真由美はどこか息苦しくて目が覚める。
目の前には養父である喜助の顔が。
「………お、おはようございます…」
「はい!おはようございます!」
何故喜助の顔がドアップなのかは聞かない事にして真由美はまだ眠たいのか目を擦る。
その姿に数分で立派な親馬鹿になった喜助は萌えていた。
そしてカメラに収め十分真由美を堪能して満足なのか、真由美を起こし、着物を着替えさせる。
まだ頭が寝ぼけている真由美は恥など感じずされるがままである。
「真由美サンは昨日も今日も明日も可愛いっスね!」
「はいはい」
これが親子の毎日朝の挨拶の後に交わされる。
屋敷の者も二人を仲がいい親子だとニッコニコに微笑み見守る。
突っ込みを入れてくれる人は今のところいない。
喜助の出勤までの間、真由美の仕事は喜助の抱き人形になる事。
仕事に行く前は必ずこうして真由美を充電して行くのだ。
出勤になると喜助が真由美と離れたくなくて渋る。
しかしそれはもう何時もの事だと慣れたもので、使用人が引き離すのも手馴れたものだった。
そして、喜助が仕事で働いている間、真由美は勉強をして喜助の帰りを待つ。
勉強は最低限必要なモノだ。
しかし、真由美は聞いてしまった。
常識を叩き込まれた後はお嬢様の教育が待っている。と…
喜助さんに頼んだら止めさせてくれるかなぁ…あの人親馬鹿だしなぁ…とまったく子供らしくない事を考える。
だが真由美の影の中に隠れていた姫桜がお嬢様教育にエライ賛成し、盛り上がっているので止めるのも可哀想だと思い嫌々受けることになるだろう。
「お嬢様、今日は文字のお勉強をいたしましょう。」
「はい」
今日はどうやら文字の練習らしい。
ここの文字は昔の文字でわかりゃしねぇ。
そう文句を心の中で言いながら大人しくいう事を聞く。
現代の文字は書けるためそう困りはしなかった。
それを教師役を勤める使用人は大げさに褒め称える。
流石は喜助様の娘様でございます!
きっと大きくおなりになられご結婚なられると良妻賢母になられるでしょうなぁ…
いやはや浦原家は安泰です!!!
涙で前が見えません!と何に感激しているのかわからない使用人に真由美は、こっちはチートと呼べるぐらい10代中半の年齢ですんで。と頭の中で言い訳をしていた。
しかし、まだ子供の身体なので真由美の書く文字はバランスが悪い。
あえて悪く言えば下手、である。
まだこれからだい!と真由美は自分の下手な文字を見ながら思う。
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