(121 / 158) 浦原娘主 (121)

真由美は暫らく部屋に篭っていた。
秋斗が来ても多少は使える鬼道で結界を張りウティルも入れないようにしていた。

だがたまに隙を突いてザエルアポロの研究所に居る父と母に会いに行っていた。

今日も目を盗み真由美は両親に会いに行っていた。
首だけになった親を見上げる真由美の顔は悲しみに暮れていた。


「お父さん、お母さん…ごめんね…私……貴方達を見捨てます。」


****************


真由美は此処から出て行くことを決意し地下を出る。


「逃げるのかい?」

「……………」


地下へと続くドアの前に居たのはザエルアポロだった。
真由美は驚きもせずザエルアポロを睨みつける。


「怖いねぇ…睨まなくても我が王には知らせないから安心していいよ」

「……お前は秋斗の部下ではないのか」

「秋斗?あぁ、王のことか…」

「……………」

「確かにボク達は我が王の忠実なる部下というやつだね。でも…君に執着する王がどんな風に取り乱すかと思ってね」

「悪趣味…」


顔を背き真由美は呟いた。
ザエルアポロはそれに気分を害した様子はなく微笑む。
そして手に持っていたマントを真由美に渡す。
真由美はマントを受け取る。
だが悔しくて前々から盗み見ていた実験の資料を指差す。


「その資料、間違ってたよ。」

「なに?」

「訂正しておいたから頑張ってね。」


ザエルアポロが慌てて資料を見ている間に真由美はザエルアポロに手を振って去っていく。


****************


「…………」


残されたザエルアポロは資料を全て確認したあと微笑み、真由美が出て行ったドアを見つめる。


「…死神のくせに……やるね…」


ザエルアポロは上機嫌に真由美が訂正した実験を始める

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