レイリーの修行を受ける前に…アスカとルフィはバラバラになった仲間達に向けて3日後ではなく2年後というメッセージを送るため、わざわざ海軍本部へ向かい敵を侮辱するように鐘をならした。
それが記事となり仲間達に知られるのだが…それを確認する術は2人にはなく仲間達を信じる他なかった。
1人不安な奴がいるが…きっと理解してくれるだろうと2人は信じる。
むしろ理解するよりも辿り着けれるかが不安だった。
「ジンベエ、色々ありがとう!」
修行をつける前にルフィとアスカはジンベエを見送る為、ハンコックに船に乗せてもらっていた。
アスカの服は当然持っておらず、ずっとローの服というのも汚いため、何着かマーガレット達の服を貸してもらっている。
そのため小さい胸がさらに強調されているが、元々露出どころか真っ裸でも気にもしないアスカは恥じらいもなく平気で着ていた。
本人は恥じらいもないのだが、ナミとサンジに続いて過保護組みに新たに加わったレイリーとジンベエには不評だった。
しかし本人は本当に気にもしていないので2人の声など右に入って左に出る、または左に入って右に出ていた。
背中はマントも貸してもらっているため紋章に気付く者はいない。
「なんの…礼を言うのはこっちの方じゃ……インペルダウンでお前さん達に『死に場所をくれ』と頼んでおいてみっともなく生き残ってしもうたが…これから先またお前さん達の力になれる事もあるじゃろう!ともあれ2年後魚人島で会おう!!お前さん達と仲間達がやってくる日を楽しみにしておる!!」
「うん!!」
「ジンベエ、元気でね!!」
「ああ!!」
2人はジンベエザメに乗って去るジンベエに手を振り、後ろにいた九蛇海賊団もジンベエに手を振っていた。
そしてレイリーは女ヶ島に戻り北西にある無人島、"ルスカイナ"を修行の地へと選ぶ。
「この島はうってつけだ…"48季"と言って…週に一回季節が変わる苛酷な島だ。」
「ルフィ!わらわ…毎日毎日そなたの為に女ヵ島よりお食事を届けに参ります!!」
「えーっ!ホントかよハンコック!!じゃあおれ名物のゴルゴンなんとか頼む!あれ美味かったな!!」
「も…!勿論!!そなたの好きな物をいくらでも持参する!!そして今ので名を呼ばれたのが10回目…!!こ…これが婚約…!?」
「違う!!そしてなぜどんどん遠くなるニョじゃ!」
ハンコックの視界には全くアスカの姿は見えておらず、アスカは普段無視されているが、ルフィが構ったり構われてたりすれば即敵意剥き出しにされる。
どうやらハンコックはルフィにべた惚れらしいのだが、アスカはこちらに当たるのはやめてほしいとおもながらも慣れてしまった。
レイリーは尽くしまくる(当然レイリーとアスカの分はない)ハンコックに慌てて間に入る。
「ハンコック!そう甘やかして貰っては困る…!ルフィ君とアスカの修行中は女達の出入りは厳禁だ!」
「なぜそういう事をそなたに決める権利があるのじゃ!レイリー!!」
「食糧ならば山に…森に川に海に!いくらでもある!!それくらいのサバイバルも出来ず海賊などやっていけん!全てルフィ君とアスカの為だ!!」
レイリーの注意にハンコックはルフィには決して見せないであろう恐ろしい表情をレイリーに向け、レイリーの鼻を掴む。
しかし愛しいルフィのためと言われてしまえばハンコックは無視も反論も出来ず引き下がった。
そして、彼女の耳にアスカという単語は既に消されていた。
「ルフィの為…なら我慢!!しかしレイリー…この島は本当に危険なのじゃ!もし何かあったら……!!」
「何もなければ修業にならん…心配なら祈っていてくれ。」
ルフィ限定の心配性なハンコックに肩をすくめて答えるレイリー。
そろそろ島の中に入ろうと2人を連れて森の中へ入ってしまい、ハンコックは今だ心配そうにルフィだけを見送った。
「さて……この島には人間はもはや我々3人だけ…見ろこの大自然!大昔…ここには国があったという…だが生存競争に人は破れた…苛酷な自然天険の地だ…!」
「大冒険の匂いがするっ!!」
「リトルガーデンみたい!」
島に入ると大きな植物の他に建物らしい物や瓦礫があり、文明が昔あったことが窺える。
アスカは大きなジャングルに一度立ち寄った事のある島を思い出し、懐かしそうに見渡した。
「猛獣の数が夥しいな……とても数えきれない…今のキミでは討ち取れん様な生物がざっと…500体以上…力をつけねば夜もオチオチ眠れんぞ…」
「何でいるとかいねェとか数とかわかんだ?」
「気配はそんなにないのに…」
「人ごとではない…キミ達もこの力を身につけるのだ……゙覇気゙という力を!」
「「!」」
メキメキとレイリーの背後に現れたのは巨大は象。
その象はとても凶暴そうで、背を向けているレイリーへと突進してきていた。
「レイリー!」
「出た出た!何か出たぞ!!レイリーのおっさん!!」
「いいかルフィ君、アスカ…"覇気"とは全世界の全ての人間に潜在する力だ…"気配"、"気合"、"威圧"…それら人として当たり前の感覚と何ら違いはない…ただし、大半の人間はその力に気づかず…あるいは……」
「象!?すげー象だ!!」
「引き出しそうにも引き出せず一生を終える…"疑わない事"それが"強さ"だ!よく見ておけ………覇気は大きく2種類に分けられる」
レイリーの話を聞いていないルフィは巨大な象に目を奪われていた。
しかしそれに怒らずレイリーは象に慌てることなく背を向けたままだった。
「危ねェ!!」
「大丈夫…象は鼻で私の頭を右から狙っている…」
「え…」
レイリーは焦るルフィとアスカをよそに言った通り象は鼻でレイリーの右を狙い、レイリーは避ける。
そんなレイリーを見てルフィは今まで戦った事のあるサンダーソニアと空島でのエネルが同じように心を読んだように攻撃を避けたことを思い出し、驚きが隠せなかった。
「相手の"気配"をより強く感じる力これが"見聞色"の覇気!これを高めれば視界に入らない敵の位置・その数…更には次の瞬間相手が何をしようとしているかを読み取れる…空島スカイピアではこれを"マントラ"と呼ぶ……次に"武装色"の覇気。これは見えない鎧を着る様なイメ−ジを持て…」
驚いているルフィとアスカをよそにレイリーは続けた。
レイリーは襲い掛かろうとする象の足を腕一本で跳ね返し転倒させ、それにはアスカも戦桃丸で見覚えがあるためルフィ同様驚愕する。
「より固い鎧は当然 攻撃力にも転じる」
「う!痛ェ…!!おれゴム人間なのに!打撃が痛ェ!!」
「おお…!」
象は足を痛がり、レイリーはそんな象に背を向け驚いていたルフィにデコピンをする。
ゴムだから効かないはずなのにアスカの目の前にはデコピンを痛がる幼馴染の姿が映りレイリーに拍手を送った。
アスカに褒められ、レイリーは目を細めご機嫌に次へと進む。
「この力の有効な点はここだ。悪魔の実の能力者に対して弱点をつく事を除いてはこの"武装色"の覇気がこの世で唯一の対抗手段であるという事…!!ほぼ無敵にすら感じる"ロギア"の能力者の流動する体も"実体"としてとらえる事ができる…!」
「おっさんが黄猿に触れたのはこれか…じゃあ海軍のケムリンにも青雉にも攻撃を当てられるんだな!!」
「じゃあ…お姉様にも?」
「え……えええええ!!む、無理だ!!姉ちゃんに攻撃なんて…!!」
「うん、私も無理。」
「………まあ…黒蝶は別格だからな……正直覇気を使えば流石の黒蝶でも実態を捉えれるだろうが…だが、だからと言って攻撃が黒蝶自身に当たるかと言われれば答えはノーだろう…全て黒蝶の身を守るあの羽衣に遮られてしまうからな…」
「ねえ、やけに詳しいんだけど…もしかしてお姉様と戦ったことあるの!?お姉様に怪我なんてさせてないでしょうね!!!」
レイリーの言葉を聞き、早速アスカが反応してレイリーと問い詰める。
詰め寄ってくるアスカにデレデレしながらレイリーは怒らせないように否定をした。
「いや、シャンクスに聞いたんだ」
「パパに……ってまさかパパったら覇気を使ってお姉様をすき放題しようとしたんじゃ…!!」
「なにー!?許せんな!」
「そうよ!許せないわ!!だからルフィ!!あんたも覇気を覚えて二人でパパをやっつけましょう!目標は海賊王から変更して打倒パパよ!!!」
「いやいや!!お前勝手に決めるなよ!おれは海賊王になるって…」
「
だ・と・う・ぱ・ぱ・よ・ね・!」
「…………はい…」
勝手に人の夢を決めるなと批難の声がルフィから上げられるがどんな恐ろしいモノより恐ろしい形相で睨んでくるアスカにルフィは頷くしかなかった。
上下関係がもろ分かりな2人にレイリーは苦笑いを浮かべ、横に話が逸れていたのを戻す。
「さて…九蛇の弓矢を見た事があるか?この力は武器に纏わせる事もできる」
「へー…」
「ああ、鉄の矢かと思ったんだ。」
「"見聞色"、"武装色"…この2種類が『覇気』だ……しかし世界にはごくまれにこんな覇気を扱える者がいる…」
キレた象が怒りを全て向けるようにレイリーに襲い掛かろうとしたのだが…
レイリーが象へ振り向いた瞬間…気を失ってその場に倒れてしまった。
手も振れず倒したレイリーにルフィとアスカは唖然としてしまう。
「これが相手を威圧する力…"覇王色"の覇気!この世で大きく名を上げる様な人物はおよそこの力を秘めている事が多い。ただしこの"覇王色"だけはコントロールはできても鍛え上げる事はできない…これは使用者の気迫そのもの…!本人の成長でのみ強化する。」
「オークション会場でおっさんがやったやつ…」
「もう体験しているハズだ…ルフィ君、キミの覇王色の資質はすでに目を醒ましている。」
「あ、もしかして戦場で何人か気を失って倒れていったのって…ルフィの覇気に当てられて…?」
「そうだ。完全にコントロールできるまでは多用してはならない。周りにいる関係ない人間まで威圧してしまうからな。」
オークションでは気を失って見れなかったが海軍との戦いで見た攻撃されずに気を失っていく海兵と海賊達を思い出し、レイリーはアスカの呟きに頷く。
ルフィはレイリーに倒された象を見上げ、見上げたまま動かないルフィにレイリーは首をかしげた。
「どうした…?」
「すげェ…海賊王のクルーは…こんな怪物を手も触れずに倒すのか…」
「わはは!少しは尊敬したか?」
「うん、でもおれこの覇気っての…色んなトコで見た事があった…」
「そうだろう…だが修得は容易ではない…」
レイリーの言葉にルフィは頷き、アスカはシュラハテンを刀にさせてレイリーを見つめ………
「ねえ、この象食べれるの?」
今日の夕飯が決まった瞬間だった。
292 / 293
← | top | back | →
しおりを挟む