(95 / 293) ラビットガール (95)

スモーカーとアスカの言ったバナナワニを吐き出すことに成功するサンジだが、出てきたのはカギではなく、何か白いモノ。
その白いモノは割れ、出てきたのはMr.3だった。
しかもMr.3は状況が分かっていないながらも自分の能力であるドルドルの実の白いモノにくっついた鍵を投げ、先の戦闘での復讐を果たす。
だが、その恨みでサンジが殴ろうとしたのをウソップが止め、ウソップは止められ睨むサンジに『そいつのドルドルの能力でこの檻の合鍵を作れねェかな?』という提案をする。
そして一行は…


「オイ生きてるか?ルフィ…ったく能力者ってのは厄介なリスク背負ってんな」


サンジがルフィを抱え海から出てきた。
そして、


「ウソップさんしっかり!!」

「まったく何やってんのあんた!?しっかり泳ぎなさいよっ!!」


能力者ではなく普通に溺れたウソップをナミとビビが抱えて上がり、


「………く…!!」

「ガハッ」


ゾロが敵であるはずのスモーカーを抱えて上がる。
そして最後に、


≪主、ご無事で?≫

「な、んとか……」


アスカがシュラハテンに抱えられて海から上がる。
誰よりも海水に弱いアスカの体に力はなくシュラハテンに支えられてではないと立っていられなかった。
やっと吸えた空気で落ち着かせたサンジはゾロがスモーカーを抱えて助けた事にゲッと眉間にしわを寄せる。


「うわっ!!スモーカー!!おいおいゾロてめェ何連れてきてんだよ!!」

「うるせェ不本意だよ…どうせくたばり損ないだ」


サンジに言われなくても本当はゾロも助ける気はなかった。
敵であるスモーカーを助けたのは、誰でもない…船長のルフィが助けろと命じたから。
命じた、というのは可笑しいが、同じ能力者のルフィの『放っといたらお前…!あいつ死んじゃうだろ!!カナヅチなんだぞ!?』という必死な言葉に渋々頷いただけである。


「ロロノア!!」


サンジと睨み合っているとスモーカーがゾロに十手を向け、その十手をゾロは刀で受け止めた。
サンジからスモーカーへと目をやればスモーカーはゾロを睨んでおり、助けられたことが不服だと言わんばかりの表情を浮かべていた。


「何故おれを助けた」

「"船長命令"をおれは聞いただけだ…別に感謝しなくていいと思うぜ?コイツの気まぐれさ気にすんな」


ゾロからそう返されスモーカーはまだ伸びているルフィをチラリと見た。
しかしすぐに目線をゾロに戻し『…じゃあ…おれがここで職務を全うしようと…文句はねェわけだわな?』と低い声で零すがゾロは何も返さない。


「ッアーーーシ!!野郎ども"アルバーナ"へ一目散だっ!!」

「クロコダイルは何処だーーっ!!!」

「あ、気がついた」


ゾロとスモーカー、そしてサンジが睨み合っていると目を覚ましたらしいウソップとルフィが声を大にして目を覚ましたことをデカデカと宣言する。
うがー、と両手を上げて声も上げたルフィはふとスモーカーがいることに気づきびくりと肩を揺らし驚く。
スモーカーがこちらを見ていた事に驚いていたルフィはグッと拳を握りファンティングポーズを構えた。


「うおッ!けむりッ!!やんのかお前っ!!!」

「…………」

「ぐあァ!!!スモーカー!!おいルフィやめとけ逃げるぞ!!!」


グッと拳を握るルフィに対しスモーカーは無言を貫いた。
同じく十手を構えるでもなくただ何も言わないスモーカーにルフィは怪訝としていると、遠くからスモーカーの部下である海兵の声が聞こえてきた。


「…行け」

「ん?」

「―――だが今回だけだぜ…おれがてめェらを見逃すのはな…」

「!!」

「……次に会ったら…命はないと思え"麦わらのルフィ"…」


一瞬、スモーカーの言っている意味が理解できず、アスカは呆けた。
あの敵意をむき出しにしていたスモーカーから出た言葉じゃないと思ったアスカは怪しみジト目でスモーカーを見る。
だが、その言葉は本当なのか部下達がこちらに向かってくる声が近くなったのを聞きスモーカーは何も言わないルフィに『さっさと行け』と猫を追い払うように手を振って再び言う。
サンジ達は罠かと疑う反面、スモーカーの言葉に甘え先を急ぐため走り出す。
アラバスタの国は初めてのサンジ達が地図なしに目的の場所へ向かうのは無謀そのものだった。
だからサンジがビビに道を聞きビビが案内しそれにナミやゾロ達が続く。
アスカも続こうとしたが、幼馴染が動かないのに気付きルフィの袖を掴んでクイッと引っ張る。


「ルフィ、行こう」

「ああ」


袖を引っ張られたルフィはチラリとアスカを見た後スモーカーへ目線を戻し、ニカッと笑う。


「おれ、お前きらいじゃねーなァ〜!ししし!」

「!―――さっさと行けェ!!」


スモーカーはルフィの言葉に頭に来た。
彼の性格からして見逃した自分を甘く見られたとでも思ったのだろう。
ルフィとスモーカーの性格が合っていないのは見て取れ、アスカはスモーカーの怒りを買ったルフィに呆れたようにため息をつきながら、スモーカーの攻撃を避けたルフィの腕を掴んでサンジ達の後を追いかける。
幼馴染に腕を引っ張られながらルフィは呑気にも『じゃーなー!』とスモーカーに手を振り、アスカは何かそれが気に入らずむっとさせスモーカーを睨む。

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