(155 / 158) 浦原娘主 (155)

「……、…」

「真由美サン…!!」


真由美は暖かい光に意識が戻り目を薄っすらと明ける。
ここはどこだろう、と思っていると懐かしい声に真由美はそちらへ顔を向ける。


「お、父様…」

「真由美サン…よかった…!!本当によかった!!」

「お父様……」


顔を横に動かすとそこには涙を浮かべている父がいた。
喜助を見て真由美は無意識に手を伸ばそうとする。
だが、その手を見て真由美は伸ばしていた手を止め、己の腕を凝視した。


「これ…」


自分の目の前にある手は、腕は左腕。
そう、弟である秋斗に切り落とされた腕だった。
その手はまだ修復中なのか指先が白い骨で指先から下はすでに人間の腕となっていた。
そして、何より真由美はオレンジ色の物に囲まれているのに気付く。
辺りを見渡すと織姫と目が合い、織姫は真由美と目が合うと愛らしく笑ってくれる。
それに笑い返す余裕はまだなく真由美は更に辺りを見渡す。
そこには父と織姫だけではなく一護やルキア、雨竜、チャド、恋次が心配そうに、そして安堵したように笑みを浮かべていた。


「お父様…ここは…」

「ここは尸魂界っす……真由美サンは井上サンの能力で今治療しています…今しばらくの辛抱ですから大人しくしててください…」


現状が理解できていない真由美は父へ目線を戻し、聞く。
父の言葉に納得したのか真由美は小さく頷きまだ血が足りないのか眠りについた。


「井上サン…ありがとうございます…」


喜助は眠りについた娘を見つめ心からの感謝の言葉を織姫に捧げた。
織姫は真由美が意識を取り戻したのが嬉しいのか満面の笑みを浮かべる。

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