海賊と別れ、子供たちを見送った後、海兵達は囚人たちに防護服を借りてガスが充満する中へと入っていく。
この防護服はベガパンクが制作した物で、シーザー作ったガスは全く聞かないらしい。
だからシーザーはあの時囚人たちに防護服を脱いで逃げろと言ったのだという。
しかもそのガスも全身白く固まるが、仮死状態になっているだけで死んでいないらしいのだ。
しかし、それも半日というタイムリミット付きではあるが。
それでも仲間を救えると海兵達は急いで仲間達の元へと向かった。
「すまねェ!おれ達まで島へ入る許可を貰っちまって!あんたの名前は忘れねェよ!!これで仲間達の命を救える!!必ず捕まりに戻るからな!!」
「どうせ出口はここしかねェ…早く行け」
その中に囚人たちもいた。
囚人たちも多くの仲間をガスでやられており、助けに行く許可をくれたスモーカーに感謝した。
その時茶ひげは戸惑いながら大将のミコトをチラリと見たが、スモーカーに『こいつは一般人だ…気にするな』と言われミコト自身何も言わないため言葉に甘えさせてもらった。
防護服を来て中に入る部下と囚人たちを見送っているとガヤガヤと騒ぐ声が聞こえ、そちらに目をやる。
「あれ!?首が飛んでくる!!」
「あァ!?そんなバカな!!」
そこはローが交渉のため能力で頭だけを切って持って行かれたドンキホーテファミリーの二人…ベビー5とバッファローだった。
ジタバタと動いているが首から上がない状態に、能力だからと分かっていても気味が悪い光景だった。
しかしふと空を見上げた海兵が何かを見つけ、目を凝らしてみればそれは二つの首だった。
仲間が目の錯覚じゃないかと言う前にその飛んできている首らしきものは己の体へと戻りくっつく。
「―――!!」
「あいつは…!!」
2人の首が繋がり、驚いているのも束の間…その二人の間から何かが海兵達の間をすり抜けていく。
それを見たミコトは目を丸くし、スモーカーもその姿に表情を険しくする。
その人物とは…
「ド!!―――ッドフラミンゴォ〜〜〜!!?」
「な、なぜここに!?」
七武海、そして"ジョーカー"である…ドンキホーテ・ドフラミンゴだった。
ドフラミンゴはざわつく海兵達を見ることなく…そして手を触れることなく、次々と気絶させていく。
それはドフラミンゴの持つ"覇王色の覇気"だった。
ミコトはビリビリと刺すような覇気に表情を厳しくさせる。
「てめェ!!何すんだァ!!"七武海"がなぜ海軍に手を出した!?」
いきなり現れた七武海にどよめきたつ。
しかしドフラミンゴは自分の覇気に耐えいきり立つ海兵など気にも留めていなかった。
「誰もいねェな……船もねェ……ついさっきまで…海賊達がいたはずだが…どこへ行った…スモーカー…!!」
周りの海兵達など気にも留めず、ドフラミンゴはギロリとスモーカーを睨みつける。
ここにロー達がいないことは読んでいたが、それでも腹が立つのだろう…先ほどから殺気や覇気が強く周りの海兵達もいつ気を失ってもおかしくはなかった。
「良くも同志達を!!」
「!―――よせお前ら…!!!」
覇気で気を失ったとはいえ、七武海が海兵に手を出すのは許される行為ではない。
それなのにドフラミンゴは覇気を海兵達に向けた。
怒りのままに任せ海兵たちは銃をドフラミンゴに一斉に向けた。
それを見てスモーカーが止めるのだが…
「ローはともかく…"麦わら"はただの海賊!!―――どこへ逃がしたんだてめェらァ!!!」
「ぎゃあああ!!!」
ドフラミンゴは銃を向けた海兵全てに能力で斬っていく。
ドフラミンゴは何もいていないように見えた。
ただ手を動かしただけの仕草をしていたのに…海兵達は全て血を流し倒れる。
それを見た瞬間スモーカーが動きだし、能力をドフラミンゴに飛ばす。
しかしそれを難なく避けられてしまったが、それはスモーカーも読んでいたのか焦りはない。
「クソガキ共はどの方角へ消えたァ!!!」
ロー、ルフィ、シーザー、そして…リサ。
目的の人物すべてがいない事にドフラミンゴは苛立ちを抑えきれない。
スモーカーはドフラミンゴの言葉に、ローの向かう方角を思い出す。
「…さァ知らねェなァ"ジョーカー"……みすみす取り逃がしちまって…ヴェルゴ基地長に申し訳ねェよ…」
「…もういねェんだろ!!?お前…少し知りすぎたようだなァ…!!!」
先手を打ったのはドフラミンゴだった。
能力を放ち真っすぐ切りつける。
しかしスモーカーもドフラミンゴの攻撃を避け、煙になり攻撃しようとした。
ドフミランゴがどんな能力かは分からないためスモーカーは覇気を纏い襲い掛かり、しかしそれをドフラミンゴは余裕綽々に次から次へと能力を放つスモーカーを避けていく。
正直に言おう…この戦いはスモーカーは負ける。
ミコトは見ていてそう思った。
実力の差が違うのだ。
それに覇王色の覇気持ちという相性も悪かった。
そうしている合間にも空中戦となり、見えないドフラミンゴの能力で傷を作っていく。
着地した二人の息の荒さや怪我の差は一目瞭然で違っていた。
「駄目だァ!!奴の得体の知れねェ能力の的になっちまってる!!」
「なんで海楼石の十手を使わねェんだ!!あれなら能力者の攻撃も無効化できるのに…!!」
海兵達の言葉にミコトはヴェルゴとの戦いを思い出す。
能力者対策のあの十手はヴェルゴの戦いの末、真っ二つに折れ役目が果たせなくなっているのだ。
スモーカーも出したくても出せないのだろう。
息が上がってるスモーカーを見てドフラミンゴはクツクツと笑う。
「フッフッフッフッフ!!お前じゃ相手にならねェよ!大人しくやられておけ!!」
十手が折れたことを知らない海兵達からすればハラハラものらしく、海兵達はドフラミンゴの強さを間近に見て怯えながらもこのまま殺されるスモーカーを見ていられずグッと持っていた銃や剣を握りしめ立ち上がる。
「スモやん!!」
「おれ達も戦うぜ!!」
立ち向かってどうこうなる相手ではないのに海兵達はドフラミンゴに向かって剣や銃を向けた。
それを見たドフラミンゴがニッと笑って見せ『お前たちから先に死ぬか?』と手を海兵達に向けた。
「ッ―――来るなァァァ!!!」
部下たちがこちらに向かってくるのを見て声を上げたのと同時に、ドフラミンゴが素早く手を伸ばした。
間に合わない―――スモーカーはそう思った。
その時…ドフラミンゴと海兵の間に炎が上がった。
「―――!!?」
ぼお、と大きくはないが小さくもないその炎の壁にドフラミンゴ、そしてスモーカーは目を丸くした。
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