気が付けばジャンゴは眠っていて倒れていた。
ウソップとゾロもカヤを追いかけたジャンゴを追いかけこの森に入っていた。
そして見つけた時、アスカと対峙しており、ウソップがゾロにパチンコで狙う際邪魔な木の枝を切ってもらい、ゾロが来るであろうウソップの弾を避けながらアスカにも回避するように叫んだ―――というわけである。
顔を上げたアスカの目の前にジャンゴが倒れており、近づく気配に振り返ればゾロがいた。
そしてゾロはアスカとの再会に発した言葉は―――
「なんだ、お前も来てたのか」
だった。
アスカはその言葉にカッチーンと来たのか屈んで伏せていた体を立ちあがらせ無言のままゾロへと歩み寄りウサギ化したままの手でゾロの頭をスコーンと叩いた。
「いってーな!!何すんだよ!!」
「何すんだもなにもあんたのせいでしょーが!!」
「なんでだ!!おれァ何もしてねェだろうが!!」
「あんたが!私の!服を!掴まなきゃ!今頃!北の!坂に!いて!あいつを!引き留められてたんでしょォォがァァ!!」
「ぅ゙…そ、それは………正直…すまん…」
スコーンと頭を叩かれたゾロはウサギ化した拳の予想以上の痛みに涙を溜め、アスカを睨む。
だがアスカも負けじとゾロを睨み返し、言葉を区切りながらその度に人差し指で強くゾロの胸元を突く。
胸元ではなく、言葉で痛いところを突かれたゾロは返す言葉もなく、言葉を詰まらせながらそっぽを向き弱弱しく謝ってしまう。
実際、アスカが油で足止めされなかったとしても、ジャンゴが足止めされていたという確証はない。
だがアスカの気迫はそれに突っ込ませないほど強く、ゾロはそれに負けたのだ。
そして、鬱憤も晴らしたアスカはゾロと共にルフィ達のいる坂へと向かった。
本来すぐつくはずの北の坂だったが、2人がついたのはあれから30分たった頃だった。
その理由としてはゾロの方向音痴にあった。
ルフィもどちらかと言えば地図に弱く迷う事は迷うが、ゾロはそれの上を行く方向音痴だった。
彼に出会った頃、村に帰れなくなったと言っていたのを思い出し、アスカはそれに納得した。
何故右だと言っていたのにゾロは左へ向かい、左だと言っていたのに引き返すのか…方向感覚では普通のアスカには理解しがたい才能であった。
しかも先導しても勝手に方向を変えるため、アスカは仕方なく嫌がるゾロの手を取って坂まで先導した。
もはや坂に着くまでが一苦労で、正直戦闘より疲れていた。
やっと着いたとき、どうやらルフィ達も決着がついておりあの執事だったクラハドールが気を失っているだけで他の海賊達の姿はなかった。
アスカはルフィとナミを見つけゾロを引き連れたまま手を振って歩み寄る。
「アスカ!無事だったのね…!―――ってどうしたのその足の怪我!!」
「あ、そういえば…」
アスカがナミとルフィの名を呼ぶと背を向けていた2人が一斉に振り返る。
ナミがアスカの姿にほっとさせ手を振り返しかけた時、アスカの足首から赤い何かが流れているのが見えた。
その赤いものとは…アスカの血だった。
ジャンゴの武器で足首を傷つけられたアスカだったが、ゾロのあの憎たらしい一言で痛みも吹き飛び、ナミに言われるまで忘れていたようである。
思い出せば痛みも思い出し、しかし動物系の能力者ゆえに若干痛みに鈍いためかそれほど痛がる様子は見えない。
足だけではなく逃げている間に木の枝やらでかすり傷も沢山ついておい、ボロボロの姿のアスカを見てルフィはぎょっとさせた。
「アスカ!お前戦ったのか!」
「まァ…戦わざるを得なかったというか…」
「お前なー!お前に何かあったら姉ちゃんに怒られるの俺なんだぞ!!もう戦うなよ!!っていうかいっそのこと檻で暮らせ!檻で!!」
「……そのままお姉さまに嫌われればいい…」
「何ィ〜〜!!?」
「ちょ、ちょっと!やめなさい!っていうかよくあれだけ戦っておいて喧嘩する余裕あるわねあんた!!」
ルフィに怒られそっぽを向きポツリと呟くアスカにルフィは座っていたが立ち上がってアスカに詰め寄った。
だが相変わらず手だけは出さず言い合いを始める。
ルフィが決して自分に手を上げないと分かっているからか、アスカは腕を組んでそっぽを向いて拗ねたように見せた。
背を向けるアスカにルフィが肩を掴んで自分に向き直そうとしたのだが、まだルフィが絶対アスカに手を上げないと知らないナミは慌てて2人の間に入り、そしてアスカを背に守り仲介に入った。
あれだけの戦闘をしたというのに、ルフィもだがみんな力が有り余っているかのように騒いでいた。
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