C棟4階には、シーザーの研究室があった。
そこでルフィは雪女と戦っている。
「おい!何やってんだ!鳥女!!」
ルフィはスモーカーと共に研究室へと向かっていたが、入ればそこにはシーザーとモネしかおらず、ルフィの姉であるミコトとスモーカーの狙いのヴェルゴの姿はなかった。
ローと交わした条件によってルフィの邪魔も出来ず、入った部屋に目的の人物がいなかったため、スモーカーはその場でルフィと別れた。
その際チラリとミコトがいたであろうソファに視線を送るも部屋中どこを探してもミコトの姿がない事にスモーカーは気付いていた。
部屋の隅に置かれていた自分の十手を奪い返しながらスモーカーはヴェルゴを探しに向かう。
そんなスモーカーなどよそにルフィはシーザー捕獲の為、入った早々シーザーを殴り飛ばした。
続けて攻撃を加えようとするも、鳥女と呼んでいるモネに邪魔さえ、そしてシーザーが逃げ出してしまい、今、ルフィはモネの能力で作ったカマクラのようなものに閉じ込められ行く手を阻まれていた。
モネは何度もカマクラを殴り壊そうとするルフィに外から笑みを零し中へと入り込む。
「いかが?これは十層に重なった"カマクラ"…そうそう壊れないわよ」
「何だ!時間稼ぎか!?こんなもんすぐに壊してやる!!無駄な事すんな!!お前には全然負ける気がしねェ!!」
「でしょうね、私もあなたと戦って勝てる気はしないわ…――けれど戦闘能力と勝敗は別物でしょう?」
「――!!」
ルフィが本気を出せば目の前を阻む雪の固まりなんてすぐに壊せるだろう。
それはモネにも分かっていた。
しかしモネの役目はシーザーを守り研究を守ること…主に戦闘はヴェルゴが担当していたため自分の能力の差など分かりきっている。
とは言ってもその変の海賊達ではモネには歯も立たないだろう。
だが、ルフィとの対戦では自分の方が力が弱いのをモネは知っている。
だからモネは力で勝負しようとは鼻から思っていなかった。
モネは雪人間であり、カマクラから体を出しふわりと雪の羽でルフィを包み込んだ。
冷たい雪がルフィを覆う。
「氷みてェな奴だ!!…この…離れ―――っ」
「離せはしないわ…私に抱きつかれた……あなたにはもう、そんな力は出せない…」
「…!!?」
「この冷たい体にみるみる体力を奪われていく…ほら、もう辺りは深い雪…たまらなく眠いはず…」
カマクラを作ったのも、床に雪を積もらせたのも…全ては凍死させるための下準備だった。
どんなに強力な体の持ち主でも、寒さからはその筋力も体力も役には立たない。
それに気付かずルフィはモネの作戦に嵌ってしまった。
だが…
「気持ちいいでしょ?そのままゆっくり目を閉じて……さァ、楽に…」
「―――"ゴムゴムの゙JET槍"!!!」
「――!!!」
ルフィはボーっとさせていた。
冷たい体はルフィから体力も体温も奪い思考を低下させる。
しかしルフィは突然声を張り上げた。
意識を朦朧とさせる自分に持ち直させるためだろう。
ルフィは"JET槍"で床に穴をあけた。
ルフィの技と声で驚いたモネが離れ、そして床に敷き詰めてあった雪も落ちていき、それで多少の寒さも凌げる。
ルフィにしたら頭を使った作戦だろう。
しかし、そのせっかくの作戦だが欠点があった。
「―――うわああああ!!!」
床を空けたルフィは当然重力に従って落ちていく。
既に手が離れていたモネは道連れにはならず小さくなっていくルフィを見送った。
「呆れた底力……だけどここから落ちるとダクトを通って地中深くの"ゴミ箱"行きよ……空でも飛べない限りあがって来れない…―――まさかの自滅とはね…さようなら。」
モネは呆れたように呟き、ルフィが自滅したと思い込む。
そして"ビスケットルーム"へ向かった。
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