(40 / 274) ラビットガール2 (40)

アスカ達はネプチューンに呼ばれ再び王宮へと向かった。
途中ハチとケイミーを拾い、シャボンをつけた長ヒラメに乗り込み海の中にある宴会の間へと進む。


「真っ暗い水の部屋!」

「何だココ!肉は!?」


ケイミーとハチはただの庶民と元とは言えアーロン海賊団の一員だったこともあり一生縁のないと思っていた王宮に呼ばれ緊張で2人共顔が強張っている。
長ヒラメは2匹おり、1匹にはナミ、ウソップ、ケイミー、ハチ、パッパグ、ゾロ、フランキーが乗り、もう一匹にはルフィ、アスカ、ジンベエ、チョッパー、サンジ、ブルック、ロビンが乗っている。
ジンベエは丁度ルフィとアスカに挟まれる形となり、2人に懐かれている様はとても微笑ましい。


「おお!ヒーローの登場だ!!」

「うっせー!!ヒーローって言うな!!肉はおれが食う!!」


暗闇の中声がしたと思い下を見ると兵士達が長ヒラメに乗っているルフィ達の登場に声を上げて歓迎していた。
何をどう勘違いしているのか、ルフィは肉は渡さんとお冠だった。
しかし何を怒っているか知らないが救世主の姿に兵達の声は更に大きくなる。


「ルフィ様達!正面がステージです!!」

「ステージ?」

「誰か出てきたぞ!」


暗かった部屋にパッとスポットライトが灯り、音楽が鳴り響く。
巨大な貝殻の上にスポットライトが灯るとそこには1人の人魚がいた。


≪魚人島誇る海底一のディーバ!!マリア・ナポレ!!≫

「ア〜〜アア〜〜♪」

「きゃ〜!何このトロける様な歌声〜!」

「ティマスィーが震えますねーー!!アーイェ〜〜!!!」


紹介したのは魚人島の誇る歌姫だった。
失礼な話し見た目は歌姫とはあまり言えない姿だが、その歌声は甘くトロけるような美しさを持り、到底見た目だけが美しい者の勝ち目はない程である。
その歌を聴いた者は全てマリアの歌声に魅了されると言っても過言ではないだろう。


≪そして特別ゲスト!!≫

「うおおおおお!!!」

「落ち着け!!」

≪その美しさに男達は呼吸を忘れる!!――マーメイドカフェダンサーズ!!≫

「キャーーーーー!!」

「うるせェ!!」


歌声に身も心もとろけていたその時、サンジの待ちに待っていた時が来た。
紹介と共に美しい人魚達が宴の間へと姿を現れる。
それにサンジが雄叫びから絹を裂いたような声を上げ、流石のチョッパーも苦情を送る。
しかしそんなチョッパーなど気にもせずサンジはついにはシャボンにしがみ付いてしまう。
そんなサンジに付き合ってられないと思ったのかチョッパーはサンジを放置する。
そして他の仲間達もいつもの事だと無視を決め付けていた。



◇◇◇◇◇◇◇



宴は時間が過ぎていく毎に盛り上がっていく。
美味しい食事、とろけるような歌声に、美しい人魚の舞い。
それに加えソールキングとの共演に下にいる兵達もネプチューン達もルフィ達も心から宴を楽しんでいた。


「アスカさん、少しお時間頂いてもよろしいでしょうか…」

「?」


アスカも人魚達の舞いや食べ物、音楽をアスカなりに楽しんでいるとふと後ろからフカボシが声をかけてきた。
何故か小声で声をかけてきたためアスカも自然とフカボシに合わせ周りに気を配りながら小さくゆっくりと頷く。
不思議そうにしながらも頷いたアスカを見てフカボシはホッと安堵の表情を浮かべ、別の部屋へ移動するからとアスカを長ヒラメの中からサンゴから出したシャボンへと移ってもらう。
シャボンの中にアスカが完全に入ったのを確認したフカボシはアスカの入ったシャボンを大事そうに両手の手の平に乗せそっとその場から立ち去る。


「……………」

「……………」

「……………」

「……………」


部屋を出て行くフカボシとアスカを4人の人物が見送ったのだが…フカボシはそれに気付くことはなかった。

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