サンジは逃げ遅れている最後尾に周り、毒ガスから最後尾にいる海兵達を蹴り飛ばして次々にガスから助け出していた。
やり方は乱暴にしろサンジは一通り海兵達を蹴り飛ばすと再び愛しのアスカとたしぎのもとへと戻って先頭を切る。
道なりに進んでいくとビスケットルームの入り口が見え、アスカ達は遠慮なく入っていく。
ビスケットルームはとても子供を遊ばせる場所とは思えないほどそこは何故か少し肌寒かった。
しかしビスケットルームには子供の声どころか人影もなかった。
「誰もいねェ!!」
「まだ置くに部屋はある!!」
「ガキ共を見つけて研究所から逃がすんだ!!」
ビスケットルームには子供の影すらなかったが、どうやら奥へと繋がっているようで、それを発見して海兵達は更に奥へと進む。
肌寒かったビスケットルームだったが、奥へと続けば更に寒さが増し凍えるような寒さに全員身震いをしたが、サンジは美女と美少女にいい格好を見せたい為にと海軍集団を率いて奥へと走る。
「突撃だァ〜〜〜!!」
「
何でお前が指揮取ってんだよ!!!」
しかしビスケットルームには既にゾロ達がいたようで、突入してきた海軍を率いるサンジにすかさず突っ込みを入れた。
ゾロの声を聞きアスカはビスケットルームを見渡しナミ達を捜す。
しかしあるのは白銀の世界とモネとゾロのみで、ナミ達と子供達はいない。
「アニキ!!ガキ共はいねェが"海賊狩りのゾロ"です!!」
「アイツは生意気なヤツなんだ!よし!野郎共!!下唇を引っ張ってバカにしろ!!」
「「「ヴィ〜〜!!」」」
「
あいつら雪で滑って頭打って死ねばいい…!!」
ゾロとサンジは犬猿の仲だと知られているほど、相性が悪い。
だからサンジは好機とばかりに海軍たちを使って下唇を引っ張って馬鹿にし、アニキと慕う海軍達はそれに続く。
もうゾロは心の底からの言葉を呟くしかなかった。
「ゾロ!ナミ達と子供達は!?」
「あいつらならこの先だ!」
ナミ達を探してもいないという事は…、とアスカはゾロに聞いた。
ゾロはサンジからのストレスをとりあえず落ち着かせアスカの問いに答えてやる。
しかし苛立った気持ちはそう簡単に落ち着かせれるわけがなく、つい言葉が荒くなってしまう。
まあそこはサンジを放置という選択を選んだアスカの責任でもあるという事にしておこう。
アスカはゾロの指差す方向へ走ろうとしたのだが…
「アホのクセにグットインフォメーション!!―――と思いきや後ろに美女〜〜〜!!」
「うおー!!マジでカワイイ!!」
「
ホンッットうるせェなお前ら!!アスカ!!お前こいつといるんならちゃんと管理しておけ!!!このバカを野放しにすんな!!!とっとと連れてけ!!!あいつ本気でジャマだ!!!」
「…なんで私が怒られるわけ?」
ゾロからの情報にサンジは褒め称えた。
しかし愛しのナミとロビンのもとへと向かおうとしたサンジだったが、目ざとくゾロの後ろにいたモネに気付き足を滑らせ後ろに倒れる。
その姿はまるでコントのようで、同じく海軍たちもモネに気付きその美しさに見惚れていた。
一々騒がしいサンジにゾロは苛立ちを頂点にさせ怒声を上げる。
サンジの暴走を一緒にいたのに関わらず止めにはいらなかったアスカにも八つ当たりが向けられ、アスカはムスーッと頬を膨らませ目をハートにさせ大量のハートを飛ばして転がるサンジのネクタイを掴みゾロの言う通りに連れて行く。
ゾロからの八つ当たりをサンジに向けているのか、ズルズルと引きずるその様子はとても容赦なかった。
だが、海軍達もメロメロになりながらもモネの姿に気付く。
ゾロやアスカ達はドラゴンを見ていたし、囚人達や茶ひげなどの下半身が動物なのも見て慣れたのか今更鳥女を見ても(サンジ以外)何の反応は示さなかったが、海軍達は驚いた声を上げた。
「しかし見ろ!あの姿!!人間じゃねェ!"人面鳥"だ!!」
「え〜〜!!?」
声を上げたのは鳥人間を見たからだった。
腕に生えている人間ではない羽、足は鳥の姿。
まさにハーピーそのもの。
仲間の言葉に気づきゾッとさせていた海兵達だったが…―――
「だがそれを差し引いてもカワイイぞ!!」
「むしろ妖艶な魅力!!」
「確かに色っぺー!」
化け物よりも何よりも…美女だという事に全てが覆された。
化け物だが、美女。
美女だが化け物……化け物という認識は美女という言葉によって覆われ、美女に弱い男達はサンジのごとく目をハートにさせる。
同じく美女であるたしぎや、絶世の美女のミコトがいても…やっぱり美女は飽きないのだろう。
美女美女だと騒がれモネは腕替わりの羽で口元を隠し、頬を染めて海兵たちから視線を逸らす。
どうやら照れているようで、褒め言葉に弱いらしいモネにゾロはすかさず突っ込みを入れた。
「――で、なぜここ雪振ってんだ!?」
「な…!何者で…あれ…」
美女に夢中で気づかなかったが、海兵たちは室内なのに雪が降っていることに気づく。
褒め言葉への照れも落ち着いたモネはズズ、と体を雪と同化させ、戸惑う海兵達に襲い掛かった。
「子供達を連れ去ろうとする輩を…!私は許さない!!」
海兵達の足を雪で動かなくさせ、モネは一人の海兵に襲い掛かろうとした。
しかし…
「"ラビット爆弾"!!」
「キャア…ッ!!」
ボン、と大きな音を立てモネの羽根が一瞬にして飛び散った。
モネは突然自分の腕が爆発し、襲い掛かる激痛と暑さに肩を庇い海兵達から飛び退く。
爆発した声のした方へ振り向けばそこにはアスカがいた。
「リサ…!あなた私達に…若に逆らうっていうの!?」
「?」
アスカの姿にモネは自分を攻撃したのがアスカだと気づき目を丸くする。
モネはアスカの…リサとは会ったことがない。
ドフラミンゴが愛している妹がいるのは聞いただけで、その妹であるリサが行方不明になっているというのも聞いただけ。
モネはリサが行方不明になった後に入ったため、リサに対し面識がない。
勿論リサという少女も自分に対して面識がない事は知っている。
だから首をかしげるアスカに対しそれほど疑問もわかなかった。
アスカは『若』という言葉が分からず首をかしげていた。
そんなアスカの仕草が惚けているように見えたのかモネは睨む。
「そう…惚ける気なのね…!!若はあなたを大切にしているというのに…!!なぜ抵抗するの!!リサ!!!」
アスカに怪我を負わせればドフラミンゴから制裁が下される。
そうモネはヴェルゴに教えられた。
ドフラミンゴは身内に甘い。
特に"妹"には。
モネからしたらドフラミンゴの妹であるはずなのに…それだけで幸せなのに、どうして逆らいルーキーの海賊団に入り肩入れするのかが理解できなかった。
しかしどちらかと言えばアスカの方が理解できないだろう。
記憶を失っているあの空白の時間、アスカは自分が何をして、何をされ、どうやって生きてきたかなど全く覚えていない。
だから責任がないとはいいがたいが、記憶がないアスカからしたら意味の分からない事で難癖つけられいい迷惑でもあった。
モネは全く理解できないアスカの行動に苛立ちを覚え、能力で積もっている雪にもぐりこむ。
「!――あの女…!!」
先ほどまで自分と戦っていた女が自分ではなくアスカへ標的を変え、ゾロは腰にさしている刀へ手を伸ばす。
アスカも来るであろう敵に構える。
しかし…
「!!――ッキャア!」
しかしゾロが向かうよりも早く、アスカを助けに向かった人物がいた。
「ぅ゙…!――覇気使いの剣士!!」
その人物とは、たしぎだった。
ゾロと同じくたしぎもアスカに襲い掛かろうとするモネに気づき駆けつけた。
ただゾロとは違い距離的に近かったためゾロより先にアスカを助け出せたのだろう。
覇気を使いモネの羽を切り付けた事でモネが止まり、アスカは構えを解く。
「ガスは一旦部屋の入り口で止めました!!でもまたどこから漏れ出すか分からない!!――時間はありません!!全員全力で子供たちを追ってくださいっ!!」
「た、大佐ちゃんは!?」
「私は残ります!!」
「「「ええ!?」」」
「ここには…私が必要かと!」
たしぎの登場に海兵たちからは歓声が沸いた。
たしぎは数人の部下と共に来た道に続く入口を塞ぎ、多少のガスの進行を食い止める。
しかしそれはただの応急処置に過ぎず、ずっこここには足を止めていられないだろう。
それに子供達を救出するいう大事な仕事もあった。
その子供たちを部下達に任せ、たしぎはここに残ると言い張る。
その言葉にゾロは…
「あァ!?」
相変わらずの悪人面で凄んだ。
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