(7 / 32) ストロングワールド (7)

準備も終わり、サニー号は海を進んでいたが空へと舞い上がる。


「うおーー!たけェ!!」

「気持ちいなァ〜!」


サニー号が空を飛び、上空にあるシキの船に続くように空中を浮遊し、まるで海面を進むかのように前に進む。
空島では急に昇ったり降りたりしたため今のようにのんびりと下の海面を見下ろすことは出来なかった。
その為、冒険好きーズの3人は満面の笑みを浮かべながら下を覗き込んでいた。


「…あんた達、戦闘準備のイメージずれてない?」


そんな彼らの服は戦闘にしては動きづらく、どう見ても観光または冒険の服装だった。
ナミは戦闘準備だ!と行って部屋へと消えたのに関わらず冒険しに行くような服を身に纏うルフィ達に呆れたように呟いた。


「全く、もう少し緊張感を持って頂きたいな〜」

「あんたがずば抜けて緩いわ!!」


ナミと同じく呆れたように呟いたブルックだったが、この中で一番派手で一番緊張感がない服だった。
ちなみにロビンも、フランキーも、サンジも、アスカも、ゾロも、到底戦闘しに行くとは思えない。
唯一衣服が変っていないのはナミだけだった。
アスカはいつもと変らず動きやすさと能力を重視した短パンなのは変らないものの珍しく部屋着のショートパンツではなくデニムのショートパンツで、上はロビンとナミとお揃いで買ったボーダーの服である。
ロビンもそのお揃いの服を着ており、ロビンは長袖に緑のボーダーだがアスカは能力もありノースリーブの赤のボーダーだった。
ナミは半そでの青のボーダーである。
自分以外が探検モードなのを見てナミは頭を抱えたくなる。


「あ!何か見えてきたぞ!」


本当に頭痛がしてきたナミの耳にチョッパーの声が届く。
何かを見つけたらしいチョッパーの声に全員がその指差す方へ目線を向ける。


「すっげェーな!こりゃ…!」


そこには数多くの島が浮いていた。
多くの島は岩が丸裸だったがその島に混じって海水を伴ったまま浮かんでいる島も多々あり、太陽の光りが反射し船から見下ろす海面とは違う美しさを見せていた。


「これもみんなおっさんの能力で浮いてんのか!?」

「ああ、そうだ…一旦浮かせたものはそのまま浮き続ける。」


サニー号から見下ろしたり見上げる島々にウソップ達は驚きが隠せなかった。
ウソップの問いにシキは頷き、頷いたシキにウソップは感心したような声を零す。
するとルフィが一際大きな島を見つけ、嬉しそうな声を上げる。
ウソップがルフィの言葉にシキからその指差す大きな島へと目線を移し、シキもその島を見上げると『ついたか…』と呟き島からナミへと目をやる。


「え…?」


大きな島に目を奪われていたナミだったが自分の下へ近づいてくるシキに気付き戸惑いの表情を浮かべながらシキを見上げる。
戸惑いが隠せないナミの表情にシキは目を細めた後、ルフィ達に語るように両腕を上げ声を張り上げた。


「ここはメルヴィユ!!冒険好きのお前らには打って付けの島だ!!存分に遊んでくるがいい!!」

「え、なっ!――きゃあ!!」

「!――ナミ!!」


声を張り上げたと思ったその瞬間、シキはナミを片腕で抱き上げる。
ルフィ達は突然の事に目を丸くし驚愕しながらもシキの片腕にいるナミへと駆け寄る。
どう見てもナミを奪おうとするシキに仲間達は阻止しようと襲い掛かり、アスカもナミを抱えるシキに腕をウサギにしナミをシキから奪い返そうとした。
しかし――…



「どっこいしょ!!」


「いッ―――!!」



シキは駆け寄ってくるルフィ達に焦る事なく天高く上げていた右腕をサニー号の芝生まで思いっきり振り下ろす。
その瞬間今まで浮いていたサニー号だったが突然重力が戻ったかのように落下していく。
アスカは突然の落下の感覚にゾクッと冷たいモノが背筋に走り小さく悲鳴を零した。


「ナミーーー!!!」


浮遊力を失ったアスカ達は重力に従い下へと落ちていく。
ただ、浮いているのはシキとシキに抱きかかえられているナミだけだった。


「航海士はもらったァ!!」


落ちていくルフィ達を高々と笑いながらシキは声を張り上げる。
そんなシキなどよそにルフィはナミを掴もうとゴムで伸びる腕を目一杯伸ばし、アスカも手首に巻かれているシュラハテンを伸ばす。
しかしどちらも限度があり、そしてシキがサニー号を回転させルフィ達に帆を当て飛ばしてしまい、ナミに手が届くことはなかった。


「ルフィーー!!みんなーーーっ!!!」


ナミの伸ばされた手も、声も、ルフィ達には届かず…ナミはシキの腕の中で浮いている島々に消えていくルフィ達を見送ることとなる。

シキとの出会い…それがルフィ達が離れ離れになり島々を渡る事となる原因の出来事だった。

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