲う。


「広場にゃ上げんぞ!"白ひげ海賊団"!!」


巨大な刀を白ひげは己の薙刀で受け止め、跳ね返す。
薙刀を置くと白ひげは大気を掴みジャイアントを掴まずひっくり返させる。
すると地面も斜めになり傾いてしまった。


「わァ!地面が傾く!!」

「オヤッさんには近づくなァ〜〜〜!!!」

「うわァ!地震所じゃねェ!!島ごと海も!傾いてるんだ!!!」


バランスが取れず、海兵達は放り出される者や滑っていく者もいた。


「フッフッフッフッフ!!何てデタラメなジジイだよ!!」


ドフラミンゴが白ひげの力を見て笑っていると突然地面はゆっくりと元に戻っていった。
それには海兵も海軍も唖然としていた。
ドフラミンゴは白ひげの目線の先を伝って目を向けると赤犬の腕を組んで白ひげに手を振っているミコトがいた。


「ミコトもデタラメな力の持ち主だったな!フフフ!」


白ひげと対等に戦えるであろうミコトに惚れ直していると気を取り直した白ひげがジャイアントを能力で倒し、その衝撃波のようなものがまっすぐ処刑台へ向かっていく。



「止まらねェ!!うわっ!!!」

「やっちまえオヤジィ〜〜〜!!」

「処刑台に届くぞ!行け!!ぶっ壊せェ〜〜〜!!!」


そのまま白ひげの攻撃は処刑台に直撃した。


「よっしゃァア!!!」


海賊たちはそれに大喜びするが処刑台に当たらず逸れた事に両者とも目を丸くする。
その目線の先には四大将が手を前にだし、白ひげの攻撃を逸らしていた。







白ひげが地面を傾けたのに巻き込まれたルフィ達はまた元に戻った地面に座り込んでいた。


「危ねェっ!氷の下に落ちる所だった!!敵も味方もねェのかあのおっさん!」

「でもまた元に戻った…何なんなの、もう」

「クルー達はわきまえて避難しとるわい!」


ジンベエの言葉に周りを見ると白ひげの海賊達は我先にと進んでいた。
それにルフィ達もすぐ走りだし、エースを助けようと氷の地面を走る。



「邪魔がいなくなったぞ!上に行ける!!」


ルフィが腕を壁に伸ばすが飛ぶ前に下から現れた壁に阻まれてしまった。


「わ!何だ!?」

「壁!?」


突然現れた壁にアスカは驚き、見上げる。
傍の海賊が金棒を打ち付けるがビクともせず逆に金棒が折れてしまった。


「くそ!ビクともしねェ!!相当な厚みだ!この鋼鉄!!」

「さっきから言ってた"包囲壁"ってのはこの鋼鉄の防御壁の事か!!」

「戦わねェ気かァ!!海軍ーーーっ!!」

「砲口が全部こっちを狙ってる!!」


野次を飛ばしても壁を下げてくれる訳もなく砲口が海賊たちへ向けられてしまう。


「おい!どうなってるんだ!!完璧に作動させろ!」

「それが包囲壁があのオーズの巨体を持ち上げきれず……!!どうやら奴の血がシステムに入り込みパワーダウンしてる模様で…!」

「オーズ…お前……」


海兵の言葉に唖然とするエースをよそに白ひげは勝機あり、だと目を細める。


「締まらんが…始めろ赤犬…!氷を溶かして足場を奪え!!」


センゴクの命令に赤犬は"流星火山"でマグマで氷を溶かす。
その激しさと暑さにアスカは顔を腕で庇う。


「畜生ォ!!おれ達の船が…!!」

「何十年も白ひげ海賊団を支えた船モビー・ディック号が………」


赤犬のマグマに長年一緒に海を渡ってきたモビー・ディック号が炎に身を包みながら海へと消えていく。


「この壁何とかならねェのか!?」


そう言いながら海賊はバズーカで壁を破壊しようとしてもヒビ1つ入れることが出来なかった。


「あ…熱ちちちち!!海水がマグマで煮えたぎる……!」

「おい!アレ…!!」


指差す方に目をやると大砲が海賊たちへ向けられ、集中攻撃しくる。


「広場への道が失くなっていく!!」

「全面海に戻っちまう!!」

「……………」


白ひげが能力で壁を壊そうとしてもほんの少し歪むだけでビクともしない。


「壁が砕けねェ!!オ…オヤッさんの能力が通じねェなんて!!」

「只の鉄じゃねェ!!」

「…………」


唖然とする暇もなく海軍からの攻撃は続く。


≪作戦はほぼ順調…これより速やかにポートガス・D・エースの処刑を執行する!≫

「……………!」


想い人、ルフィの兄の処刑の実行というセンゴクの言葉にハンコックは眉をひそめる。


「聞いたか今の!あんな見えもしねェ場所で仲間をあっさり殺されてたまるか!!オーズの道しかねェ!!気をつけろ!敵は必ず構えてるぞ!!!」


センゴクの通信は海賊達にも聞こえていて、エースの処刑にオーズへと急いで駆け寄っていく。


「バニーガール!ジンベエボーイ!麦わらボーイは!?」

「え…?」

「さっきまでとなりに…!」

「あ!…あそこ!」


白ひげに気を取られていた隙にルフィがどこかへ消えてしまった。
3人が周りを探すとアスカが指差す。


「うおおおおおお!!!」

「まさか!やめな!!そんなあからさまな道…!!」


アスカが指差す先…そこはオーズの道だった。


「撃て!!」

「うわあああああ!!!」

「それ見たことか!!!」


格好の餌食であるルフィは即効攻撃され吹き飛ばされてしまった。
アスカ達は急いでルフィに駆け寄る。


「一つ穴が開いてる場所を敵が疎かにするワケナッシブル!!むしろ罠よ!」

「全く無茶を!」

「考えれば分かるでしょ!せめて壁を用意するとかしなさいよね!!」


『こんなに一杯いるんだから!!』、というアスカは通常運転である。
しかしその発言に慣れていないニューカマー達は『可愛い顔して何言うんだコイツ!』、と恐怖していた。


「ゼェ…ゼェ…!何とかしねェと…!!急がねェと……!あいつらもう…エースを処刑する気なんだ!!!」

「そうじゃな…何とかせねば…!!あそこが唯一鉄壁の穴!!どうにか利用せねば……!」

「でもあそこは一度に少数しか通れナッシブル!!通った者から順に海軍全戦力を相手にする事になる!!」

「頼みがあるっ!!」


エースの提案に3人は目を丸くした。







「うおおおおおお!!」

「まだ生きてやがった!!」

「さっきの衝撃で目を覚ましたんだ!リトルオーズJr.!!!」


ルフィがオーズの背中で撃たれた衝撃でオーズは目を覚まし起き上がる。


「オーズだ!!」

「まだ息があったのかオーズ!!」

「フー…フー…!エ…エ゙ースぐん…!!」

「オーズ……!!!」


起き上がるオーズだが、体も声も震わせていた。


「撃て!立ち上がろうとも虫の息だ!!」

「オ〜…いいよォ…わっしがやろう」

「黄猿さん!」

「こういう時は…頭をブチ抜くといいよね〜〜…」


銃口をオーズに一斉に合わせる海兵達に黄猿が止め、一気に仕留める気で指を光らせる。
しかし…


「何だアレは!水柱!!」

「あれは!"麦わらのルフィ"!!!」


包囲壁から水柱が広場に侵入し、ルフィがマストを持って大将達の前に着地する。



それをアスカは心配そうに見送っていた。


「あのバカ…」

「さあバニーガール!ヴァターシ達もグズグズしてられなッシブルよ!!」

「早くルフィ君に追いついて助太刀しなくては!」

「…うん!」


反対したのに言い出したら聞かない幼馴染兼船長にアスカは溜息をついて走りだす。


「今壁の向こうに飛び込んだのエースの弟だ!!」

「あの無鉄砲さ…兄貴にそっくりじゃねェか……!オーズ!!そこにいろ!お前の力が必要だ!!」

「オヤッざん…」

「ジョズ!"切り札"だ!!」

「おう!!」


ルフィが乗り込んだのを見て白ひげは目を細めて笑う。


「全員準備を!広場へ突入するぞ!!!」

「ウオオオオ!!!」

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