「麗しいお嬢さん、お名前を聞いても?」
「え…あの…斎藤…あかり…です」
私は目の前の黒崎君に戸惑う。
教室中の人間の視線が私に集中する。
いやー!何でこんなことにぃー!?
それは数分前に遡る…
朝、私は黒崎家で朝ごはんを食べていた。
いつもお邪魔させて頂いているのでご飯は私が作る。
登校も一緒に行くが教室に入ってしまえば別だ。
その日も私は一人でいた。
そして朽木さんがやって来て黒崎君を殴り強制的に連れ出す。
(どぉっかで見たような風景…何話だったっけ…?)
と曖昧な記憶で悩みながらお弁当を広げようとした時…
「ここ、一年三組であってるよなぁ?」
黒崎君がいました…
あ、いたというより飛んでいた?
窓からの登場に皆驚く。
私も驚きで一杯だ。
(あぁ、コンの回か…)
私は悠長に考えていたら井上さんを口説き、有沢さんにほっぺにキスをした。
怒り出す有沢さんは机を黒崎君…じゃなくてコン君に投げつける。
コン君は逃げ回り、私と目が合う。
私は「あ、目が合った」的な感覚だったのでコン君が私の目の前に降りてきた事に驚く。
「え…なん……」
「麗しいお嬢さん、お名前を聞いても?」
「え…あの…斎藤…あかり…です」
そして、今に至るというわけだ。
****************
私は腕を腰に回されコン君と密着する。
それに戸惑いコン君と見詰め合う形となる。
「一目惚れって本当にあるんだな…君も、そうだろ?」
「は…はぁ?あ、ちょ…」
意味分からんセリフを吐かれ呆気にとられていると段々黒崎君の顔が近づき…
そして
「きゃーーー!」
誰かの黄色い悲鳴で我に帰る。
黒崎君の顔がさっきよりドアップになってて良く分からなかったけど…
なんか
唇に…
―――ちゅっ、と可愛らしく音を立て黒崎君は私から離れる。
(え…ちょ、ま…キス…された…?はぁ?)
頭の中がパンクしそうで何も考えられなかった。
「一護!!お前斎藤さんに何してんだ!!!」
「おっと!」
有沢さんが怒ってくれて机を投げてくるけど良く考えて?
私もいるんだけど?
「っ!!」
「よっと…!」
コン君は私を抱きかかえたまま華麗に避ける。
私は飛び交う机が怖くてコン君にすがり付いて固まる。
「そこまでだ!!!」
ガラッとドアを開け登場したのは朽木さんだった。
両者睨み合うがコン君が動き窓に向かう。
(逃げるのは良いけど私を置いてから逃げてーーー!!!)
コン君は私を抱きながら逃げる。
置いてけよ!と言えたらどんなにいいか…
「行ったぞ!一護!!」
「おう!!」
逃げ出そうとしたコン君に朽木さんは叫ぶ。
それに応じて下から死神の格好をした黒崎君が姿を現して。
「さぁ、逃げ道はねぇ!」
前には黒崎君、後ろには朽木さん。
そして私を抱えているから不利である。
「とっとと斎藤を離して観念しやが…うを!!!」
黒崎君が最後まで言う前にコン君が襲い掛かる。
私は落とされないように必死にしがみ付くのに精一杯だ。
そのままコン君は私を抱えたまま窓から逃亡する。
行っておくが私はジェットコースタ−系が苦手だ。
お化け屋敷も苦手だ。
「しっかり捕まってろよ!!」
「え、や…やだ…ちょ…いやあああ!!!!」
「ッ―――あかり!!」
私は黒崎くんの声を聞きながら気を失った。
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