(112 / 158) 浦原娘主 (112)

「……!」


真由美は雷が落ちる音で目をさます。
相変わらず市丸に捕まえられているが藍染の方を見ると夜一と砕蜂が刀を向けていた。


「夜一様…砕蜂様…」


二人には真由美の声は聞こえないのか、はたまた真由美を気にするほど余裕がないのか。


「いやー、派手だなぁ…どないしよ」


市丸は暢気に真由美を拘束していない手で小さい石を払う。
だがその腕を何者かに捕まれてしまう。


「動かないで。」


それは十番隊副隊長の乱菊だった。
真由美は市丸の隙を突いて市丸の腕から逃げ出した。


「すんません、藍染隊長。捕まってもうた」


市丸は藍染にそう言うが藍染はただ市丸を見るだけだった。


「これまでじゃの」

「何だって?」

「分からぬか、藍染…もはやお主らに逃げ場がないということが」


着々と隊長、副隊長が到着し、藍染を囲む。


「終わりじゃ、藍染…」


囲まれ逃げばがないのに関わらず笑みを浮かべる。


「何が可笑しい」

「あぁ…すまない。……真由美、おいで。」

「え…?」


藍染は真由美に手を差し伸べる。
真由美はそのことに戸惑い、困惑する。


「さぁ、真由美」

「いや…」


真由美は藍染が恐ろしく一歩一歩と後ろに下がっていく。
藍染も真由美に合わせるように一歩ずつ前に歩こうとする。


「動くな!」


だが夜一と砕蜂に邪魔される。
藍染は溜息をつくがその瞬間消える。


「真由美!」

「………ッ!」


藍染は真由美の後ろに立っていた。
そして真由美を抱えるように捕らえる。
夜一と砕蜂は藍染に先と同じように刃を向けるが藍染はまだ微笑みを絶やさない。


「……時間だ」

「…!!離れろ!砕蜂!!」



夜一の掛け声で二人は藍染から離れる。
二人が離れるのと同時に藍染と真由美は黄色い光に包まれる。


****************


空を見るとメノスグランデが空を割り現れる。


「ギリアンか…何体いやがるんだ…!?」

「いや…まだ奥に何かいるぞ!!」


修兵の言葉に奥を見るが割れ目から光が現れ東仙と市丸に向かう。
修兵と乱菊は拘束を解き避ける。
藍染達は地面と共に宙に浮く。


「逃げる気か!ゴラァ!」

「やめい。」


射場が藍染を追いかけようとするが山本元柳斎がとめる。


****************


「真由美……真由美!!!」

「砕蜂様!!夜一様!!!」


真由美は藍染の腕の中で必死に手を伸ばし夜一と砕蜂の名前を呼び続ける。
だが山本元柳斎の言うように助け出す事が出来ずにただ見てるだけだった。


****************


「メノスとまで…手を組んだのか!」


浮竹の言葉に藍染は浮竹を表情なく見下ろす。


「何のためにだ…!!」

「高みを求めて」

「地に落ちたか…藍染」

「おごりが過ぎるぞ、浮竹。最初から誰も天に立ってなどいない。君も、僕も、神すらも」


藍染は眼鏡をとり髪を上げる。
手にしていた眼鏡は粉々に砕け散る。


「だが その耐え難い 天の座の空白も終わる。

これからは…

私が天に立つ」


―――そうして藍染らは姿を消す。

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