シャボンディ諸島に続々と仲間が集まって来ていた。
基本纏まり感がない彼らは1つの場所に留まることもなくすれ違いが続いていたがぼったくりBARに住んでいたアスカだけは彼ら全員と会うことが出来た。
ただ、今日到着したブルックとロビン、ルフィとはまだ顔を見ていない。
そんなアスカは今、ナミとウソップの買い物も終わりぼったくりBARに戻ろうとシャボンの乗り物で移動していた。
「「ええええ!!?あの偽者のルフィに惚れられたァァァ!!!?」」
アスカは何故偽者がアスカの名を何度も呼んだのかをアスカに聞き出す。
特にアスカを溺愛しているナミは気になって仕方ない様子でアスカが話し出すのを待っていた。
驚きが隠せない2人にアスカは何でもないように淡々と頷いて見せる。
「私がバイトしてたお店に偶然にも寄ったあいつと出会ってさ、一目惚れされたんだよ」
「な、なんですってええ!!?ひ、ひと…一目惚れーー!?許さないわよ!!絶対許さない!!!アスカはあんなデブじゃなくて!ちゃんと名と地位があって海軍や海賊じゃなくて王族で貴族で金持ちで土地を一杯持ってて私とアスカが2人で暮らしても文句を言わずお金だけを出してくれる人と結婚するのよ…!!あんなデブで名や地位や土地どころかお金さえなさそうなあんなデブとなんて…!!絶対!絶対許さないんだから!!!」
「いや、だからあいつとは結婚する気ないって言ってるじゃん…」
「デブデブ言ってやるなよ……っていうかお前のそれも2年前以上にレベルアップしてんな…だからそんな都合のいい男いねェって前も言ってんだろ…」
ウソップは自分も偽者以上に太っていた時期があったからか、そこだけは同情してしまう。
しかしそれ以上に2年前よりもアスカの結婚相手への理想がレベルが高くなっていることに呆れた目でナミを見つめる。
アスカはナミの中ではもう偽者と添い遂げる前提でいる言葉にツッコミを入れた。
ナミは当然怒りでアスカのツッコミなど耳に入っていなかったが、ナミとウソップは知らない。
アスカがもう想っている男がいる事を。
そして、その男とは一度会っている事を。
「あ…チョッパーだ」
「え!?どこだ!?」
「ほら、あの大きいトナカイ。」
ゴオオ、とスリラーバーグの時アスカが花嫁として攫われたと知ったサンジ以上の炎を纏わせ燃やすナミを慣れた様子で無視をするアスカが仲間の1人であるチョッパーに気付いた。
ウソップも2年前で慣れているのかさして気にもせずアスカが指差した方へ目を向ける。
そこには真っ直ぐこちらに走って来ている大きなトナカイがいた。
2年前とはやはり姿も変っているがすぐにチョッパーだと気付きウソップは嬉しそうに手を振りチョッパーに声をかけた。
「おーい!!チョッパー!!」
「あ…!!ウソップ!!それにナミも!!」
アスカとはBARで会っているためさほど驚きはなく、チョッパーはナミとウソップとの再会に悲しそうな表情を感激の表情へと変える。
ウソップは漕いでいた足を止め、乗り物をその場に止めて駆け寄ってくるチョッパーを待っていた。
ナミも怒りの炎を燃やしていたがチョッパーの存在に気付き嬉しそうに笑う。
「ウソップ!!」
「何だよ!おめー!でかくなったな!!乗り心地も割り増しだな!コリャ〜!元気だったか!?」
「乗り心地はいいよ、会った時乗せてもらったからそれは保障する。」
「ほんとうだっ!!昔よりふかふか!!」
「え!?あれ!?ナミ!?」
「そうよ?どうしたの?チョッパー。」
どのメンバーも再会したとき最初に会う仲間はアスカだった。
チョッパーもそれは変らず、前よりもふかふかになったチョッパーの背に乗せてもらったのだ。
その乗り心地のよさは格別だったとアスカはウソップに教える。
アスカの言葉にナミはチョッパーに擦り寄るのだが、そんなナミにチョッパーは不思議そうに何度も角度を変え首を傾げる。
不思議そうにするチョッパーにナミも同じく首を傾げていたが、チョッパーは何かを思い出したかようにハッとさせた。
「そうだ!!再会はうれしいけどそれ所じゃないよ!!!ロビンが大変なことに…ッ!!」
「ロビン…?」
チョッパーは慌てていたようで、その理由をナミとウソップとアスカに話した。
◇◇◇◇◇◇◇
「え!!?じゃああいつらニセ者か!?だからナミとアスカが2人いんのか!!」
ナミ達はチョッパーから話を聞き、チョッパーに真実を教えた。
話は乗り物に乗ってからしているため、チョッパーは元の姿に戻りアスカの膝の上に座り抱きかかえられていた。
鼻が誰よりもいいチョッパーが見破れなかった事にナミは『呆れた…』と声を零す。
「ロビンは20年も世界政府から逃げ抜いたのよ?袋に詰められて連れてかれるなんて…考えられない。」
「そうか!なんか違うと思ったけど懐かしい匂いもしねェし………ムッ!じゃあおれハラ立ってきたぞ!!何だよ!あいつらおれ達になりすましやがって!!許さねーぞ〜〜!!マネされるなんて!まるで本物のおれ達が有名人みたいじゃねーかよっ!コンニャロ〜〜!!」
「何喜んでんのよ!」
「あで!」
攫われたロビンも、そのロビンを放っておけと言ったルフィ達も偽者だと理解したチョッパーは最初は怒っていたが名を語られた=有名人、という方程式が出来上がったのか次第に嬉しそうな表情を浮かべる。
照れた笑いも相変わらずで、ナミに軽く叩かれたがチョッパーは痛がる素振りを見せない。
叩かれたところを擦りながらもニコニコ笑うチョッパーにアスカは微笑ましそうに笑う。
「船長のルフィとアスカの名がずいぶん売れたから仕方ないわ。」
「エヘヘ…おれサイン考えとこ!」
「おれもう考えた!」
「私達ね…悪い意味での有名人なのよ……分かる?」
2年前の戦争の事を指しながらナミは溜息をつく。
本当なら3日後だったはずが2年となり、ナミとしては静かに出港をするんだと意気込んでいた。
事情が事情のため2年後に伸ばしたことは別に気にしない。
心配があったが、再会したアスカは悲しみに呉れている様子でもないため過度な気遣いはあまり必要ないようだった。
2年に延ばされた集結よりも、戦争の時に一気に売れたルフィとアスカの名を名乗る偽者にナミは頭を痛める。
『絶対何かある…絶対静かに出港できないに決まってる!!』と嫌な予感がプンプンしていた。
そんなナミの心境などよそに2人はサインの話しで盛り上がり、アスカは『あ、双子のシャボンだ…』と2つにくっ付いて浮遊するシャボンを見上げていた。
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