一週間前、ナミはシキに連れられあの一際大きな島へと連れて行かれた。
腕から降ろされればそこには、ピエロとゴリラ、そして、モニカが立っていた。
ピエロとゴリラ、そしてモニカへ見渡すと、目と目が合い、モニカは初めて会った時と同じく人好きのする笑みを浮かべナミに向ける。
しかし初対面の時は嫌悪もなかった笑みも、攫われた今ではいい気持ちでは見れなかった。
シキはナミに『航海士になれ』、と言った。
しかしナミは『嫌だ』、と言った。
しかしシキは諦めずナミを温室へと閉じ込めずっと説得し続けていた。
だがシキも色々と忙しい身…一日中ずっとナミの側にはいられない。
ナミはシキの目を盗み逃げ出そうとした。
しかし――…
「駄目っすよ〜!」
「…!!」
唯一の出入り口である扉から出て行こうとするナミ。
気配を探るように神経を尖らせ周りを見渡し人がいないのを確認していると背後からモニカの声が届きナミは目を見張り後ろへ振り返る。
そこには先程まで居なかったモニカがニコニコと笑いながら立っていた。
「モ、モニカ…!?どうして…!」
「忘れちゃったんすか〜?アタシはキリキリの実を食べた霧人間っすよ?気配も消す事だって身体を消す事だって出来るっす。」
この温室にはナミしかいないはずだった。
しかしその温室にはいないはずのモニカは自分の背後におり、ナミは驚きが隠せない様子を見せる。
ナミの戸惑いの言葉にモニカは小首を傾げながら自分の能力をもう一度ナミに説明し、『ほら!』と腕を霧へと変えて見せる。
それを見たナミはモニカの能力を失念していたと内心舌打ちを打ち、あからさまに眉間にシワを寄せる。
しかし、ナミの背後には出入り口の扉……ナミはモニカに警戒しながらも隙を突き出入り口から温室を出て思いっきり扉を閉めドアノブに側にあった棒を引っ掛けモニカを閉じ込めた。
そして警戒しながらもナミは仲間の下へ全速力で走る。
「あれま…逃げちゃった。」
ナミに逃げられたモニカは焦る様子もなくそう呟き頭をかく。
扉を開けようとするも外から棒で引っ掛けているためカギを掛けたように開かない。
押しても引いても開かない扉にモニカは溜息をつき、扉へと手を伸ばす。
すると伸ばされている手が霧となりその扉の隙間から霧が抜け出し、モニカは全身を霧へと変え密室である温室から脱出した。
「あーあ、もう面倒…眠らせちゃえ!―――"フォッグ・スリープ"!」
既にナミの背は小さくなっており、モニカは追いかけることもなくその場にナミへと腕を伸ばした。
すると先程脱出したように手を霧状へと変え、ナミへと伸ばしていく。
「―――なッ…!」
モニカの霧は距離のあるナミへと追いつき、白くぼやけている霧にナミは目を丸くさせ立ち止まった。
立ち止まったナミに霧は襲い掛かり、ナミは防衛本能なのか咄嗟に手で口と鼻を塞いだ。
しかしそれでも霧はナミの指と指の隙間を抜け口と鼻へと入っていく。
霧を吸ったと気付いていないナミは突然の睡魔に襲われ、意識を保とうと必死になるもその努力も報われず睡魔に負けその場に倒れてしまった。
「…………」
歩いてナミへと向かっていたモニカはうつ伏せで倒れ眠るナミを無感情な瞳で見下ろす。
モニカが近づいてもナミは起きる気配もなく、モニカはそっと静かにナミの側でしゃがみオレンジ色の髪を優しく撫でる。
モニカによって脱出に失敗したナミは温室に戻され、シキはモニカの報告を聞くや否や監視用の電伝虫とモニカを常に温室に置いた。
その為、ナミは脱出する隙を伺うことすら出来なかった。
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