キンキン、と刀の刃と刃がぶつかり合う音が鳴り響きミコトとコテツは滑るようにお互い距離を置く。
「ハァ…ハァ……!」
「あらあら随分息が切れておいでで…ふふ、もうリタイアしますの?」
「ほざけっ!!!」
ミコトの言葉にコテツは斬撃をミコトに向けるも傾世元禳に吸い込まれて防がれてしまう。
それを見て舌打ちするコテツにミコトは目を細めていたその時、頭上から無数の青い炎の矢がミコトに振ってきた。
「!!?」
「……………」
「覇気を纏ってもダメなのかよい!!とんだチートじゃねえかい!!」
「マルコ!!」
ミコトはマルコを見上げながら傾世元禳で全て防ぎ傷1つもなく頭上から降りてくるマルコを目で追った。
コテツは横に下りてくるマルコを睨みつける。
「これはおれの戦いだ!!お前らは引っ込んでろ!!!」
「そうもいかねェだろい。黒蝶の強さは厄介だからねい……確実に一対一じゃ勝てねェよい」
「…………っ」
マルコの言葉にコテツは舌打ちをして正面のミコトを睨む。
ミコトは2人の強面の男に睨まれても恐がる事なく、逆に笑みを深め飛刀から禁鞭へ持ち返る。
「なら…わたくしも本気でいきましょう……」
「!…ムチ…?」
「気をつけろよマルコ!アレは黒蝶の得意とする武器だ!…一振りすれば広範囲の攻撃が来る……!!」
「へェ…やばそうだねい」
「参ります」
禁鞭を見てマルコは眉をひそめるがコテツの説明に一気に冷や汗をかく。
そんな2人をよそにミコトはヒュン、とムチ特有の音をさせ禁鞭を2人に向ける。
「!!」
「くそっ!!!」
コテツの言う通り本当にムチかと疑いたくなるぐらいの広範囲の攻撃にマルコとコテツは必死に避けながら隙を伺う。
当然の事ながら能力者のマルコが加わった事で覇気が加えられ触れれば不死鳥のマルコとて無事では済まされないだろう。
ミコトは上手く自分の攻撃をかわす隊長2人に笑みを深め、戦いを楽しんでいた。
そして一気に吹き飛ばそうと禁鞭から五火七禽扇へ変えた隙を見てマルコが不死鳥と姿を変え上からミコトを狙う。
「甘いわね、1番隊隊長さん…」
「っぐ…!」
五火七禽扇を一振りして突風を生み出しマルコを吹き飛ばす。
だが…
「!」
マルコの口角が上がっているのを見てハッとなり前を向くとコテツが目の前まで迫っていた。
「甘いのはお前だ…黒蝶!」
「……ッ!!!」
マルコに気を取られていたせいで近くにいたコテツに気付かず接近させてしまい、ミコトはコテツに斬られてしまう。
自分の血が舞うのを人事のように、そしてスローモーションで見ながらミコトはその場に倒れる。
「おお!!あの黒蝶を倒した!!!!」
「流石0番隊と1番隊の隊長!!!」
周りの海賊達は黒蝶が血を流しながら倒れるのを見て歓声がわくがコテツは浮かない顔でミコトを見下ろす。
するとマルコが隣に降りてくる。
「やったかよい?」
「…いや……コイツは首の動脈を切っても起き上がる女だ…油断は出来ん…」
「首の動脈を切っても起き上がる…?本当かよい…」
「……さあな…」
「ふふ…」
「「!!」」
息が上がっている2人の耳にミコトの笑い声が届く。
声を聞いたその時、目の前のミコトは砂になり砕けていった。
「懐かしい話をしているのね、コテツ」
「!…てめ……、…―ぐッ!!!」
周りを警戒していると背後から物凄く近い距離でミコトの声が2人の耳に届き、マルコとコテツは咄嗟に振り返り距離を置こうとするがコテツの髪をミコトが掴み後ろに引っ張り仰向けに倒れる。
起き上がろうとするがミコトが足を乗せた瞬間コテツを中心に地面がへこんでいく。
まるで何tもの重さがそこに乗っているかのように。
「コテツ!!!」
コテツを助け出そうと一歩踏み込んだその時、赤い光りに包まれたかと思うと急に体が重くなりコテツ同様マルコの周りが何かの重みでへこんでいく。
ミコトの片手には黒いボールのような物が手の平で浮いており、その周りにも手の平に浮いているボールより小さい物がいくつもミコトの周りに浮遊していた。
「て…めェ…!!なに…っ…したんだ、よ…い!!」
「ふふ…あなたは重力…コテツは重さ……さぞお辛いでしょう?可哀相に…今楽に…」
≪何をしてる!たかだかルーキー二人に戦況を左右されるな!!!その男もまた未来の『有害因子』!!幼い頃エースと冷酷ウサギと共に育った義兄弟であり!その血筋は『革命家』ドラゴンの実の息子!!!冷酷ウサギは『四皇』の1人である赤髪のシャンクスの娘だ!!!!≫
「!」
センゴクの通信は遠くにいるミコトにも届いていた。
微笑んでいたミコトだったがセンゴクの通信を聞き笑顔を消してセンゴクへと顔を上げる。
「勝負は預けます」
「なに…!?」
ミコトの言葉にコテツは眉をひそめるがミコトはコテツを無視し、マルコに近づいて何かを耳打ちして去っていく。
「それはどういうことだよい!!おい!!黒蝶!!!!」
マルコが幾分か軽くなった体を起こし飛んでいくミコトを見上げながら声を上げる。
そんなマルコにコテツはマルコの傍へ近づく。
「何を言われた?」
「オヤジの傍にいろって……わけ分からねェよい…」
「……………」
「敵なのか味方なのかハッキリして欲しいところだが…」
グチグチといいながらも立ち上がり白ひげの元へと飛んで行こうとする。
「行くのか?」
「ああ、あの言っている意味はどうあれオヤジを1人にはさせられねェだろい」
「そうか…」
死ぬなよい、と縁起でもない事を言い残しながら不死鳥となったマルコは飛んでいった。
コテツはミコトを見つめ、海軍の数を減らすため刀を拾う。
「おじ様っ!!」
「構わん…もう隠す意味もないわい…!ルフィとアスカはすでにそんなレッテル物ともせん程の無法者………!!」
「おじい様…」
ミコトはルフィ達の父親を暴露したセンゴクに咎めようと飛んできたが、祖父であるガープに言われてしまい何もいえなくなってしまった。
チラリとエースの方を見るとエースもミコトを見ていたのか目が合うが、ミコトはすぐに目線を戦場へ戻す。
「…………」
エースはすぐ逸らした姉に目を伏せルフィとミコトへと目線を戻す。
そこには巨人族2人を相手にルフィとミコトが戦っておりその巨人族を倒しているところだった。
そんな2人を見て仲間達が歓声をあげる。
エースは俯いていた顔を上げる。
「エース?」
「どうした」
「もうどんな未来も受け入れる…差し延べられた手は掴む…!おれを裁く白刃も受け入れる……もうジタバタしねェ!みんなに悪い!!」
「……………」
エースの言葉にミコトは、エースから戦場へと目を移した。
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