次の日、ブルージャムの仕事は昨日だけではなく、今日も呼び出されていた。
のそのそと起きるアスカにエースは心配そうに声をかける。
「アスカ、お前は来なくてもいいんだぞ?」
「……だいじょうぶ…いく…」
「そうか…」
エースの言葉にアスカは首を振り、エースの服を握る。
それはサボを失ったため、エースやルフィまでいなくなるのではないかと言う不安から来る行動なのだろう。
そんなアスカにエースは優しく頭を撫で、ルフィも連れてブルージャムのアジトへ向かった。
今日も荷物を運び、そしてそれを終えたときアスカ達は信じられない計画を知らされる。
「え!!?この"ゴミ山"を燃やす!?」
知らされた計画とは、このゴミ山を燃やす事だった。
どうやら天竜人が近々この国に来るらしく、天竜人にこんな場所を見せられないという国王の判断でゴミ山を燃やすという計画が上がったらしい。
ブルージャムは大きな声を出すエースを咎めた。
「バカ野郎!大きな声出すんじゃねェ!"ゴミ山"の連中に聞こえちまうだろ!」
「何でそんな事すんだよ!!」
「そんなことしたらみんな死んじゃう!」
「大変だ!ゴミ山のおっさん達に知らせねェと!コイツやっぱ悪ィ奴だ!!」
ゴミ山を燃やすという事は、そこで生活をしている人達も共々という事だろう。
そんな話しを聞かされては黙っていられず、エース達は急いでゴミ山にいるみんなに知らせようとしたのだが、それをブルージャムが止めに入った。
「騒ぐなと言ったろ!オイ!抑えろ!!……別に黒幕はおれじゃねェ。」
「!?」
「おめェらが昨日今日と運んだのは油と爆薬…人間が逃げ切れねェ程の火事が起きる。流石の悪ガキ共も腰が引けたか…だが作戦を知っちまったんだ…おめェらを解放するわけにゃあいかねェ。火事の前に…一つ聞きてェ事があるんだが……なァ、おめェら…どこかに財宝を貯め込んでやしねェか?」
「…!?」
黒幕が誰かなど三人にはどうでもいい。
ただゴミ山を燃やすのを止めたかったのだが、ブルージャムの言葉に3人は目を丸くする。
その反応に宝があると確信したブルージャムは、優しく聞き出そうとする。
だが、3人は一向に喋る事もなく口を閉ざし、そんな三人に苛立ちを覚えたブルージャムはエースとルフィを乱暴に吐かせようとし、アスカはブルージャムの部下に捕まってしまった。
「エース!ルフィ!!」
「「!?―――アスカ!!」」
「こいつは売れ。子供でも立派な女だ。」
「はい」
「やめろ!!アスカに手を出すな!!!!」
「お前らが宝の在り処を言えばいいだけなんだがなァ…」
「それは…!」
「ぎゃあ!」
「「「!」」」
この世界では人身売買はよく行われている。
村人を攫ったり、孤児を引き取り売ったりと様々だが、買う者がいるからこの世には人身売買と言う者が存在していた。
アスカはまた売られると顔を真っ青にし、アスカを人質に取られたエース達は焦慮する。
両者睨み合う中、アスカを捕まえていた部下が悲鳴を上げ、そちらに目をやるとアスカに腕を噛まれ、アスカを放していた。
そして脱出したアスカはエースとルフィに駆け寄り、エースの後に隠れる。
「……自ら死を選ぶとはな…売られた方が幸せだっていうのに…」
「………ッ」
戻って来たアスカをエースは背中に隠しブルージャムを睨みつけ、ブルージャムは自ら死を選んだアスカを嘲笑った。
アスカは奴隷を三度も経験している。
生きながらえて再び売られて奴隷の人生に戻る方が不幸だって事を知っていた。
だからこそ、ブルージャムが言う自ら死を選んだのだ。
「捕まえて木に括りつけろ!!ゴミ山の連中にしゃべるかもしれねェ…!!」
人身売買を主に生業にしているわけでもないブルージャムは自ら死を選んだアスカを切り捨て、部下にそう命じた。
結局大人数の大人達に勝てず…ブルージャム達に捕まったエース、ルフィ、アスカは木に括り付けられ逃げられなくされた。
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