動物達はダフトグリーンもなくなり、王宮へと突進していく。
固い壁を突き破り、人がいる場所へと自然と足を向ける。
「なんだァ?」
敵を改良した腕で吹き飛ばしているフランキーの耳に地響きが届き揺れが襲い、ふと顔を上げる。
この地響きはフランキーだけではなくその場にいる全員の耳にも届いており辺りを見渡せば全員が音の方を向いていた。
すると広間に強化された動物達が雪崩れ込むように入り、無差別に海賊達を襲っていく。
海賊達は逃げ惑い、銃を放ち、刀を振るう。
しかしSIQによって尋常とは思えない力の持ち主である動物達に銃や刀が効くはずもなかった。
海賊達は次々と動物達に襲われ命を散っていく。
それは、麦わらの一味とて例外ではなかった。
「おらおらおらおら!!」
フランキーは襲い掛かってくるイソギンチャクのような化け物に廊下を走りながらも銃を放つ。
一般の銃とは倍の威力を持つフランキーの腕から放たれる銃でもイソギンチャクは怯む様子も見えず目の前の獲物だけを見据え襲いかかっていた。
上から足のようなものが降ってくるのを巧みに避けながらもフランキーは負けじと銃を放つ。
突き当たりに差し掛かり、フランキーはつい立ち止まってしまう。
その隙を狙いイソギンチャクは思いっきり体当たりを食らわし、怯むフランキーの足を触手で掴み上げる。
「――オラァ!!」
逆さに釣られるように捕まったフランキーだったが、そのままウエポンズ・レフトで止めをさす。
ロケットの勢いで吹き飛ばされたイソギンチャクはその威力に負け伸び、吹き飛ばされる勢いで触手も緩みフランキーはドテッと床に落ちていった。
「ヨホホホホ!!」
フランキーが1匹倒した同時刻…ブルックも襲い掛かる動物を相手に剣を抜く。
楽しげに笑いながらブルックはハエのような化け物を走って抜き去った。
「鼻歌三丁……」
抜かれたハエは拳に炎を纏い、背中を向けるブルックに振り返る。
しかし、腕を挙げブルックに向けようとしたその時…
「――矢筈斬り!!」
キン、と仕込が刀を収めた音と共にハエは斬られた衝撃に地面に伏す。
「く…ッ!」
アスカは逃げ惑う海賊や化け物を相手に外へと飛び出した仲間をよそに目の前の強敵と戦っていた。
目の前には巨大なアゲハチョウの化け物がおり、アスカはそのアゲハチョウへとシュラハテンを伸ばしまるで鞭のようにその巨大な身体を縛り付けていた。
アゲハチョウはギリギリと締め付ける蛇に負けじと大きな羽を羽ばたかせる。
羽が動かせば大量の鱗粉がアスカに降り注ぎ、その鱗粉は毒性なのかアスカの体に痺れが襲う。
「シュ、ラハテン!!」
≪はっ!≫
毒素の鱗粉を吸い、体の痺れも強くなりアスカは持ちこたえられないと思ったのかシュラハテンの名を叫ぶ。
シュラハテンも鱗粉を吸っているらしくアスカが掴んでいる体は微かに震えていた。
主人の声かけにシュラハテンも限界だと感じたようで、渾身の力を入れシュラハテンは縛り付ける力を強め、アスカはシュラハテンを握る力を強め思いっきり振り下ろす。
頭から落下したアゲハチョウは気を失いそのまま派手な音を立て地面に倒れる。
「……ッ」
アゲハチョウが倒れたその瞬間、アスカは力尽きたかのように座り込み、シュラハテンもシュルシュルとアスカの手首へと戻っていった。
今更だが口を手で覆いこれ以上鱗粉を吸わないようにしていたアスカの背後にドスン、と音がし、アスカはゆっくりと振り返る。
そこには派手な服を着た赤色のゴリラがアスカを見下ろしている。
サングラスを上げたその瞳はよくサンジが見せるハート型となっていた。
(あ…やばい…)
アスカは身に覚えのありすぎる目線の意味に冷や汗をかく。
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