(132 / 274) ラビットガール2 (132)

ナミが考えに考えて提案したもの…それがルフィと一緒に入れ作戦である。
それに反応したのは言い渡されたアスカとルフィ、そしてアスカに恋する男の子であるロー。
最初に抗議したのはローだった。


「おいナミ屋!なんでアスカと麦わら屋が一緒に入る事になる!?」

「そうだぞ!ナミ!!なんでおれも一緒に入らなきゃいけねェんだよ!!」

「だってあんたまだ入ってないでしょ?」

「入ってねェっていうか入りたくねェ!!まだ入らなくても平気だ!!」

「あんたはねでもナオちゃんがアスカと入りたいって言ってるし」

「だからってなんでおれも入らなきゃいけねェんだ!!ナオはお前が入れればいいだろ!?」

「そうだ!なんで麦わら屋がアスカと入らなきゃならない!!入るならお前だろ!ナミ屋!」


ローもアスカとの間に溝ができているのは分かっており、再会した時拒絶された事からあまり強くは出れなかった。
強く出て嫌われたくはないというのもあった。
しかしルフィとアスカを一緒に風呂に入らせようとするナミにローは我慢が出来ず異論を申し立てる。
そのローの勢いに乗ってルフィも風呂嫌いだからと続くが…


「ルフィ、最後に入ったのいつ?」

「……きのう」

「んなわけないでしょうが!あんた最後に入ったの五日前でしょ!?入りなさい!!」

「……やだ」

「アスカ〜」

「OK―――アレクサンドラ」

「ゴフッ」

「ギャーーーッ!!アレクやめろォォ〜〜!!ちくしょー!ナミの鬼ババァ〜〜〜!!」

「誰がババァだ!!」


ナミにジト目で問われ、ルフィはその問いにぶわっと汗をかき、目を逸らす。
あからさまな嘘にナミはアスカにウサギを出してルフィを無理矢理運んでもらう。
ナミの様子からアスカは直葉と入る事は諦めたのか素直にアレクサンドラと呼ばれた強面ウサギにルフィを担がせ、ついでに眠そうな直葉の手を引かせて連れて行かせる。
しかし不安もあった。


「大丈夫よアスカ…ルフィにナオちゃんを相手させてる間に体とか髪とか洗えばいいんだし…あいつもそれを十分わかってると思うから協力してくれると思うわ」

「…だといいんだけど…」


不安そうなアスカに気付いたナミがフォローし、アスカもそれでホッとしたのだが…


「ま、待つでござる!!」

「「?」」


モモの助がナミ達に待ったをかけたのだ。
その声にアスカとナミはモモの助を見下ろす。
モモの助の顔は恋とお湯でほんのりと赤かったのに、今では血の気が引いたような真っ青な顔をしていた。


「あ、あの者と直葉を一緒に入れるのでござるか!?」

「え?そうよ?一石二鳥で丁度いいし」

「な、直葉が親族以外のお…おおお(おのこ)と一緒に…!?な、ならぬぞ!ならぬ!!そんな破廉恥な事駄目でござる!!」

「ええ?や〜ねェ〜大丈夫よモモちゃん!相手はルフィよ?」

「し、しかし…直葉は母君から預かった大切な娘…!いくら直葉が子供でも見知らぬ男と風呂に入ったと母君が知れば悲しまれるでござる!」


モモの助の淡い恋心を知っているナミは、必死になるモモの助を微笑ましく感じる。
だが、ワノ国では子供であっても男と風呂にはいるのはタブーなのか錦えもんからも母親を出され異論を唱えられた。
まるで自分が責められているようで、ナミは困惑する。


「拙者はまだ風呂に入っておらぬゆえ、直葉は拙者が入れよう!!なあに!拙者はモモの助の父親!!直葉と風呂に入ってもおかしくはない!そうであろう!?モモの助!!」


錦えもんはナミ達が何を言う前に直葉をアスカから奪うように抱き上げ数歩後ろに下がる。
がっしりと抱き込む錦えもんの態度に違和感を感じたが、ワノ国の習慣を知らないため無理は言えない。
ナミは絶対にアスカとお風呂に入れたいわけではないので、手を挙げて『分かった、分かったから落ち着いて』と錦えもんを宥める。
お陰で錦えもんは落ち着いたが、寝ぼけている直葉はアスカではないためか『ゔ〜』と眉間にしわをよせ唸ったが、抵抗より眠たさが勝っているのか無抵抗だった。


「じゃあ!おれも…」

「あんたは入る!」

「ええ〜〜!?なんでだよ!ナオを入れなくていいなら別に入らなくてもいいじゃねえか!」

「だから臭いの!いいから入れ!」


背中を蹴り飛ばす勢いでルフィをお風呂に入らせようとする。
新規のモモの助達以外は見慣れた光景なため、止める者はいない。


「いや待て待て!!!なんでだよ!!麦わら屋が一緒に入る必要ないだろ!!!二人で入らせたいならナミ屋でいいだろ!!いや!ナミ屋と入れ!!」


見慣れた光景でも、新規で船に乗っているロー達には驚きの光景だった。
ナミの肩をガシリと掴んで止めるローに、ナミは目を丸くする。


「えっ…ちょ、ちょっとトラ男!?あんたもなに言ってんの!?っていうかあんた関係ないでしょ!?」

「関係ある!!」

「どう関係あるのよ!!」

「おれはアスカに片想いしてるからだ!!」

「〜〜っ!!」


ローは『ドンッ!』と効果音が出る勢いで突然告白した。
告白しなくてもパンクハザードのトロッコで知ってはいるので驚きはないが、見事な告白であった。


「だから入るならおれがはい―――」

「――らせるかァ!!何言ってんだてめェ!!」

「そうよ!!片想いならなおの事許しません!!」

「なら麦わら屋はどうなんだ!!船長だからか!?船長だから許すっていうのか!!」

「そんなわけないじゃない!!アスカと幼馴染だからよ!」

「幼馴染も同じだろ!!」

「違う!」

「じゃあなんだ!!麦わら屋とアスカは幼馴染だから一緒に風呂入ってもいいってことか!?世の幼馴染はみんなそうですってか!?」

「世の中は違うけどうちはそうなの!!うちの幼馴染はそうなの!!」

「!?」


ルフィが許されるのなら自分も許されるのではないだろうか。
ナミ達は知らないがローもアスカの背中の事を知っているし、ナミ達には言えないがセックスもした。
だから立候補したが、当然ながらナミとサンジに却下された。
ルフィとアスカが一緒にお風呂に入る仲だと知ったローはショックを受けながらも真相を聞き出そうとアスカに振り返る。


「アスカ!!今のは本当か!?」

「アスカならさっさと風呂入りに行っていないぞ」

「な…!?」


しかし、そこにはアスカの姿はなかった。

132 / 274
| top | back |
しおりを挟む