「討ち滅ぼせェ〜!!『海軍本部』!!!」
「直線上には入るなよ」
「おお!!」
広場へ上がった海賊達は処刑台を目指す。
白ひげは再び薙刀の刃に能力をつける。
「もう一発来るぞ!さっきのやつが!!!」
「"アイスボール"!!!」
「凍った!"白ひげ"が!!」
青雉が薙刀を振り回す前に白ひげを凍りつかせる。
だが…
「あらら…ダメかァ……"振動"は凍らねェなァどーも…」
白ひげは凍り付けされていたはずだが氷の中で青雉を睨みつけ、氷を砕く。
その瞬間青雉が飛び上がって白ひげに向かっていくが白ひげの薙刀に刺されてしまう。
「"覇気"で刺した!!?死んだか!青キジ!!」
「NO〜!バカ言っちゃいけねェよ」
青雉は自分を刺している薙刀を瞬時に凍らせ氷の刃を白ひげに向けようとするが…
「んん?」
横からの衝撃に青雉は粉々に砕ける。
「オヤジ、先へ!」
「ああ」
「"ダイヤモンド"ジョズ〜〜…」
青雉を白ひげから離したのはジョズだった。
元に戻る青雉だったが口端から血が流れていた。
白ひげは青雉をジョズに任せ、歩いていると頭上に影が差し上を見上げる。
白ひげの頭上には海水らしい水の塊が宙に浮いており、白ひげが上を見上げたその瞬間、その水の塊はまっすぐ白ひげへと落ちていく。
その水を白ひげは能力を使い跳ねのけた。
散らばった水はピタリと宙で止まったかと思えば周りにいる海賊達に向かって落ちて行った。
その瞬間その水に触れた海賊達から悲鳴が上がった。
どうやらあの水は海水でもなければ水でもなく…酸だったらしく、その水に触れた海賊の肌は爛れたように真っ赤になる。
息子たちの悲鳴に一瞬後ろへ意識をやっていると前方から拍手が聞こえ、前に目をやるとミコトが微笑みながら拍手して白ひげの前で立っていた。
周りには海兵は誰1人居なかった。
「……小娘…」
「素晴らしいですわ…あのクザンさんを赤ん坊のように扱い、わたくしの技を普通に跳ね返すだなんて…あなたに敵うものはいませんね」
「……………」
「でも…毒なら、あなたに効くのかしら?」
「!」
微笑みながらミコトは手を前にだしその手から紫の液体が出て広がる。
手から紫の液体が地面に滴り落ちるが、その瞬間ジュー、と地面が溶ける音をたて煙が出る。
「最強の男が毒に勝てるか…面白そうな実験ではなくて?」
「…悪趣味な小娘だ」
白ひげの言葉に機嫌を悪くすることなくミコトは目を細めて笑みを深めた。
「人間、好奇心には勝てませんの…せいぜいすぐ死なないでくださいな」
ヒュンッヒュンッ、と手から毒が独りでに白ひげに向かっていき白ひげが構えたそのとき、2人の間で斬撃に毒が吹き飛ばされてしまった。
「「!」」
2人は目を丸くし、視線をずらすとコテツが刀を構えてミコトを睨んでいた。
「コテツ…」
「ハァ…ハァ……おれが居る事…忘れるんじゃねェよ!黒蝶!!」
「随分とボロボロね」
「うっせェ!!!オヤジ!!早く先に行ってくれ!!!」
「……ああ…」
コテツに先を促され白ひげは間を置くも頷いて歩き出した。
ミコトとすれ違うもミコトは白ひげに攻撃せず見送りコテツと対峙する。
「………………」
「ハァ…ハァ……、…」
2人はお互い睨みあい、動かなかった。
しかし傷1つなく息を上げていないミコトに比べてコテツは傷だらけ血だらけ服はボロボロ、息は上がって疲れ果てていた。
そんなコテツにミコトは溜息をつく。
「コテツ…あなたには失望しました」
「……ッ!?」
ミコトの言葉にコテツは一瞬にして絶望したように顔を青ざめる。
顔を青ざめるコテツをよそにミコトはコテツの目を見つめ、笑みを消す。
「海軍をやめた事、別に怒っていませんよ…"元々そういう計画"でしたものね……でも…いくらなんでもここまで弱くなっているとは…」
「……ぁ…」
「まだアルダ達の方が強い…」
「……ミコト様…ッ」
コテツは一歩、また一歩と後ずさる。
ミコトは一切笑顔を、甘さを捨て飛刀を手にコテツを睨むように見つめる。
「本気で抵抗しなければ死にます」
「っ!!」
ミコトは目に見えない速さでコテツとの距離を縮め飛刀を振り下ろす。
コテツも刀で受け止めるが、反射条件に近かった。
「白ひげ海賊団0番隊隊長"鬼人"のコテツ…随分な名前を貰ったようですのね…でもあなたには大それた名前…さぞ重みだったのでしょう…可哀想に……」
「……っちが…」
「大丈夫ですわ…もうそんな大それた名前に怯えることもなくなります……さようなら、わたくしの――――――…」
「――――ぐ、ぁっ!」
隙だらけのコテツの体をミコトは戸惑うことなく切りつけ、コテツは膝をついて血を吐き出す。
「かはっ!…ゼェ…ゼェ……ウ…っ!」
傷口を手で押さえ、コテツは跪く。
息の根を止めたつもりだったミコトはゆっくりとコテツに近づく。
コツコツとヒールの音を聞きながらコテツは近づいてくるミコトをゆっくり顔を上げながら見上げた。
自分を見下ろすミコトの表情はとても冷たくつい拳を握ってしまう。
「さすがね…殺したと思ったけれど…」
「ミコト様…ゲホッ!…ッ!」
「でも、限界みたいね…」
血を吐くコテツを見下ろし、ミコトは目を細める。
すると白ひげが胸を押さえ膝をつき、2人は白ひげへ目をやる。
「オヤ、ジ……!!」
コテツが立ち上がりミコトに背を向けて白ひげのもとへ駆けつけようと走る。
「……………」
ミコトは振り返らず目を伏せていたが飛刀を禁鞭に変え、周りに居た海賊達共々コテツに向けた。
ヒュン、と音をさせた後コテツ達はムチの攻撃に避けることが出来ず血を出しながら地面に倒れてしまう。
「……………」
ミコトは静かに、無表情に倒れるコテツを見下ろす。
「オヤジとコテツがやられた!!」
「マルコもジョズも危ないぞ!!!」
白ひげ達が押されぎみに仲間達は焦り始める。
そんな海賊たちをよそにミコトはゆっくりと倒れているコテツに近づき、飛刀を首へとつける。
ツー、と線を引くように軽く飛刀を引くとコテツの首筋に赤い線が一本引かれる。
「さようなら」
ミコトがコテツの首へ飛刀を振り下ろそうとしたその時、
「ウォォオォオォオォオォ!!!!!」
ルフィの雄たけびにピタリと飛刀を止めた。
「ルフィ…」
弟はボロボロになり、アスカもルフィほどではないが血も傷も増えていた。
それでもエースを助けにいく2人にミコトは複雑そうに見つめる。
「く…!」
「オォ〜…油断したねェ〜…」
その頃、何とか踏ん張り足を地面につけていたマルコは再生しようと炎をまとうが、
「しかし…再生するよね〜…"不死鳥"マルコ…」
「!?…海楼石!!!」
オニグモが自分は触らないようにマルコに海楼石の手錠をかける。
再生のできなくなったマルコに黄猿は容赦なく光線をマルコに撃ちつけた。
「ジョズ隊長もやられた!!!」
マルコに続きジョズが全身凍らされ、腕が割れてしまう。
「崩れたな"白ひげ海賊団"…」
「隊長達まで次々に!!」
青雉は血が滴り落ちる飛刀を手にコテツを見下ろすミコトを見つめ、そう呟いた。
コテツの体の下から血が血溜まりとなって広がっていく。
「グズグズするな!!全員で"白ひげ"の首を取れェ〜〜〜!!!」
センゴクの指示に海兵達は一斉に白ひげを撃ち付け、斬り付ける。
「オヤジ〜〜〜〜〜!!!」
「来るな!!!」
慌てて駆けようとした息子たちに白ひげは止める。
「!…オヤジ!!」
「ハァ…ハァ…こいつらァ……これしきで……!おれを殺せると思ってやがる!助けなんざいらねェよ………ハァ…ハァ…おれァ"白ひげ"だァア!!!」
襲い掛かってくる海兵達を白ひげは薙刀を振り回し吹き飛ばす。
その白ひげの姿と強さに海兵達はゾッとさせ後ずさってしまう。
「おれが死ぬ事……それが何を意味するか…おれァ知ってる……!!だったらおめェ…息子達の明るい未来を見届けねェと…おれァ…死ぬ訳にはいかねェじゃねェか…!なァエース」
「……………!!」
白ひげはエースを見上げ目を細める。
すると背後にジンベエや息子達が白ひげの背後に立っていた。
「何だ!?コイツら"白ひげ"の後ろに構えて!!」
「………………」
「お前らにゃあ…わからんでええわい!」
「おれ達はオヤジの"誇り"を守る!!」
「気が利きすぎだ…アホンダラ」
ジンベエ達の気遣いに白ひげは小さく笑う。
「未来が見たけりゃ今すぐに見せてやるぞ!"白ひげ"!!やれ!!!」
センゴクの命令に海兵達はエースの首へ刃を降ろす。
「……………っ」
処刑台を見上げていたミコトは拳を握り、エースを見つめていた。
「やめろォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
止めたくても止められないミコトは息を飲むがその時、ルフィの声がマリンフォードに響いた。
その瞬間周りの海賊と海兵の数人は泡を吹いて気を失い、処刑台の2人の海兵も気を失い刀を放して倒れてしまった。
「ル、フィ…あなた……」
ビリビリと来るその感覚にミコトは目を丸くしルフィを見つめる。
周りも唖然とし、ルフィを見ていた。
「おいおいマジか……!」
青雉が眉をひそめ、冷や汗を流しながらルフィを目で追う。
ルフィはその事に気付かずエースを目指していた。
「覇王色の覇気……」
ミコトは他の者とは違う意味で冷や汗をかき、小さく呟いた。
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