(14 / 21) 頂上戦争 (14)

「"火拳のエース"が!解放されたァ〜〜〜!!」

「やったぞ麦わらァ〜〜〜〜!!」

「エースを奪い返したァ〜!!!」


戦争の中、海賊の歓喜の声が響く。
それを聞きながらミコトは肩の力を抜いた。
まだ油断は出来ないがとりあえず処刑は避けられたとホッと息をつき、安堵した表情を浮かべる。


「"火拳"と"麦わら"と"冷酷ウサギ"を処刑しろォ〜〜〜〜!!!」


アスカはエースの胸に飛び込んで喜ぶが、海兵達は逃がさん、と3人を取り囲むがエース達に手も足も出なかった。


「…何という失態だ…おれがいながら!!」

「元帥殿!」


立ち上がるセンゴクに海兵が駆け寄る。


「ミコトはどうしてる」

「はっ!黒蝶殿はあちらに…」

「……………」


海兵の指差す方にはルフィとエースとアスカを見つめるミコトの姿が…
センゴクは微笑むミコトに眉をひそめる。
深い知り合い以外が見たら無表情に見える程の微笑だったが、ミコトは微笑んでいた。


「フッフッフッフッ!逃がしてやれよ、その方が今後面白ェ!」

「バカ言え!」


逃げ出そうとするルフィ達を見てドフラミンゴは愉快そうに笑うがモモンガに睨まれてしまう。
だが面白いからという理由だけで逃がせとはドフラミンゴは言ってはいない事には気づいていなかった。


「慌てるな!ここから出しゃあせんわい。」

「サカズキ大将!」


慌てる海兵達に赤犬が冷静にさせて指示を出す。
ミコトはそれらを見渡し、現状を見る。
大して自分が動かなくてもすむのだと分かったミコトは飛刀を仕舞い、倒れるコテツを見ることなくその場を立ち去った。


「おじ様、ご無事で?」

「ミコト…」


コテツから離れ、ミコトが向かった先はセンゴクのもとだった。
ミコトの登場にセンゴクの後ろに控えていた海兵達は敬礼をする。
それを手でやめさせながらミコトはセンゴクへと歩み寄る。


「随分嬉しそうだな…」

「…………」

「そんなに火拳が解放され嬉しいか」


センゴクのトゲのある言葉にミコトは目を細め、困ったように笑った。


「弟が…無事で喜ばない姉がいますか?おじ様…」

「……はァ…お前は本当…」

「失望した?」

「バカ者…困った奴だと言いたかったんだ……それに私がお前に失望するわけがないだろう……お前に甘いという事を忘れたか?」


溜息交じりに言うセンゴクにミコトは笑みを深めた。
すると背後からすごい音を立て、船が侵入してくる。


「あらあら…まあ…」


乗っていたのはスクアード。
自分の命を引き換えにエース達を救おうとするが白ひげに止められ、白ひげは海軍本部を半壊して海賊たちを逃がそうとする。


「白ひげ…!」


振り返ってるミコトの後ろでセンゴクの悔しそうな声がミコトの耳に届く。


「ずいぶん長く旅をした……ケリをつけようぜ…海軍!!」


口端を上げる白ひげをミコトは静かに見下ろす。
その後ろには白ひげの攻撃で崩れていく海軍本部。


「うわあああああああああ!!」

「マリンフォードが危ない!!」

「"白ひげ"を止めろォ〜〜〜〜〜!!!」

「本当に島ごと潰しちまう気だ!!」

「…………」


島を壊していく白ひげにミコトは目を細め、指と鳴らす。
するとピタリと建物の崩壊が止み、落ちていく瓦礫が空中で止まった。


「………小娘…!」


睨みつける白ひげを恐がることなくミコトは白ひげに指差す。
するといくつもの瓦礫が白ひげに向かって飛んでいった。


「オヤジィ!!!」


船長命令で逃げようとしても白ひげの危機にみな振り返る。
白ひげは飛んでくるいくつもの瓦礫を能力で粉々にする。


「!」

「…!……オヤジ…!!!」


粉々にした瓦礫に隠れていたミコトが飛刀を振り下ろす。
しかし咄嗟に白ひげが受け止め、ミコトは弾かれてしまう。


「黒蝶さん!」

「下がりなさい」


弾かれたミコトは着地するが、白ひげが薙刀をミコトへ叩きつけるように降ろす。
ミコトがいた場所から広範囲に地面が割られ、大きな音を立てて砂埃が舞う。


「!」


砂埃が晴れた頃、ミコトが傾世元禳で自分と海兵を白ひげの攻撃から守っている姿があった。


「こ、黒蝶さん…血が…!!」

「大丈夫です…ですが少し…見くびっていましたね……そんな体でこの力…驚きました…」

「……………」

「自分の血など見たのは初めてですわ……」


ミコトは頭から血を流れ、白ひげを見上げる。
そして飛刀から禁鞭に変更し、禁鞭を見た海兵達は自分たちは邪魔になるからと急いで避難する。


「わたくしはちゃんとした人間でしたのね…血が赤いですわ…」

「グララララ!緑だとでも思ったか?小娘…」


白ひげの言葉にゆっくりと宙に浮くミコトは目を細める。


「知っていて?わたくしは皆様から見れば立派な"化け物"ですの…ふふ、血が赤いのだと知っただけでも収穫ですわ…」


笑いながらミコトは禁鞭を軽く振る。
攻撃ではないソレでも禁鞭は浅くだが傷痕を付ける。


「命、取らせていただきます」

「やってみろ…小娘如きがおれに勝てると思うな!」


ミコトは禁鞭を力の力の限り振るう。
広範囲に攻撃をするための武器のため、白ひげの視界には見た目以上の長さを持っているように錯覚してしまう。
だが、白ひげは能力を使わずしてミコトの禁鞭をいとも簡単に掴んだ。
ミコトは目を丸くさせ、白ひげは口角を上げる。

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