(11 / 42) 一護夢 (11)

「あっあの!!」

「ん?どうしたんだい?マイハニー」

「は、はにぃ!!?」


ハニーって…マイハニーって今時のバカップルでもそんな単語使わんぞ!!?
しかも黒崎君の顔で言われてしまって私は寒気がした。
折角気絶から目が覚めたというのにまた気絶させる気か!


「あ、あなた何者なの!!?黒崎君じゃないでしょ!?」

「…へぇ、分かるんだ…」

「まぁ、黒崎君はそういうのしないし…そういうキャラでもないし…」

「ふーん…」


どうでもよさそうにコン君はある人を見るけ降りる。
ついでに私も解放してくれるといいなぁ…なんて…

その人というのはサボリ中の小学生だった。
小学生はゲームをしていた。


(あ、確かこの展開って…)


思い出してきた展開に私はコン君を止めようと声をかける。


「まっ…!!」


私の声も聞かずに子供に襲い掛かろうとする。
だが黒崎君に止められ失敗に終わる。
私はそれにホッと胸を撫で下ろし、腰にある手を取ろうと必死になる。



「ぅあ…!」

「あかり!!」


だけど私はまたコン君に抱えられ屋根を走ることとなる。



コン君は傷ついている。
それは分かる。
漫画もアニメも見ていれば誰でもわかることだ。
私は抵抗を諦めコン君の腕の中でじっとしていた。


「!!」


コン君は来た道を振り向きある場所を凝視する。


(虚が出たのね…)


私が理解した瞬間、コン君は走り出し、来た道を戻る。
そしてさっきの子供達の場所に戻ってみると虚がいた。
コン君は私を降ろし子供達を庇う。
子供達は逃げ出し、コン君は屋上に飛んだ。
私は走って屋上に向かう。



大きな音をさせドアを開けると其処には虚の姿はなく、コン君と黒崎君がいた。


「斎藤!?お前…なんで…逃げたんじゃ…」

「逃げれるわけないじゃない!あんな化け物と戦ってるのを見ちゃったら!!」


私は黒崎君に向かって怒鳴る。
別に彼が悪いってわけじゃないが話しかけてきたのが彼だからだ。


「お前俺が見えるのか!?」

「ばっちり。……怪我は…って聞かなくても分かるね…」

「お前…」


ゆっくり近づく私にコン君は目を丸くする。


「こんな傷つけちゃって…馬鹿ね…」

「…………」


私はコン君の頭を撫でる。
今の彼はなんというか…可哀相というか…構ってないと死ぬというか…
分からないけど放っておけないのだ。


****************


それから浦原が来てコン君を抜いたりそのコン君を朽木さんが奪ったりでめでたく収まり、私は今黒崎君と朽木さんと帰っている。
巻き込んだからのと、死神と虚が見えるからのとで私は経由と、説明を聞かさせる。
とりあえず分かった振りして、協力もすることとなった。
まぁ協力って行ってもコン君のフォローとか裏方だけど…


「斎藤は俺が見えてたんだよな…」

「うん」

「では今までも見えていたのか?」

「んー、私あの格好の黒崎君見たの今日が初めてだから…」

「そうか…」


朽木さんも演技が必要ないと思ったのか素だ。
黒崎君は何かに気付いたのか私に振り向く。


「そういえばなんでお前あいつに抱えられてたんだ?」

「え"…あー……それは…その…」

「なんだ、見てなかったのか?あの二人のことは分かったのに…」

「悪かったな、気付かなくて…」


不貞腐れている黒崎君を朽木さんは鼻で笑う。


「お前は斎藤に…」

「わー!わーー!!」

「な、なんだ斎藤…!」

「ちょっと朽木さん!駄目よ!やめて!!」


私は慌てて朽木さんの口を塞ぐ。
それを見た黒崎君は顔を青くしていた。


「俺…あ、いやあいつ隠したがるほど斎藤に酷いことしたのか…!?」

「あ、いや!違うの!そんな…」

「違うのなら言えばよかろう!!こやつがお主の唇に接吻したと!!」

「あー!朽木さん!!なんで言うの!!?」


口塞いだ意味ないじゃない!!と手を解き言ってしまった朽木さんに慌てる。


「黒崎君違うの!ちが………なにしてんの…?」


黒崎君の方を向くと土下座していた。


「すまん!!本当にすみませんでしたぁぁ!!!」

「き、気にしてないからいいよ!!頭を上げて!」

「乙女の唇を奪ったんだ、責任持てよ?一護」

「朽木さん!!」

「あぁ!責任持つ!」

「えぇぇぇ!!?」

「うむ!!幸せにするのだぞ!!」

「あぁ!幸せにする!」

「ねぇ!それってボケなの!?ボケなのね!?」


本気か冗談か分からない二人に私はタジタジだ。
私の頬が赤いのは夕日のせいだと思いたい。


****************


「そういえば、この子そのままにするの?」

「あ?…そうだな…ルキア!こいつに直接文句を言うにはどうしたらいいんだ?」

「そりゃぁ魂の抜けた…死んだ肉体に注入すれば…」


朽木さんの言葉に黒崎君は死体を探す。
平和ボケしている日本にそんなのあるわけないのに…
まぁ猫の死体ぐらいはあるけど流石にそれは…
黒崎君がノリ突っ込みした後ぬいぐるみを見つける。
そのぬいぐるみの中にコンを入れる。
だけど何も起きずぬいぐるみを振り回す。
だが…


「いてぇな!ボケェ!!!」


突然ぬいぐるみが動き出し黒崎君に文句言っていた。
私はそれを黙って見ていたがコン君を引っ張りだしたのを見て慌てて黒崎君を止める。


「ちょっと!ちょっと!!黒崎君!!駄目よ!!破けちゃう!!」

「斎藤!こいつに何をされたか忘れたのか!?」

「忘れてないけど……あぁ!駄目だってば!!」


気絶寸前のコン君を黒崎君から奪い取る。
黒崎君は舌打ちし、そっぽを向く。


「ん…んん!?」

「あ、起きた?」

「貴女は…!!俺のマイハニー!!」

「ハニーだぁ!?」

「それ、素なんだね…」


人形という物を利用してコン君は私の胸に擦り寄る。
それを見た黒崎君は私からコン君を奪いまた喧嘩し始める。


(もういいや…喧嘩するほど仲がいいっていういね…)


私はもはやこの二人を仲裁する気にもなれず朽木さんと二人で帰った…

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