(79 / 274) ラビットガール2 (79)

ルフィ、アスカ、フランキー(ナミ)、気を失っているチョッパー(フランキー)、ローは、話も一段落したとして、フランキー(ナミ)を助け出すのも終わり、仲間が待っている避難所へと戻ることにした。
同盟も船長同士の間で承諾されたため、それをまだ知らないであろうウソップ達にも知らせなければならない。
それに外科とはいえ医者でもあるらしいローにも子供達を診てほしいというのもあった。


「…絶対ウソップとチョッパーが反対すると思うんだけど」

「まあ何とかなるって!」

「ならないわよ!『四皇』よ!?『四皇』!!それもよりにもよって『百獣の』、って名前がついてる『四皇』よ!?絶対死ぬわ…私達…!!」

「死なねェって!」

「し・ぬ・の・よ!!!普通は!!!あんた全然考えてないでしょ!!」


陽気なのは良い事だ。
陽気な人間が1人いるとそれだけで周りは明るく楽しい気持ちでいられ、何よりこういう状況の場合精神的にも助かる。
…が、陽気すぎるのも問題である。
ニカッといつも通りに笑うルフィの言葉にカチンと来たフランキー(ナミ)はいつも通りゴン、と拳骨を落とした。
いつも以上に固い拳を受けたルフィの頭の天辺にはいつもより大きなコブが出来上がる。
『いってェー!』と叫ぶルフィにアスカは『自業自得だ』と冷たく切って捨てた。


「……………」


仲睦まじい麦わら海賊団のコントをローは少し後ろで見つめていた。
まだ再会して間もないローには3人の間に入る隙間はない。
馴れ合うつもりは元々ないのだが……だが…ローはどうしてもルフィとアスカを見ていると気に入らなかった。
ローの目線の先にはアスカとルフィの手がガッチリ握られている。
それも恋人つなぎと世間一般で言われている握られ方で。
2年前まではここまで深い仲を見せ付けられる事はなく、どういう経緯なのか知らないが本当に恋人なのだと見せ付けられているようでアスカに長い間片思いをしてきたというローにはあまりいい気分ではない。
もしかしたら心変わりしたのだろうか…ローはそう推測した。
2年も離れてしまえば自分に絆されたアスカの気持ちも冷静となり我に返るのは当たり前であり、もしかしたら自分が惚れるよりも前にルフィとデキていたのかもしれないし、そもそもアスカに好きだと言われていなかったため自分に惚れてさえいなかったのかもしれない。
それはありえない話ではなかった。
どうやら話によれば2人は憎らしくも幼馴染らしく、更にアスカは麦わら海賊団の副船長である。
幼馴染だからと言って恋をしないとは限らないし、船長と副船長の恋も珍しくはない。
あの時…アスカが傷を負っていた状況でルフィから奪うなど空気の読めない事はローには出来なかったが…それを少し後悔していた。
アスカの気持ちを配慮した結果、まだ決まってはいないがもしローからルフィへと想いが移ってしまったとしたら…きっとローは同盟破棄または同盟の目的が遂行された瞬間にアスカを攫っていくだろう。
長い間アスカと離れ離れになってしまったからこそアスカの想いが強くなっているのだからローは簡単にアスカを諦めることはできなかった。
たかが恋人がいるくらいで諦めるのなら10年以上も片思いをし続けてはいない。
奪ってでも手に入れる……これでこそ海賊あるべき姿である。

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