(126 / 158) 浦原娘主 (126)

真由美達はバワバワに乗り移動する。
ルキアは真由美の横にぴったり引っ付いていた。
一護の膝の上にはネルが乗っていて、ルキアを睨みつける。


「こやつは…なぜ私を睨んでいるのだ?」

「さぁ?」

「あんたはいつごとどういう関係だ?」

「は?」

「モテモテじゃねぇか」

「るせぇ……ん?そういやぁお前らそのマントどうしたんだ?」


一護は思い出したかのように二人に聞くがどうやら砂埃が酷いからと渡されたらしい。


「誰に?」

「…兄様に」


ルキアは顔を赤くし目を逸らす。
一護、雨竜、チャドが驚く中真由美だけは花が咲くような笑みを浮かべ、胸元で手を合わせる。


「まぁ!白哉様がルキアに!和解したのですね!おめでとう!」

「これも真由美様のお陰でございます!」

「何でだよ…」


恋次の突っ込みも無視されルキアは顔を輝かしている。


「何かお祝いの品を用意しなくてはなりませんね、何がよろしいですか?」

「そんな!!真由美様のそのお気持ちだけで十分でございます!!」

「まぁ!ルキアったらお上手ね!…でも随分掛かってしまったけれど、本当によかった…」

「真由美様…」

「白哉様は昔から不器用な方でしたから奥方やルキアに悲しい思いをさせているのではと心配しておりました…でも…やっとあの方が報われ私も嬉しいわ…」

「…ご心配、おかけいたしました」


笑い合う二人余所に一護は動揺する。


「じ、じゃぁ…お前らをここに送ったのって白哉かよ!?」

「ガルガンタを開いてくれたのは浦原さんだけど…現世に来れたのは隊長のお陰だ」

「お父様が…」

「はい。兄様は"私が受けたのはお前達を連れ戻せという命だけだ。連れ戻した後どうしろと言う命までは受けてはいない。好きにするがいい"…と。」

「そっか…あの白哉がなぁ…随分丸くなったものだ」

「それから"薄汚い小僧に一人でウロつかれても虚圏側も不愉快だろう"と。」


一護は白哉の顔を思い浮かべながらバワバワを殴ってしまう。
殴られたため暴れだすバワバワ。
一護は皆に非難を受けた。
ルキアは再び真由美に顔を向ける。
相変わらず真由美にはいつもの顰めっ面ではなかった。


「真由美様」

「はい?」

「兄様が"早く私の元に帰ってこい"と真由美様に伝えろと。」

「白哉様…」

「……ちょっと待て。」


黙って聞いていた一護が手を前にして止める。


「ずっと黙ってて聞いてたけどよ、真由美…お前白哉とどういうかんけぐはっ!!」


最後まで言う前にルキアのパンチが一護に当たる。


「無礼者!!!真由美様を呼び捨てにしよって!!真由美様と呼べ!!真由美様と!!!」

「ってぇな!!!大体な真由美が呼び捨てで良いって言ってんだから良いだろ!!?」

「馬鹿者!!!真由美様はそういうのを気にしないお心が広いお方だからだ!!だが真由美様を呼び捨てなど私と兄様と浦原が許さんぞ!!」

「何で浦原さんが出てくんだよ!!」

「お前知らねぇのか?真由美さんは浦原さんの娘だぜ?」


恋次の言葉に一護、雨竜、チャドに再び衝撃が走る。


「な、なんだって!?君があの浦原さんの…!!?」

「……似てないな…」

「嘘だろ!!?」


それぞれ信じたくなくて足掻く。
だがその足掻きも可愛らしい微笑みで一刀両断されてしまう。


「あぁ、話してませんでしたね。改めて自己紹介します。私は浦原家当主、浦原真由美と申します。」


バワバワの上で真由美は一護達に頭を下げる。


「そしてなんと真由美様は五大貴族の一角であらせられる!!」

「あと十二番隊の副隊長だぜ?」


ルキアと恋次が付け足す。
雨竜は十二番隊、と聞いたとき顔を青くする。


「あいつの副官なのか…」

「あいつ…?」

「真由美さん、こいつが涅隊長と戦って勝った滅却師です。」

「ちょ…」

「まぁ!マユリさんが負けて液体になってしまってどうしようかと思った時の相手ですか!」

「どうしようって…」

「ふふ、マユリさんと遊んでいただきありがとうございます」

「は?」


雨竜は真由美に恨み辛みを言わされるのかと思ったのに反応が思ってるのと違いポカンとしてしまう。


「でもそれと白哉とはどういう関係があるんだ?」

「隊長の元婚約者だ。」

「は?…誰が?」

「真由美さんが。」

「誰の?」

「隊長の。」

「なんだって?」

「元婚約者。」


一護は固まってしまいギギギと音をさせ真由美を見る。
雨竜達も同じだ。
真由美は一護達の目線を諸共せず微笑む。


「昔の話しですよ。昔の。」

「ってことは本当に婚約者だったのか!!?あの白哉の!?」

「はい」

「……おま」

「真由美様!!」

「……真由美さんって凄いんだな…」

「え?そうですか?」


首を傾げる真由美に一護達は思う。

浦原の娘で
上流すぎる貴族で
白哉の元とは言え婚約者で
十二番隊の副隊長をこなしてて…

そのまま見るとか弱い女の子で死神だというのも信じられないない。
一護は特にそうだ。
ルキアを助けだす仲間内で唯一真由美と親しくなったのだから。
初めて会ったときも優しく微笑み、双極の丘の時も斬魄刀を出さずに白哉に助けられていた。
戦った事がないため実力も知らないので信じられないのは当たり前だ。


「言っとくが真由美様はお強いぞ。誰よりもな。」

「「「!!?」」」

「もう!やだぁルキアったら!!嘘を教えちゃ駄目よ!」

「いや、真由美さんは強いっすよ。隊長もそう言ってましたし」

「それは人より凄い斬魄刀を持ってるだけで…私の力じゃないわ」


真由美は自分を小さく見ている面がある為、実際自分がどんなに凄いのかわからない。


「凄い斬魄刀?…そういえば真由美…さんの斬魄刀ってなんだ?」

「ん?姫桜だよ。」


斬魄刀の名前を言われてもピンと来ない一護は首を傾げる。


「姫桜というのは今まで伝説とまで言われた斬魄刀だ。ここ数百年は主を持たなかった為今でも謎に包まれている。」

「待てよ、斬魄刀って所有者によって違うんじゃ…」

「桜ちゃんはね、特別なの。」

「特別?」

「尸魂界内では二つの斬魄刀が頂点に立っていることをご存知?」

「いや…」

「一つは姫桜。もうひとつは…」


説明の途中で真由美は止まる。
皆は疑問に思うがその瞬間地響きが鳴り響き、ルヌガンガ再来である。

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