シーザーがブローカー達にある程度説明し終えると、準備していた部下の囚人達からスマイリーを確認し指示通り霧に映像を映したという連絡が入った。
『M』ことシーザーはその報告を受け、囚人達を心配しそこから離れるよう言うが、その途端にソリが溶けて使い物にならなくなりその上ドラゴンが逃げてしまった。
勿論、これはシーザーの仕業であり、シーザーはその報告を受けわざとらしく驚いて見せ、ミコトとモネの女性陣に内心突っ込まれていた。
シーザーは何も知らず自分を『マスター』と慕う囚人に『防御服など役に立たないから脱ぎ捨てて逃げろ!』と伝え、その通りにした囚人達はスマイリーから必死に逃げ出した。
シーザーは逃げ出した囚人達を確認した後、霧にモニターを映す。
シーザーがモニターに映った瞬間、スマイリーが主人に気付く。
同じく、スマイリーに追われる形で走っていたナミ(サンジ)達もシーザーに気付くも逃げる事を優先としているのかシーザーを無視して走っている。
「スマイリー!!会いたかったぞー!!3年ぶりだなァ!!!」
≪バオ〜〜!!≫
画面越しの再会にスマイリーもシーザーも涙を流す。
3年ぶりとは言え主人を覚えていたスマイリーは嬉しそうにモニターに駆け寄り飴玉の前で立ち止まる。
「懐かしいじゃないかスマイリー!お前の為に美味しいエサを用意したが…まだ、『待て』だぞォ?シュロロ!つもる話もあるなァ…スマイリー、覚えているか?…あれは…そう…4年前――――あ!!」
ズササ、と雪煙を立てながらスマイリーは嬉しそうにモニターの前で立ち止まり、主人を見上げていた。
その嬉しそうな顔にシーザーも懐かしそうに過去を振り返ろうとした。
そう…
振り返ろうと、した。
4年前に起こった出来事を語ろうとしたシーザーだったが、『待て』が出来なかったスマイリーが途中で飴玉を食べてしまい言葉を切るしかなかった。
咄嗟に『よし!!食べていいぞスマイリー!!』と叫んだが後ろからモネに『聞いてないわね、彼。』と突っ込まれ、ミコトからは同情した視線を貰う。
しかし今の彼にはモネの突っ込みも、ミコトの同情めいた視線も、どうでも良かった。
「食った…!!エサを…!食ったな!!『スマイリー』!!!」
今のシーザーには、モニター越しでスマイリーが飴玉を食べたことしか映っておらず、更にシーザーは『生まれ変わるんだ!スマイリー!!』と声を高々に上げた。
スマイリーはボコボコと煮えたぐるような音をモニター越しにさせ、少しずつ溶けていく飴玉をシーザーは今か今かと完全にとけ切るのを待つ。
そして、ついにスマイリーの体内で飴玉が完全に溶かされ、それと同時にスマイリーの体がドロドロと液状になっていく。
「ごくろう、『スマイリー』……また会おう!!」
ボトボトと体の液体を落としていくスマイリーにそうシーザーが呟く。
「さァ生まれて来い!!殺戮兵器『シノクニ』…!!!島の景色を一変させちまえ!!!」
両手も挙げ、更にそう声を上げたその瞬間…――スマイリーは命を落とす。
命と引き換えにスマイリーは煙となり広く早く島に広がっていった。
そしてスマイリーの命が消えたのと同時に、ソリに積んでいたドラゴンのエサであるリンゴの1つに異変が起こったのだが…
それはミコトも、アスカも…知らない。
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